推しの速水さん

コハラ

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4話 速水さんとデート?

《17》

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もしかしたら、返事がない事が速水さんからの返事かもしれない。

速水さんはもう私と関わりたくないんだ。速水さんを失望させる事を私はしてしまったんだ。

もう二度と速水さんに会えないんだ……。

そう思ったら、生きている事が辛くなった。速水さんは私の生きがいだった。生きがいの速水さんから拒絶されたら、もう生きる意味はない。

あんなに楽しかった『今日ドキ』も書けなくなり、更新が止まった。

読者さんからは更新が止まっている事を心配するメールを頂き、申し訳ないと思うけど、今の私は、速水さんに会えない苦しい心情を吐露するような物しか書けない。そんな重たい物語を『今日ドキ』の読者は求めていない。

作家卯月も死んでしまった。

「いくちゃん、推しに拒絶された私はもう生きる価値もない人間なんだよ」

大学のカフェで、いくちゃんは呆れたようなため息をついた。

「美樹、そんなにいじけたら頭腐るよ。速水さんに返信下さいってメール出せばいいじゃない」
「催促メールなんて申し訳なくて出せないよ」
「だったらもう忘れれば」
「忘れられる訳ないでしょ!」
「あー言えばこう言う。本当、面倒くさい子。よし、お泊り会をしよう。今日、美樹の家に泊まるから!」
「えっ。なんでそうなるの?」
「私が泊まりに行きたいから」

いくちゃんが得意げな顔で言った。
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