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02 転生してから一週間後。
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「えっと、これはドクシの実で、猛毒かぁ…ギン、ナイフになって」
古い冊子と共に置かれていた銀色の眼鏡こと「解析の眼鏡」(アナライズグラス)で木の実を解析する。
猛毒の木の実と確認した後、ギンと名付けた銀色の金属球は形を変えてナイフになり、硬い皮を剥いていく。
男の子を助け青年から転生させられ今日で一週間。
私、伊丹優(いたみゆう)ことユウは何とか古ぼけた研究所もしくは遺跡を寝床にして過ごしてた。
「あぁ、リンゴっぽい味がする…猛毒で本当なら苦しいはずなんだけど...ありがとう、ギン」
猛毒の木の実を口にしつつ異世界で初めての相棒に礼を言い、ナイフとなったギンは一瞬光った。
私の持つギフト、痛みの加護の効果で全ての苦痛を無効化され魔力に変換されていく。
建物の周囲に生えていた木の実を鑑定しわざと毒のある物を食すこと数分。普通なら2,3回は死んでもおかしくないほどの毒を魔力に変換しため込んだ後、私は転生して目覚めた時にあったカプセルに横になる。
「ん~暇だ…けど、ここ無人島だから外に出れないし…」
そう、この一週間の間。建物とその周りを調べていたらここは無人島だった。
古びた建物と豊かな自然以外本当に何もない。海の向こうに船が通った事など一度もない。
自然に恵まれてた森の中には普通に食べれる物もある。最悪、全て食べ尽くしても毒や腐った物を食べれば魔力に変換でき飢えることはない(味は最悪だけど)
でも、ここなら一人で魔法の練習をしていて空を自由に飛び回って人に撃ち落される心配も海を割ったり、森を危うく全焼しそうになっても誰にも迷惑かけないからいいか。と無理やりポジティブに逃げつつ、古びた冊子を読む。
「えーと、ギフトは創造神が人々に与えた送り物である。ギフトは一人につき一つまで。
主に肉体系、魔法系に分かれている。だが、この二つに属しない「特殊系」がある。特殊系のギフトは他人のギフトに干渉やあらゆる攻撃を無効にする。ありあえない現象を起こすとされている…あぁ、私のギフトって特殊系なんだ」
冊子には異世界ギフトについて様々な情報が書かれていた。
人々は神から与えられた加護「ギフト」を生まれ持つ。
肉体系のギフトであれば身体強化により自分の足で馬より速く駆け、味方の体を強化できる。
魔法系のギフトであれば、魔力の増加や武器に魔法を付加して魔法性の武器を創るなど様々だ。
私の持つ痛みの加護は全ての苦痛を無効化し魔力へ変化してくれる特殊系だった。
一度、果物の固い皮を切ったナイフ形態のギンで試しに指先を一度切ってみた。指には傷一つつかず、痛みもなく魔力に変換された。
転んでも不注意で木々にぶつかって痛みが魔力に変わる。痛みがない体になったのは便利だ。敵からしたらダメージを与えたはずの相手が無傷で魔力が増大して反撃される。
チートだけど人に知られたり対策されたらヤバイ。
「特殊系のギフトって、他人のギフトを封印したり奪ったりできるしな…あと、魔法を封印されたり洞窟に閉じ込められて餓死とか…しかも、拷問すれば魔法打ち放題の兵器にもなって…あぁ、やばい、やばい…」
これまで見てきた鬱ゲームの内容を思い出し嫌な汗が出た。
とくかく、この島から出たらなるべく一目を避けよう。しかも、銀髪で蒼顔美少女キャラの容姿だからかなり目立つ。
せっかく異世界に転生したんだ。楽しく冒険したりのんびりしたりして生きたい。
