58 / 150
3話 推しの為にできる事
《18》
しおりを挟む
速水さんとゆりさんを追いかける気力もなく、待ち合わせた公園の入り口に一人で立っていた。
すぐに速水さんは戻って来ると思ったけど、まだ速水さんの姿はない。
スマホを見ると、約束の時間を5分過ぎている。連絡もない。
もしかして、もう速水さんは戻って来ないのでは?
不安が胸を締め付ける。
今頃、速水さんはゆりさんと楽しい時間を過ごしていて、私の事を忘れちゃったのかも。
ゆりさんとは腕を組んで歩く程の関係だし、マンション前で抱き合っていたのも見たし。
私に会うよりもゆりさんと会っている方が速水さんは幸せなんだ。
いじけた考えがどんどん広がっていく。
こんな風にいじける自分も嫌だ。
せっかくいくちゃんが魔法をかけてくれたのに、もう速水さんに会う気力がない。
お礼の品は集学館の受付の人に預けて、速水さんに渡してもらおう。
公園を出ようとした時、後ろから肩を掴まれて、ドキッとする。
「卯月先生、すみません。お待たせしました」
肩で呼吸をする速水さんがいた。額には薄く汗が見える。
速水さん、走って来たんだ。
もしかして、私の為に息が切れる程、全力で走ったの?
私との約束、忘れていなかったの?
じわっと目の奥が熱くなる。
……嬉しい。嬉しいよ。速水さん。
すぐに速水さんは戻って来ると思ったけど、まだ速水さんの姿はない。
スマホを見ると、約束の時間を5分過ぎている。連絡もない。
もしかして、もう速水さんは戻って来ないのでは?
不安が胸を締め付ける。
今頃、速水さんはゆりさんと楽しい時間を過ごしていて、私の事を忘れちゃったのかも。
ゆりさんとは腕を組んで歩く程の関係だし、マンション前で抱き合っていたのも見たし。
私に会うよりもゆりさんと会っている方が速水さんは幸せなんだ。
いじけた考えがどんどん広がっていく。
こんな風にいじける自分も嫌だ。
せっかくいくちゃんが魔法をかけてくれたのに、もう速水さんに会う気力がない。
お礼の品は集学館の受付の人に預けて、速水さんに渡してもらおう。
公園を出ようとした時、後ろから肩を掴まれて、ドキッとする。
「卯月先生、すみません。お待たせしました」
肩で呼吸をする速水さんがいた。額には薄く汗が見える。
速水さん、走って来たんだ。
もしかして、私の為に息が切れる程、全力で走ったの?
私との約束、忘れていなかったの?
じわっと目の奥が熱くなる。
……嬉しい。嬉しいよ。速水さん。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり
Keitetsu003
ライト文芸
このお話は「風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-」の番外編です。
藤堂正道と伊藤ほのか、その他風紀委員のちょっと役に立つかもしれないトレビア、雑談が展開されます。(ときには恋愛もあり)
*小説内に書かれている内容は作者の個人的意見です。諸説あるもの、勘違いしているものがあっても、ご容赦ください。
さくらの花はおわりとはじまりをつげる花
かぜかおる
ライト文芸
年が明けてしばらくしてから学校に行かなくなった私
春休みが終わっても学校に通わない私は祖父母の家に向かうバスに乗っていた。
窓から見える景色の中に気になるものを見つけた私はとっさにバスを降りてその場所に向かった。
その場所で出会ったのは一人の女の子
その子と過ごす時間は・・・
第3回ライト文芸大賞エントリーしています。
もしよろしければ投票お願いいたします。
君と交わした約束を僕は忘れない
日野 祐希
ライト文芸
書籍部(しょじゃくぶ)部長の栃折奈津美先輩は、学校随一の変人だ。見た目は清楚な美人なのに、中身はとんだトラブルメーカー。おかげで同じ書籍部に所属している僕も、生徒会から目を付けられる始末だ。本当に勘弁してほしい……。
けど、そんな奈津美先輩には、もう一つの顔がある。そう、製本家を目指す職人見習いとしての顔が――。
子供の頃、奈津美先輩がこの町を離れる前に交わした、一つの大切な約束。
僕はそれを一生忘れない。
この約束を果たすために、僕らは各々の夢に向かって突き進む。
でも、僕らの約束がもたらすものは絆だけではなくて……。
これは、司書を目指す僕と製本家を志す奈津美先輩の、ささやかな約束をめぐる物語。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
『♡ Kyoko Love ♡』☆『 LOVE YOU!』のスピン・オフ 最後のほうで香のその後が書かれています。
設樂理沙
ライト文芸
過去、付き合う相手が切れたことがほぼない
くらい、見た目も内面もチャーミングな石川恭子。
結婚なんてあまり興味なく生きてきたが、周囲の素敵な女性たちに
感化され、意識が変わっていくアラフォー女子のお話。
ゆるい展開ですが、読んで頂けましたら幸いです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
亀卦川康之との付き合いを止めた恭子の、その後の♡*♥Love Romance♥*♡
お楽しみください。
不定期更新とさせていただきますが基本今回は午後6時前後
に更新してゆく予定にしています。
♡画像はILLUSTRATION STORE様有償画像
(許可をいただき加工しています)
映画を見に行く悪い女 〜束縛を乗り越えて私は推しに会いにいく〜
りりぃこ
ライト文芸
美香の夫は、束縛が激しい。男と話すことはもちろん、芸能人、二次元にすら嫉妬する。
それでも美香は夫を愛し、この生活に満足していた。
そんなある日、昔好きだった漫画が実写映画化すると知った。
それも、昔好きだったアイドルが出演するという。
どうにかして見たい!!でも決して夫は許可してくれないだろう。
美香は、自分を慕ってくれる会社の後輩の雪華、知り合ったばかりの腐女子の鈴川と共に、映画を見に行くだけの、一大プロジェクトを決心する……!!
飛べない少年と窓辺の歌姫
紫音
ライト文芸
児童養護施設で育った男子高校生・烏丸翔は、悪友に誘われるがまま動画配信のために危険な度胸試しを繰り返していた。下手をすればいつ死んでもおかしくないという危機感を覚える中、不注意から足を負傷した彼は入院先の病院で一人の少女と出会う。病に冒され、自らの死期を悟りながらも自分らしさを貫く少女の生き様に、烏丸は惹かれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる