51 / 150
3話 推しの為にできる事
《11》
しおりを挟む
いくちゃんとデパートを歩き回る事、二時間。ハンカチを扱っているお店を20軒見たけど、これというハンカチが見つからない。
「美樹、そろそろ決めようよ。お店、もう二周目だよ。私、三周目は付き合わないからね。足痛いし」
高級ブランドのロゴが入ったハンカチをじっと見ていると、いくちゃんに言われた。
「だっていくちゃんが1万円のハンカチはやり過ぎだって言うから、迷う事になったんじゃん」
十軒目のブランドショップで見つけたハンカチがピンと来たのだけど、いくちゃんに速水さんの重荷になると言われて、買うのを止めた。
「彼氏でもないのに1万円のハンカチはやり過ぎでしょう。高くても3千円ぐらいじゃない? あまり高い物を贈ると相手の心理的な負担になるよ」
「速水さんにだったら十万円のハンカチでも高くないと思うんだけどな」
「美樹、その感覚ヤバいって」
「だって、推しの速水さんだよ」
「はいはい。わかったから、それにしな。三千円なら、ギリOKだから」
「うーん。わかった。これにする。このハンカチならシンプルさと上品さがあるから大丈夫そう」
「はい。決まり! すみませーん。これギフト包装で」
いくちゃんが近くにいたブランドショップの店員さんに声を掛けた。
ギフト用の包装も無料のものと有料のものがあり、当然有料のものにした。
いくちゃんにそこにもお金かけるんだと言われたが、当然である。速水さんに贈る品に失礼があってはいけない。
「じゃあ、次は服見に行くよ」
ハンカチが入った紙袋を持ってお店を出るといくちゃんに言われた。
……うん? 服?
予定にない物を言われて首を傾げる。
「美樹、そろそろ決めようよ。お店、もう二周目だよ。私、三周目は付き合わないからね。足痛いし」
高級ブランドのロゴが入ったハンカチをじっと見ていると、いくちゃんに言われた。
「だっていくちゃんが1万円のハンカチはやり過ぎだって言うから、迷う事になったんじゃん」
十軒目のブランドショップで見つけたハンカチがピンと来たのだけど、いくちゃんに速水さんの重荷になると言われて、買うのを止めた。
「彼氏でもないのに1万円のハンカチはやり過ぎでしょう。高くても3千円ぐらいじゃない? あまり高い物を贈ると相手の心理的な負担になるよ」
「速水さんにだったら十万円のハンカチでも高くないと思うんだけどな」
「美樹、その感覚ヤバいって」
「だって、推しの速水さんだよ」
「はいはい。わかったから、それにしな。三千円なら、ギリOKだから」
「うーん。わかった。これにする。このハンカチならシンプルさと上品さがあるから大丈夫そう」
「はい。決まり! すみませーん。これギフト包装で」
いくちゃんが近くにいたブランドショップの店員さんに声を掛けた。
ギフト用の包装も無料のものと有料のものがあり、当然有料のものにした。
いくちゃんにそこにもお金かけるんだと言われたが、当然である。速水さんに贈る品に失礼があってはいけない。
「じゃあ、次は服見に行くよ」
ハンカチが入った紙袋を持ってお店を出るといくちゃんに言われた。
……うん? 服?
予定にない物を言われて首を傾げる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ウェヌスの涙 −極楽堂鉱石薬店奇譚−
永久野 和浩
ライト文芸
仮想の時代、大正参拾余年。
その世界では、鉱石は薬として扱われていた。
鉱石の薬効に鼻の効く人間が一定数居て、彼らはその特性を活かし薬屋を営んでいた。
極楽堂鉱石薬店の女主の妹 極楽院由乃(ごくらくいんよしの)は、生家の近くの線路の廃線に伴い学校の近くで姉が営んでいる店に越してくる。
その町では、龍神伝説のある湖での女学生同士の心中事件や、不審な男の付き纏い、女学生による真珠煙管の違法乱用などきな臭い噂が行き交っていた。
ある日、由乃は女学校で亡き兄弟に瓜二つの上級生、嘉月柘榴(かげつざくろ)に出会う。
誰に対しても心を閉ざし、人目につかないところで真珠煙管を吸い、陰で男と通じていて不良女学生と名高い彼女に、由乃は心惹かれてしまう。
だが、彼女には不穏な噂がいくつも付き纏っていた。
※作中の鉱石薬は独自設定です。実際の鉱石にそのような薬効はありません。
となりのソータロー
daisysacky
ライト文芸
ある日、転校生が宗太郎のクラスにやって来る。
彼は、子供の頃に遊びに行っていた、お化け屋敷で見かけた…
という噂を聞く。
そこは、ある事件のあった廃屋だった~
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します!
夕姫
ライト文芸
Vtuber事務所『Fmすたーらいぶ』の1期生として活動する、清楚担当Vtuber『姫宮ましろ』。そんな彼女にはある秘密がある。それは中の人が男ということ……。
そんな『姫宮ましろ』の中の人こと、主人公の神崎颯太は『Fmすたーらいぶ』のマネージャーである姉の神崎桃を助けるためにVtuberとして活動していた。
同じ事務所のライバーとはほとんど絡まない、連絡も必要最低限。そんな生活を2年続けていたある日。事務所の不手際で半年前にデビューした3期生のVtuber『双葉かのん』こと鈴町彩芽に正体が知られて……
この物語は正体を隠しながら『姫宮ましろ』として活動する主人公とガチで陰キャでコミュ障な後輩ちゃんのVtuberお仕事ラブコメディ
※2人の恋愛模様は中学生並みにゆっくりです。温かく見守ってください
※配信パートは在籍ライバーが織り成す感動あり、涙あり、笑いありw箱推しリスナーの気分で読んでください
AIイラストで作ったFA(ファンアート)
⬇️
https://www.alphapolis.co.jp/novel/187178688/738771100
も不定期更新中。こちらも応援よろしくです
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
シークレット・ラブ
朝海
ライト文芸
少年・桜井昴は最愛の家族で妹の加奈良を交通事故で亡くしてしまう。そこに現れたのが加奈のクローンで「コピー」である中田麻子。更に、麻子を不良品の「コピー」だと言い張り、殺しに来た米田愛理も転校してくる。
二人が乗り越える先にある未来とは……?
クローン×人間の恋が始まる。
ちゃりんこ
端木 子恭
ライト文芸
関東に住む中学2年生のつむぎ。北海道で一人暮らししている祖母の体調を見守るため、1学期の間だけ二人で暮らすことになった。小学生まで住んでいたところに戻るので友達もいる。行ってみると、春になって体調が良くなった祖母相手にすることがない。
また仲良くなった友達の縁(より)に、市内で開催される6月のママチャリレースに誘われる。メンバーを集めて表彰をめざす、と意気込む。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる