溺愛恋愛お断り〜秘密の騎士は生真面目事務官を落としたい〜

かほなみり

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「アリサ」

 事務室で残業をしていると、入り口から声をかけられた。顔を上げると、レジーナがこちらに向けてぎこちなく手を挙げ立っている。
 ユーリが不在になり、レジーナと共に毎日通勤するようになって三日。いまだに慣れない口調に四苦八苦するレジーナをかわいいと思うようになっていた。なんだか素直で可愛い人なのだ。

「レジーナ、お疲れ様」
「お疲れ様で……さま、今日は何時にお帰りになりま、……なる?」
「ええと、あと二時間くらいで」
「わかった。その頃また来る、ます」

 ぎこちないレジーナについ笑ってしまうと、彼女は無表情のまま少しだけ頬を染め、ひとつ頷いて引き返していった。

「素敵ね……」

 セシルが背後からうっとりと声を上げた。

「レジーナ?」
「そう。女騎士として騎士の中でも一目置かれてるんだって。その実力は男性にも劣らないって話で、女性初の小隊長にも推薦されてるらしいの」
「ずいぶん詳しくなってるわね」
「私の情報力をなめないでほしいわ!」

 連日の残業にもかかわらず、元気な子だ。セシルにお茶を淹れようと誘い、給湯室へ移動する。
 
「いつの間にそんな情報を集めてくるの?」
「昼休みの食堂が勝負よ」
「なるほど……」

 薬缶でお湯を沸かす間に、セシルは昼休みに聞いたあれこれを披露していく。それを聞きながら棚から取り出した茶葉をポットに入れると、彼女はカップを並べた。

「それにしても、やっとめどが着きそうね」
「ホント! 今回は合同訓練もあって普段よりもひどかったね」
「ええ。やっとゆっくりできるわ」

 思わず肩に手を当て回すと、セシルがおかしそうに笑った。

「アリサはそれじゃなくても私的なことで手一杯だったもんねー」
「まあ……、そう、ね」

 確かに、なんて濃厚な日々だろう。
 ザックと別れ、ユーリと出会い、「形だけ」の交際をしている。

(しかも身体の関係を持ってしまったし)

 けれどこれは「形だけ」なのだ。
 どちらかに好きな相手ができればすぐにこの関係を解消する。そう決めて始めた関係なのに、私はいつの間にかユーリに絆され、ユーリを好きだと思うようになっていた。

(どうしたらいいんだろう。)

『お互い相手が見つかるまでって割り切ればいい』

 もし私が本気になったと知ったら、彼はどんな反応をするんだろう。恋愛はしばらくいらないと言っていた彼に、好意を向けてしまったら、煩わしく思われるかもしれない。

(この関係を終わらせる?)

 もともと歪な関係なのだ。いつまでも続くとは思っていないし、周囲が落ち着いたら解消したらいい。
 そう思っていたのに。

(……終わらせたくない)

 そう、心の片隅で思っている自分がいる。
 でもきっといつか終わる。ユーリに相手ができたら? そこで関係は解消される。そういう約束だから。

『お前はアイツが何者か知っているのか!?』

 ザックの声が甦る。
 そう、私はユーリのことを何も知らない。何も話ができていない。
 
「……ねえ、セシル」
「んー?」

 棚にあるクッキーの缶を見つけたセシルは、ゴソゴソと何枚か取り出している。

「ユーリのこともよく知ってるの?」
「はあ? アリサほどじゃないけど」

 目をジトッと座らせたセシルが花の形のクッキーを口に放り投げながら私を見た。
 
「そうじゃなくて、あの、ほら彼のことってどの辺まで知られてるのかなって」
「あ、噂の答え合わせ!?」

 どうしてそんなに活き活きするのかしら。
 セシルは嬉しそうな顔をすると、さらに缶からクッキーを取り出しお皿へと移しだした。これはじっくり話をするつもりなのだろう。
 セシルは私に顔を寄せると、声を落としてヒソヒソと話しだした。

「私が聞いたことあるのは、実は貴族の庶子じゃないかって」
「庶子?」

 その言葉にどきりとする。

「そう。アリサもお世話になっているんでしょう、彼のお屋敷。あれって昔、ある貴族が功績を称えられて王家から与えられたとかいう由緒正しい建物らしくて」
「王家」
「でも、彼の家名は貴族名じゃないし、お母さんが平民で貴族の父親から与えられた屋敷なんじゃないかって噂なの」
「平民……」

 庶子は考えにくい。あの所作や振る舞いは、きちんと教育を与えられて身につくものだ。平民育ちで見様見真似でできるものではない。

「その根拠がね、彼のお母さんっていう人が、昔演劇界で有名だった女優さんらしくて」
「女優?」
「知らない? マーゴットっていう平民出身の女優さん」
「いいえ、知らないわ」
「見る人が見ると顔が似てるんだって。アリサはまだ会ってないの?」
「ええ、田舎でのんびりしてるとしか聞いていないわ」
「そっかあ。なんか、過去に七日間だけそのお屋敷に彼女が滞在していたことがあって」
「七日間」
「そ。そこから、あのお屋敷はパトロンだった貴族が彼女に与えた屋敷じゃないかって話にまで発展したみたい」
「それで今住んでるユーリがその女優の息子だと言われてるのね」
「うん」