変装用の道具や魔法なんてないかなぁと、古冊子をめくる。
古冊子にはギフトの事だけでなく、ご丁寧に魔法の使い方やら、この冊子と一緒に置かれていた銀色の眼鏡。「解析の眼鏡」(アナライズグラス)の使い方も書いてあった。
この世界には魔法道具(マジックアイテム)と呼ばれる便利な道具がある。
「解析の眼鏡」(アナライズグラス)は見た物を分析してくれる眼鏡で、これのおかげで果物やら水に毒がないか見ることができる(まぁ、ギフトのおかげで食中毒にならないけど)
ちなみに、ギンも魔法道具(マジックアイテム)だった。解析した所
ギンの正式な名前は「超記憶合金製支援金属」とロボットアニメとかで出てきそうな名前だった。私がイメージした物かつ手で持てる物なら何でも形を変えてくれた。
果物の固い皮を切ったナイフから、西洋の剣だけでなくなんとロボアニメの定番であるビームライフルにまで変形した。
しかもどれも本物だった。刃物であれば大木がスパンと切れ、危うく大木の下敷きになりかけたり。ビームライフルは私の魔力を使い銀色の光線を発射して、はるか水平線の海を蒸発させ大きな爆発を起こした。
この冊子やギンを置いてくれたのは誰か知らないけどとっても感謝してる。
あぁ、ヤバイ…オタク脳がフル回転して妄想が止まらない。
しかも、冊子の中には「魔装」と呼ばれる魔力で動く兵器について記載されていた。
手書きの図には大きな鎧をまとった人間の図と魔装の操縦方法まで書かれており、頭の中で自分がロボアニメのキャラが孤立奮闘する姿を自分に重ねて妄想に熱が入る。
多数の敵に囲まれながらもフルスピードで空を駆け、敵からの猛火の中を突撃する。
時折、「ちっ!!」「まだだぁ!!」と一人事を叫ぶ。
カプセルの中で妄想にふける私。妄想の中で魔法世界らしく巨大なゴーレムに向け、愛機を駆り突撃した。
「我が魔装に敗北はない!!」
妄想の中で巨大ゴーレムを撃破した次の瞬間、大きな音と共に建物が揺れた。
古い冊子と共に置かれていた銀色の眼鏡こと「解析の眼鏡」(アナライズグラス)で木の実を解析する。
猛毒の木の実と確認した後、ギンと名付けた銀色の金属球は形を変えてナイフになり、硬い皮を剥いていく。
男の子を助け青年から転生させられ今日で一週間。
私、伊丹優(いたみゆう)ことユウは何とか古ぼけた研究所もしくは遺跡を寝床にして過ごしてた。
「あぁ、リンゴっぽい味がする…猛毒で本当なら苦しいはずなんだけど...ありがとう、ギン」
猛毒の木の実を口にしつつ異世界で初めての相棒に礼を言い、ナイフとなったギンは一瞬光った。
私の持つギフト、痛みの加護の効果で全ての苦痛を無効化され魔力に変換されていく。
建物の周囲に生えていた木の実を鑑定しわざと毒のある物を食すこと数分。普通なら2,3回は死んでもおかしくないほどの毒を魔力に変換しため込んだ後、私は転生して目覚めた時にあったカプセルに横になる。
「ん~暇だ…けど、ここ無人島だから外に出れないし…」
そう、この一週間の間。建物とその周りを調べていたらここは無人島だった。
古びた建物と豊かな自然以外本当に何もない。海の向こうに船が通った事など一度もない。
自然に恵まれてた森の中には普通に食べれる物もある。最悪、全て食べ尽くしても毒や腐った物を食べれば魔力に変換でき飢えることはない(味は最悪だけど)
でも、ここなら一人で魔法の練習をしていて空を自由に飛び回って人に撃ち落される心配も海を割ったり、森を危うく全焼しそうになっても誰にも迷惑かけないからいいか。と無理やりポジティブに逃げつつ、古びた冊子を読む。
「えーと、ギフトは創造神が人々に与えた送り物である。ギフトは一人につき一つまで。
主に肉体系、魔法系に分かれている。だが、この二つに属しない「特殊系」がある。特殊系のギフトは他人のギフトに干渉やあらゆる攻撃を無効にする。ありあえない現象を起こすとされている…あぁ、私のギフトって特殊系なんだ」
冊子には異世界ギフトについて様々な情報が書かれていた。
人々は神から与えられた加護「ギフト」を生まれ持つ。
肉体系のギフトであれば身体強化により自分の足で馬より速く駆け、味方の体を強化できる。
魔法系のギフトであれば、魔力の増加や武器に魔法を付加して魔法性の武器を創るなど様々だ。
私の持つ痛みの加護は全ての苦痛を無効化し魔力へ変化してくれる特殊系だった。
一度、果物の固い皮を切ったナイフ形態のギンで試しに指先を一度切ってみた。指には傷一つつかず、痛みもなく魔力に変換された。
転んでも不注意で木々にぶつかって痛みが魔力に変わる。痛みがない体になったのは便利だ。敵からしたらダメージを与えたはずの相手が無傷で魔力が増大して反撃される。
チートだけど人に知られたり対策されたらヤバイ。
「特殊系のギフトって、他人のギフトを封印したり奪ったりできるしな…あと、魔法を封印されたり洞窟に閉じ込められて餓死とか…しかも、拷問すれば魔法打ち放題の兵器にもなって…あぁ、やばい、やばい…」
これまで見てきた鬱ゲームの内容を思い出し嫌な汗が出た。
とくかく、この島から出たらなるべく一目を避けよう。しかも、銀髪で蒼顔美少女キャラの容姿だからかなり目立つ。
せっかく異世界に転生したんだ。楽しく冒険したりのんびりしたりして生きたい。
変装用の道具や魔法なんてないかなぁと、古冊子をめくる。
古冊子にはギフトの事だけでなく、ご丁寧に魔法の使い方やら、この冊子と一緒に置かれていた銀色の眼鏡。「解析の眼鏡」(アナライズグラス)の使い方も書いてあった。
この世界には魔法道具(マジックアイテム)と呼ばれる便利な道具がある。
「解析の眼鏡」(アナライズグラス)は見た物を分析してくれる眼鏡で、これのおかげで果物やら水に毒がないか見ることができる(まぁ、ギフトのおかげで食中毒にならないけど)
ちなみに、ギンも魔法道具(マジックアイテム)だった。解析した所
ギンの正式な名前は「超記憶合金製支援金属」とロボットアニメとかで出てきそうな名前だった。私がイメージした物かつ手で持てる物なら何でも形を変えてくれた。
果物の固い皮を切ったナイフから、西洋の剣だけでなくなんとロボアニメの定番であるビームライフルにまで変形した。
しかもどれも本物だった。刃物であれば大木がスパンと切れ、危うく大木の下敷きになりかけたり。ビームライフルは私の魔力を使い銀色の光線を発射して、はるか水平線の海を蒸発させ大きな爆発を起こした。
この冊子やギンを置いてくれたのは誰か知らないけどとっても感謝してる。
あぁ、ヤバイ…オタク脳がフル回転して妄想が止まらない。
しかも、冊子の中には「魔装」と呼ばれる魔力で動く兵器について記載されていた。
手書きの図には大きな鎧をまとった人間の図と魔装の操縦方法まで書かれており、頭の中で自分がロボアニメのキャラが孤立奮闘する姿を自分に重ねて妄想に熱が入る。
多数の敵に囲まれながらもフルスピードで空を駆け、敵からの猛火の中を突撃する。
時折、「ちっ!!」「まだだぁ!!」と一人事を叫ぶ。
カプセルの中で妄想にふける私。妄想の中で魔法世界らしく巨大なゴーレムに向け、愛機を駆り突撃した。
「我が魔装に敗北はない!!」
妄想の中で巨大ゴーレムを撃破した次の瞬間、大きな音と共に建物が揺れた。
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