異世界で山家として生きる者。

hikumamikan

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第11話 品質劣化のスキルだった。

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折角この季節に成ったのに山菜を採らずにどうしろと。
冬の終わり僅かな山菜が出始める。
冬にも少なからず有るけれど、やはり冬山は厳しい。


──────余談──────

植物は一般的に毒を持つ。
豆類は火を通さないとほぼ毒で有るが、火を通す事で食べられる。
土筆は沢山食べてはいけない。
玉葱は動物には毒。
桜の葉も沢山食べてはいけない。
杏の種にも毒が有るが、杏仁豆腐と言う様に食べられる。

要は沢山馬鹿ほど採らなきゃ良い。
農林水産省は琵琶の種の粉を採らない様に言っているが、沢山採る馬鹿がいるからだ。
ガン抑制効果がビタミン17には有ると言われる。(国は否定)
だけどビタミン17は普通に売られている。
杏仁豆腐を売るなとは言え無い。
だって色んな種に有るからね。

いくらガン抑制効果の説が有っても沢山食べたらシアン化化合物で青酸カリと一緒なのだ。
それなのに沢山食べる奴がいる。

イチゴはビタミンAが有るので沢山は食べられない。
ビタミンEも沢山は駄目。
共に沢山摂取すると体調を壊す。
ビタミンB・Cは余分に有ると排出されるので大丈夫。

山菜と言うか野菜全般にも毒は有るので、肉や魚それに大豆等と一緒に食べるのが普通。
山菜に比べ作物の野菜は毒は少ない。
何事も程々が肝心な訳だ。

──────────────

私は沢山は山菜を摘まない。
佃煮やおひたしとかでちょっと食べる程度なので。
そんなに持てなかったとも言う。
そして野営を一晩だけして領都ヘ向かうが、この夜はスキルを試した。

「美味しい~。温か~い」
ズルズル。
ズルズル。
ゴックン。
「ぷはぁ~美味しい」
何故かインスタントって聞いて私はこれしか思い付かなかった。
麺・・・つまりインスタントラーメンの類いだ。
「う~ん便利だなあインスタントってスキルは」
しかしこのインスタントラーメンが一番安いヤツとはレイナは知らない。


そう、私はインスタント麺=インスタントと言う名のスキルと認識したのだ・・・この時は。


迂闊だった。
昼にもうすぐ山から街道に出ると思って油断した。
ビックレッド2匹に挟まれて動けなく固まってしまった。

「くっ・・・」
殺せとは言わないよ。
動けば後ろから前からどうぞ、てな具合に殺られる。
畑中○子かって突っ込むなよ。
いやあれは突っ込むのか?。
「ちゃうちゃう、こんな時私の頭は何を言ってるのだ。今は命のピンチなんだよ」
ビックレッドはキョトンとした。
言葉が通じなくて良かった。
きっとアホと思われるに違いない。


手裏剣は無理。
2匹同時には無理。
剣も無理。
こいつらは私の腕では斬れない。
前は1匹で火魔法が使えた。
2匹同時に火傷を負わせられないか。

・・・インスタント!。
「一か八かだねえ。熱湯込みでインスタント!!」

具アアー。
いやグアアー。
ギャウギャウ。

2匹にインスタントラーメンが熱いまま頭から落ちて唸った。

「インスタント」
「インスタント」
「インスタント」
「インスタント」
「」
「」
「」
・・・・・・


「はあはあ・・・」
2匹が動かなく成るまでかけ続けたインスタントラーメンが、何か虫の様に大量に有る。



「はあはあ・・・3分じゃねーじゃん」
そもそもビックレッドはインスタント麺では無い、熊の魔物だ。


「麺とスープ無しでインスタント・インスタント・インスタント・インスタント・・・」
洗浄成功。
要はお湯で洗浄したのだ。

・・・どうしょう。
インスタント干し肉とか。
ボンッ!。

「干し・・・肉だよね」
あれ?、インスタントって麺だけじゃ無いの。
「でもこれは完全に干し肉に成って無い。一夜干しやんか」
インスタント干し肉。
インスタント。
インスタント。
3回掛けて漸く干し肉に成った。
「って事は烏賊だとインスタント干しイカ一回で一夜干しなのかな?」
まだ本来の行程を経ないスキルでは劣化版に成るとは知らないレイナで有った。

・・・アイテム袋が欲しい。
「インスタントアイテム袋!」
ボンッ。
「おっおおー」
早速ビックレッドの干し肉を入れた。
ドサッドサドサッ。
底縫ってねえ~。
もう一度アイテム袋にインスタント。
・・・いやもう一度だね。
インスタント。
袋の底をじっと見る。
うん、大丈夫だ。
袋を横から見る。
うん、大丈夫だ。
袋の中を見る。
おお、何か深い。沢山入りそう。
今度は逆さにして袋の中を見てみる。
大丈夫・・・バンッ!。
干し肉が1個残ってた。
「顔面干し肉ぅ~。情けない」


気を取り直して。
よしっ完成。
私は干し肉をアイテム袋に詰めて出発した。


もうすぐシュンベルグと言う処でお腹が空いた。
腹が減っては戦ができぬ。
いやしないけどね。
・・・私は思いたった。
麺以外でも出るのではと。
私の頭に浮かぶのはアレだった。

「旨い」
辛くて食欲をそそる。
白い麦じゃ無くて何だろう。
この白い粒々に茶色い香辛料のソースが実に合う。

レイナはお腹一杯カレーライスを堪能したのだった。

そしてシュンベルグに入る。
立派な城壁都市だった。







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