 セシルはカップの紅茶をひとくち口にした。

「当時その美貌と演技で絶大な人気を誇っていたマーゴットは、ある日突然引退を表明すると忽然と姿を消したんだって。それはもう大騒ぎで、新聞でも毎日取り上げられて、彼女を見つけたら賞金が出るって話にまでなったらしいよ」
「すごいわね」
「そ。しばらくすると妊娠していたんじゃないかって噂が流れ始めて、当時彼女のパトロンだった貴族が何か知っているんじゃないかって、彼女のファンが貴族の屋敷に大挙して押し寄せたらしいんだけど」
「怖いわね」

 集団心理というものだろうか。
 引退した女優をめぐってそこまで血眼になる人々の、周囲が見えていないさまを想像して怖くなる。

「でもね、その貴族はとっくに亡くなっていて、結局本当のことはわからないまま、みんな次第に忘れていったみたい」

 なんだか身につまされるような話だ。
 人の噂や興味なんて、今も昔も所詮そんなものなのだろう。
 
「お屋敷はしばらく所有者がいないまま放置されていたんだけど、いつの間にかユーリ・アッカーソンが住んでたって」
「その貴族に後継はいないの?」
「いないみたい。だからまあ、庶子って話も変だよね。後継がユーリ・アッカーソンしかいないなら認知して継がせればいいだけでしょう? 多分、売りに出されていたのを彼が購入した、っていうのが正しい気がするけど」
「騎士にあのお屋敷は買えないでしょう」

 王都の真ん中に立つ一等地だ。
 建物も古いけれど手入れが行き届いていて、とてもじゃないけれど何年も放置されていたようには見えない。

「あらら、知らない?」

 セシルは私の言葉に目を丸くした。
 
「何が?」
「あのお屋敷の噂。いわくつきで値下げされても買い手がつかなかったんだよ」
「いわく?」
「空き屋敷になってから、入り込んで自殺した人が何人もいるとか、腐乱した死体の山でひどい匂いだったとか、怪しい集団が秘密基地にしてたとか?」
「急に小説みたいになったわね」
「あはは、ほんとよね!」

 セシルは笑うとひとつクッキーを口に放り込んだ。思わず私もそのクッキーに手を伸ばす。

「まあ、実際はどうかわからないけど、気にしない人なら安く買えてラッキーって思うよね」
 
『あの屋敷は母のものなんだ』

 ユーリはそう言っていた。
 本人が購入したものではない。
 お母様が女優……? 貴族の庶子? ノラやギルバートが高位貴族に付く家令や侍女に感じるのはそのせい?

「実際はわからないけど、彼自身も否定も肯定もしないし、実際あのお屋敷にいるんだから訳アリな感じよね。だからみんな面白がって話題にするんだけど」

 そのうちわかるかな、とセシルは笑いながらまたクッキーを口に入れた。

「あとねえ」
「まだあるの?」

 呆れてセシルを見ると、「だって答え合わせでしょ?」と期待に満ちた顔を向ける。そんな顔をされても、私は何も知らないなんて言えない。

「ユーリ・アッカーソンは王家の影なんじゃないかって話」
「かげ?」
「そうそう、聞いたことない? 王家直轄の影の部隊があるって噂。秘密裏に動く部隊があって、隊員は各隊に紛れているから誰なのか特定できないって」
「聞いたことはあるけど、噂っていうか伝説みたいになってるわよね」 
「まあねー、真偽はわからないけど、彼の腕を知る人は騎兵乗馬連隊にいるような人物じゃないって言ってる」
「どういう意味?」
「彼ほどの腕前なら隊長クラスだっていうの。そんな人がなんの役職にもつかずにいるのが不自然らしくて」
(確かに、第一部隊に所属するザックをいとも簡単に遠くへ飛ばしていた)

 ユーリよりも大きなザックをあんなに遠くまで吹き飛ばし、全く怯む様子がなかった。彼の纏う雰囲気は確かに、強者のそれだった。

「だからほら、今年のトーナメント戦、凄く盛り上がってるんだよ。ユーリ・アッカーソンが出場するから、賭け率が荒れてるし」
「セシルも賭けてるの?」
「もちろん!」

 セシルはふふん、と得意気に笑うと紅茶をぐっと一息に飲み干した。

「彼の身辺にまつわることはこれくらいかなぁ」
「なんだかすごいわね……」
「で? どうなの? 噂は正しい?」
「え」
「アリサなら知ってるんでしょ?」

 あまりにも知らなすぎて驚くことばかりだ。そもそも噂なのだから、真実とは限らない。

「軽々しく彼のことを言えないわ」
「えー! ナニソレ! じゃあじゃあ、絶倫ていうのは?」
「は!?」
「すごい遊び人で女の子はとっかえひっかえで絶倫でアッチがすっごい上手で一晩中凄いって話!」
「な、何を言って」
「やー、でもそもそも騎士って体力あるものねぇ」

 セシルは腕を組むと何やら訳知り顔でウンウンと一人で頷いている。

「馬鹿なこと言ってないで、休憩終わり! 仕事に戻るわよ!」
「えー! ちょっとズルい、ひとつくらい答えてよ! ねえねえ、アッチはすごい? 大きい?」
「セシル!」
「相性は? バッチリ?」

 何かわかったような、わからないような。
 とりあえず、セシルがとにかく噂話好きなことだけは、よくわかった。
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