71 / 150
4話 速水さんとデート?
《11》
しおりを挟む
「卯月先生、大丈夫ですか?」
テーブルに伏せていると速水さんの声がする。
「ずみまぜん。ちょっと、らめれす」
「卯月先生、お酒弱かったんですね。ごめんなさい。調子に乗って飲ませすぎました」
「弱いんですかねぇ。自分れも、よく、わかりましぇん」
「卯月先生、呂律回ってませんよ。気持ち悪くないですか?」
「ふわふわしてます。推しがいっぱいいて」
「酔ってますね」
ハハッという速水さんの声がする。
幸せで最高に気分がいい。今だったら本当の事を言えそう。
「速水さん、ありがとうございました。ずっと速水さんにお礼を言いたかったんです」
「お礼だなんて、僕も今日は卯月先生とご一緒出来て楽しいですよ」
「いえ。今日の事ではなく」
顔を上げて、じっと速水さんを見る。
「卯月っていうペンネーム、なんで付けたか知ってます?」
「卯月って四月の事ですよね。四月が卯月先生の誕生日なんですか?」
「違います。速水さんと出会ったのが四月だからです」
「えっ」
速水さんが驚いたように瞬きをする。
そんな表情も素敵で胸がキュンキュンする。
速水さんと出会ってからキュンキュンする事ばかり。
えへへ。幸せだな。
「速水しゃん」
「はい」
「大好きです。大学一年の時からずっと」
「卯月先生、酔ってますね。そんなに前じゃあ、僕たち会ってませんよ」
「会ってます!」
テーブルから起き上がって、真っすぐ速水さんを見た。
「私、大学に入ってすぐ書店でアルバイトを始めたんです。それで、盗撮犯を見つけて、声をかけたら突き飛ばされて、速水さんが受け止めてくれたんです。速水さんは覚えていないだろうけど、カッコ良く盗撮犯を速水さんは投げ飛ばしたんですよ。その時から速水さんが忘れられなくなって、気づいたら速水さんに恋をしていました」
胸につかえていた事がスラスラと出てくる。
お酒の力って凄いな。
「実は『今日ドキ』のモデルは黒須先生じゃなくて、速水さんなんですよ。速水さんとこんな恋がしたいという憧れを詰め込んで書いた作品なんです」
速水さんの表情から笑みが消える。
それから困ったようなため息をついた。
やっぱり、私の告白は迷惑だよね。
速水さんが好きなのはゆりさんだもんね。
ゆりさんみたいな美人さんに生まれたかった……。
テーブルに伏せていると速水さんの声がする。
「ずみまぜん。ちょっと、らめれす」
「卯月先生、お酒弱かったんですね。ごめんなさい。調子に乗って飲ませすぎました」
「弱いんですかねぇ。自分れも、よく、わかりましぇん」
「卯月先生、呂律回ってませんよ。気持ち悪くないですか?」
「ふわふわしてます。推しがいっぱいいて」
「酔ってますね」
ハハッという速水さんの声がする。
幸せで最高に気分がいい。今だったら本当の事を言えそう。
「速水さん、ありがとうございました。ずっと速水さんにお礼を言いたかったんです」
「お礼だなんて、僕も今日は卯月先生とご一緒出来て楽しいですよ」
「いえ。今日の事ではなく」
顔を上げて、じっと速水さんを見る。
「卯月っていうペンネーム、なんで付けたか知ってます?」
「卯月って四月の事ですよね。四月が卯月先生の誕生日なんですか?」
「違います。速水さんと出会ったのが四月だからです」
「えっ」
速水さんが驚いたように瞬きをする。
そんな表情も素敵で胸がキュンキュンする。
速水さんと出会ってからキュンキュンする事ばかり。
えへへ。幸せだな。
「速水しゃん」
「はい」
「大好きです。大学一年の時からずっと」
「卯月先生、酔ってますね。そんなに前じゃあ、僕たち会ってませんよ」
「会ってます!」
テーブルから起き上がって、真っすぐ速水さんを見た。
「私、大学に入ってすぐ書店でアルバイトを始めたんです。それで、盗撮犯を見つけて、声をかけたら突き飛ばされて、速水さんが受け止めてくれたんです。速水さんは覚えていないだろうけど、カッコ良く盗撮犯を速水さんは投げ飛ばしたんですよ。その時から速水さんが忘れられなくなって、気づいたら速水さんに恋をしていました」
胸につかえていた事がスラスラと出てくる。
お酒の力って凄いな。
「実は『今日ドキ』のモデルは黒須先生じゃなくて、速水さんなんですよ。速水さんとこんな恋がしたいという憧れを詰め込んで書いた作品なんです」
速水さんの表情から笑みが消える。
それから困ったようなため息をついた。
やっぱり、私の告白は迷惑だよね。
速水さんが好きなのはゆりさんだもんね。
ゆりさんみたいな美人さんに生まれたかった……。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる