【番外編完結】わんこ系年下騎士に懐かれたけど実家の愛犬に似ていて困る

かほなみり

文字の大きさ
上 下
27 / 36

五日目の深い夜2※

しおりを挟む
 
「……アメリア」

 ぐったりと四肢を投げ出してベッドに沈むと、背後から心地よい重さで覆い被さられた。マリウスの肌が直接背中に触れ、高い体温が気持ちいい。
 お尻の辺りにマリウスの固く熱い楔を感じて、またお腹の奥がズクリと疼く。
 マリウスは何度も背中に口付けを落とし、時折ピリッと刺激を与えては丹念に舌で舐める。そのくすぐったさに、重く言うことを聞かない身体は正直に反応する。
 ゆらりと動いた腰に気が付いたであろうマリウスは、私の身体をひっくり返し仰向けに寝かせた。いつの間に脱いだのか鍛え上げられた身体を惜しみなく露わにしたマリウスの、逞しい楔が視界に入った。

「よかったみたいですね。凄く濡れてる」

 マリウスはそう言うとぺろりと自分の唇を舐めた。口の周りがてらてらと光るのを見て、それが何なのか理解するとまた顔に熱が集まる。
 そんな私の姿を見て、マリウスは声を抑えて笑った。

「恥ずかしがる姿も可愛い……」

 マリウスは自身の楔を掴むとゆるゆると私の脚の間に擦りつけた。あわいの上を滑るように何度も往復させ、溢れた蜜を纏わせる。時折あわいの入口にぐっと押し付けて、けれどまた出ていく。
 その焦らすような動きに、もどかしさだけがどんどんと降り積もっていく。

「ねえアメリア、どうして欲しい? ちゃんと言って」
「な、何を……」
「アメリアは聞かないと教えてくれないから」
「ヤダ……」
「やだ? じゃあどうする?」

 マリウスの固い切っ先がぬるりと滑ってあわいの上の敏感な芽をぐりっと押した。突然の刺激に身体が大きく跳ね声が上がる。身体を捩って背を向けようと動くと、すぐにマリウスに腰を押さえられ引き戻された。

「だーめ、逃げないでアメリア」

 枕を引き寄せて顔を覆うと、すぐに取り上げられて両手を押さえつけられた。マリウスが身体を倒しちゅっと唇に口付けを落とす。唇に、頬に、額に。その間にも脚の間には硬い切っ先がずっと押し付けられ、けれど決して入ってくることはない。

「じゃあ、俺のこれ、欲しい?」
「……っ!」

 浅いところを出たり入ったりするその動きに、何も考えられなくなる。あの快感を、たった一度の快感を、身体が覚えている。
 
「可愛い……腰が揺れてるよ?」
「……ぃ……」
「うん?」
「……ほ、しぃ……」
「……っ、はあ……、ほんと可愛いね、アメリア」

 唇が強く合わされ、浅く出入りしていた楔がゆっくりと隘路を割り入って来た。
 待ちかねたその感覚に全身がびくびくと痙攣するように震える。抑えられていた手を指を絡め合わせ、マリウスがずぶずぶと奥まで入ってきた。

「く……っ、はあ……アメリア、挿入れただけでイッちゃった? すごい、中がうねって……ごめん、俺ちょっと……抑えられないかも」
「ぁっ、あ、だめ……ッ、まだ動かな……っ、で……」
「無理、ごめん」

 ずるりと一気に引いたマリウスは、強く叩きつけるように最奥を穿った。
 何度も奥を強く叩きつけられて、ぎゅうっと痙攣の止まらない身体が中にいるマリウスを締め付け吸い付き、私にその感覚をつぶさに伝えてくる。
 マリウスの固い切っ先に中の壁を引っかかれ擦られ、奥を抉るように穿たれ、そのたびに強く痙攣しぎゅうっと締め付け、柔らかく絡みつく自分の内側。
 身体がマリウスの叩きつける勢いでベッドの上へ上へと押しやられるのを、マリウスの逞しい腕が逃がさないとばかりに柔らかく押さえつけ圧し掛かる。
 逃げ場のない甘い責め苦に、頭が真っ白になってくる。
 身体を起こしたマリウスは、私の両脚を肩にかけ、またそのまま身体を倒した。内側の当たるところが変わり、違う刺激に首を仰け反らせる。
 
「アメリア……っ、アメリア、好きです……アメリアっ」

 何度もうわ言のように呼ばれる名前に、私は返事をできただろうか。

「アメリア……」

 太ももの内側、脚の付け根、胸や腹、背中。あちこちに時折強い刺激を感じながら、いつまでも快楽の海から上がることが出来ないまま、私の意識は全てを手放し溺れていった。
 
 *

 翌朝、一緒にダイニングに降りてきた私たちを見て声をあげて笑うイーサンに、物凄く恥ずかしくて逃げ出したくなったのは、仕方のないことだと思う。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。

石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。 ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。 そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。 真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜

しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。 高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。 しかし父は知らないのだ。 ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。 そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。 それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。 けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。 その相手はなんと辺境伯様で——。 なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。 彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。 それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。 天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。 壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...