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私の中にある、好き2

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「エドアルド様……、エドアルド様」

 名前を呼ぶと顔を上げ私を見上げる美しい瞳は、室内の明かりを跳ね返しキラキラと輝いている。滑らかな頬を掌で撫でると、うっとりと目を瞑り頬をすりすりと寄せてきた。
(……なんだか、可愛いわ)
 いつもの優しい姿も、少し意地悪な表情も、こうして私に甘えるような仕草も全て愛おしい。
 こんな風に思うのは、記憶を失っても私の中にあるエドアルドのことを好きだという気持ちと、彼の優しさに触れてきた記憶のない今の私が感じる、今の彼を好きだと感じる気持ちがあるからだ。

「……好きです、エドアルド様」

 小さく囁いて親指ですりすりとエドアルドの頬を撫でると、ゆったりと瞳を開いたエドアルドが私を見た。
 その青い瞳は、診療所で初めて見た時から私の心を掴んで離さなかった。
 両手で頬を挟みそっと唇を合わせる。
 エドアルドに覆いかぶさるように贈った触れるだけの口付け。唇を離し目を開けると、すぐ近くにある湖の青。
 エドアルドはぐっと背筋を伸ばし、下から私の唇を塞いだ。合わせるだけだった口付けはすぐに熱を帯びて激しく、貪るようなものへと変わっていく。
 私の身体を支えていた手が腰を引き寄せ、ピッタリと身体を合わせた。エドアルドの膝の上に跨るようにソファに膝をついた私の腰からお尻を大きな掌が這い、薄いレース越しに熱が伝わってくる。
 息苦しくなってぷっと唇を離すと、銀色の糸が二人を繋ぐ。熱い息が唇にかかり、どちらのものか分からない。エドアルドは瞳を細め、お尻がかろうじて隠れる程の丈しかないスリップの裾から、するりと手を侵入させた。

「!」
「……これ、君が選んだんだね」

 熱い掌は腰を撫でお尻に降り、そのまま太ももを何度も往復する。絹の靴下を止めるガーターベルトを指でなぞられ、ゾクリと背筋に痺れが走った。

「私の色だ」

 耳元で囁やき、チュッと音を立てて耳朶に口付けを落とす。そのままエドアルドの高い鼻が首筋を撫で鎖骨へ、そして胸元へと降りていく。
 あの箱にあった青い下着は、エドアルドの瞳の色を再現していた。
 青いレースにオレンジや黄色の小さな小花の刺繍が施され、黒い糸で縁取りがされている。ガーターベルトや下着を止める黒いサテンのリボンの先端には小さな金色のビーズが縫い付けられていた。
 胸と腰に着けている下着は小さく、その上に重ねて着るレースのスリップは前を細いリボンで留めているだけ。
 胸元に顔を寄せたエドアルドはスリップのリボンを口に咥え、くいっと引いた。サラリと肌を流れるようにスリップが開き、肌が露わになる。
 
「綺麗だね」

 少し身体を引いて私の身体をじっと見つめるその姿に、全身が熱くなった。

「あっ、あまり見ないでください!」
「どうして? そのために用意してくれたんだろう?」
(それはそうだけど用意したのは今の私じゃないんだもの!)

 無いよりはマシとスリップの前を合わせようとすると、手首を掴まれ広げられた。

「駄目だよ、ちゃんと見せて」
(い、いじわる!)

 こういう時はなんだかいつもと違う意地悪なエドアルドが出てくる。
 私の両手首を掴み広げたまま、じっくりと見つめるエドアルド。その視線の動きで今どこを見ているのかが分かってしまい、恥ずかしさでおかしくなりそう。ぎゅうっと目を瞑ると、手首が解放されエドアルドの肩に置かれた。

「そのまま、少し頑張って」
「え」

 エドアルドはそう言うと私の腰から背中をゆったりと撫でながら、胸元に顔を寄せた。ちゅっと音を立てながら鎖骨や胸元にたくさん口付けを降らせ、時々チリッと痛みが走る。唇で下着の縁を食むと、舌でそのきわをなぞるように舐めた。ぞくぞくと腰が痺れる。
 エドアルドの舌が下着の上から私の胸を舐め、腰から胸へと移動してきた掌が私の胸を持ち上げる。そのまま指をふわりと沈め大きく捏ねた。

「……っ、んっ」
「ピンク色が分かるほど透けてる」
「ああっ!」

 ほら、と舌先で頂を突かれ、大きく声が出る。

「い、言わな、で……っ、んんっ」

 両手で大きく捏ねながら頂を吸われ、レース越しの刺激が身体を走る。小花の刺繍に一つひとつ縫い付けられたビーズのひんやりした感触とエドアルドの熱い舌が頂を刺激して、もどかしさに腰を捩った。

「気持ちいいね」

 ふっと頂に熱い息がかかる。見下ろすとぐっしょりと濡れた下着が肌に張り付き、尖った頂がつんと持ち上げていた。かあっと顔が熱くなりエドアルドの肩に置いていた手を突っぱね距離を取ろうとすると「こら」とエドアルドの両手が腰に回り引き寄せられた。

「椅子の上で暴れちゃ駄目だよ。落ちてしまう」
「あ、暴れてません! あっ」

 エドアルドはクスクス笑うと腰を支えていた両手をお尻に回し、グイっと持ち上げるように捏ねた。

「白い肌にとても似合っていて、脱がすのがもったいないな」

 下着はお尻が丸見えになっていて、エドアルドの掌が直接私の肌に触れている。食い込むほど強く握っては捏ねるように揉む手つきに、びりびりと痺れが走りまたエドアルドの肩に縋りついた。
 胸元に唇を寄せ谷間に舌を這わせながら、エドアルドの大きな手がお尻から脚の付け根に回り、親指でグッと揉まれると、膝立ちしていた私の脚がぶるぶると震えエドアルドの膝の上に腰を下ろしてしまった。

「ここ、弱いのかな」
「わ、分からな……っ! あっ、あんっ」

 しゃがみ込むように腰を下ろした私の脚の付け根を親指でぐりぐりと揉む様に刺激されると、くすぐったいような気持ちいいような、身体に力が入らなくなり堪らずエドアルドの胸にぐったりと身体を沈めた。大きな掌が背中を撫で、私の息が整うのを待ってくれる。
 
「ルドヴィカ、移動しよう」

 耳元で低く囁かれ、ゾクゾクと甘い痺れが走る。小さく頷くと、エドアルドは私のお尻の下に腕を入れそのまま立ち上がりベッドへと移動した。
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