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3話 推しの為にできる事
《12》
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「私はもう帰るつもりだけど」
「何言ってるの! 本番はこれからでしょう! せっかくデパートまで来たんだから、美樹は電柱色じゃない服を買わないと」
「いいよ。私の服は。いくちゃんの服を見なよ」
「ダメ。美樹にお洒落をさせるのが私の野望だから。それに速水さんに会うんでしょ? いつもの電柱服で行ったら失礼だよ」
電柱服って酷い。目立たない色が落ち着くだけなのに。
「集学館にはリクルートスーツで行くから大丈夫だよ」
「はあ? そんな地味でクソつまんない服で推しに会うなんて失礼よ。おいで」
スゴイ勢いでいくちゃんに連れて行かれる。
「ちょっと、いくちゃん」
「さあ、ショッピングの始まり!」
いくちゃんが生き生きと歩く。
足が痛いと言っていたくせに、物凄く元気じゃない。
それからさらに二時間、服を見て回る事になった。
家に帰るとぐったりだった。
両手に持った紙袋の山を見て、お母さんに「ずいぶん、買ったわね」なんて言われた。
服からメイク道具まで買わされてしまった。速水さんに会いに行く日は今日買った服を着て、お化粧もちゃんとするようにいくちゃんに言われている。
なんでいくちゃんが私がお洒落をする事に気合いを入れているのかよくわからない。
「何言ってるの! 本番はこれからでしょう! せっかくデパートまで来たんだから、美樹は電柱色じゃない服を買わないと」
「いいよ。私の服は。いくちゃんの服を見なよ」
「ダメ。美樹にお洒落をさせるのが私の野望だから。それに速水さんに会うんでしょ? いつもの電柱服で行ったら失礼だよ」
電柱服って酷い。目立たない色が落ち着くだけなのに。
「集学館にはリクルートスーツで行くから大丈夫だよ」
「はあ? そんな地味でクソつまんない服で推しに会うなんて失礼よ。おいで」
スゴイ勢いでいくちゃんに連れて行かれる。
「ちょっと、いくちゃん」
「さあ、ショッピングの始まり!」
いくちゃんが生き生きと歩く。
足が痛いと言っていたくせに、物凄く元気じゃない。
それからさらに二時間、服を見て回る事になった。
家に帰るとぐったりだった。
両手に持った紙袋の山を見て、お母さんに「ずいぶん、買ったわね」なんて言われた。
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