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6話 速水さんの気持ち
《12》
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「卯月先生に『今日ドキ』は僕をモデルにして書いた事も教えて頂きました」
『今日ドキ』の事も話しちゃったんだ……。
もしかして速水さん怒ってる?
「すみません。許可もなく速水さんをモデルにして。あの、この件についても不快な思いをさせていたらすみません」
「全然不快ではないです。むしろ光栄ですよ。モデルにして頂けて」
そうなの?
「それに卯月先生に会いたくなりました」
「え……」
「この一ヶ月、毎日卯月先生の事を考えるようにもなった」
毎日、私の事を考えていてくれたの?
「メールの返信がすぐにできない程、考えました。今後、卯月先生とどんなお付き合いをするべきか考えていてお返事が遅くなりました。お待たせして本当に申し訳なかったです」
速水さんの顔から笑みが消える。
真剣な表情で見つめられて、ドキッとする。
何を言われるんだろう……。
「卯月先生、いや、内田美樹さん」
「は、はい」
「これからは作家と編集者としてだけではなく、個人的に僕と会ってくれませんか?」
こ、個人的に! それって、それって……。
「私とお友達になってくれるんですか!」
速水さんの両眉が驚いたように上がった。
私、変な事言った? お友達は図々しかった?
あははと速水さんが笑い出す。
「そうですね。まずは友達から始めましょうか。よろしくお願いいたします」
速水さんが手を差し出す。その手を取ると、ギュッと強く握ってくれた。速水さんの手は温かった。
『今日ドキ』の事も話しちゃったんだ……。
もしかして速水さん怒ってる?
「すみません。許可もなく速水さんをモデルにして。あの、この件についても不快な思いをさせていたらすみません」
「全然不快ではないです。むしろ光栄ですよ。モデルにして頂けて」
そうなの?
「それに卯月先生に会いたくなりました」
「え……」
「この一ヶ月、毎日卯月先生の事を考えるようにもなった」
毎日、私の事を考えていてくれたの?
「メールの返信がすぐにできない程、考えました。今後、卯月先生とどんなお付き合いをするべきか考えていてお返事が遅くなりました。お待たせして本当に申し訳なかったです」
速水さんの顔から笑みが消える。
真剣な表情で見つめられて、ドキッとする。
何を言われるんだろう……。
「卯月先生、いや、内田美樹さん」
「は、はい」
「これからは作家と編集者としてだけではなく、個人的に僕と会ってくれませんか?」
こ、個人的に! それって、それって……。
「私とお友達になってくれるんですか!」
速水さんの両眉が驚いたように上がった。
私、変な事言った? お友達は図々しかった?
あははと速水さんが笑い出す。
「そうですね。まずは友達から始めましょうか。よろしくお願いいたします」
速水さんが手を差し出す。その手を取ると、ギュッと強く握ってくれた。速水さんの手は温かった。
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