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(書籍化感謝SS)花が綻ぶように4
しおりを挟む「あ……っ、んんっ!」
レオニダスに蹂躙されて、もう何度目か分からないほど意識が飛んだ。押し寄せてくる快感が引く間もなく何度も高みに昇り、降りてこられない。
「カレン、唇を噛むな。ほら……声を我慢しなくていい」
噛みしめる唇にぐいっと親指を入れられ堪えていた声が漏れる。
「や……、って、まど……っ」
「大丈夫だ、誰も聞いていない」
レオニダスはそう言うと、また私の秘所に指を埋めぐりっと強く押した。
「ああっ!」
そこは私が何かを感じる場所。レオニダスは執拗にそこを攻めたて、同時に親指でその上の芽をぐりっと押し込む。
「ぁあっ、だめ、も……っ」
甘い責め苦が永遠に続く気がした。苦しい、苦しい、快感を逃したい。身を捩ってもレオニダスが逃がさない。
「カレン」
その声にまた、私の意識が白く飛び、つま先でシーツを蹴った。
「……は、……っ、はぁっ、……はぁっ」
息がうまく吸えなくて呼吸を整えていると、レオニダスが足の間に身体を割り入れ片方の脚をグイっと持ち上げ肩に掛けた。もう動かない手足を放り出したまま、視線をレオニダスに向ける。
そのまま頬ずりをするように太腿に顔を寄せると、舌先を伸ばしつうっとなぞった。その刺激に、達したばかりの身体は過剰に反応する。
レオニダスが視線をこちらに向けた。黄金の瞳が私を捉えたまま、ゆっくりと脚に舌を這わせ、時折歯を立てて吸い付きながら下へと降りていく。
ぞくぞくと背中が痺れ、逃げたいのに逃げられない。レオニダスはそうして私と視線を合わせたまま、私の脚の付け根に顔を埋めた。
「……っ! ぁあっ!」
舌先が脚の間にある芽を突く。散々弄られたそこは敏感に腫れ上がり、少しの刺激でも身体に痺れを走らせた。ちゅうっと吸われぬるぬると舌や唇で受ける刺激に声が抑えられない。
苦しくてレオニダスを払いのけようとしても、力の出ない腕では彼の髪をふわりと撫でるだけ。
視界の中でチカチカと星が点滅して、がくがくと身体が痙攣した。全身に甘く苦しい痺れがいつまでも残っている。身体の中心がいつまでも大きくうねり、その動きが自分自身を追い詰めるようで苦しい。
「カレン」
レオニダスが身体を起こし、私の脚を大きく開いた。自分でも、身体の中心がびくびくとレオニダスを受け入れようと痙攣しているのが分かる。そこはもうぐしょぐしょに潤っていて、シーツも身体も、レオニダスの手も濡らしている。
レオニダスはふーっと息を長く吐き出すと、鋩をぐっとあわいに宛がった。それだけで私の中が大きく蠢く。
「カレン、愛している」
レオニダスの声が身体の中に響き渡った。
◆
今日はもともと、宿に泊まるつもりでいた。
アルベルトからカレンの様子を聞き、カレンのことだ、頑張りすぎて疲れているのだろうと、息抜きをさせたくて休みを捻出した。宿を取ったことは、すぐに恥ずかしがり緊張するカレンに伝えては気にして楽しめないかもしれないと思い、敢えて伏せていた。
そのせいで帰るという言葉を聞くとは思わなかったが。
自分から何かをしたい、こうして欲しいと言うことがあまりないカレン。
そんなカレンが目許を赤らめ、懸命に伝えてくれた言葉。
――キスが、したいです
そんな殺し文句があるだろうか。
正直、カレンがあまりに疲れているようなら眠り、朝食が素晴らしいと評判のここでゆっくりと朝を過ごせたらいいと、そう思っていた。カレンの身体が一番だ。久しぶりに会うからといって、無理をさせてはいけないと、そう思っていたのだ。
だが、まだ眠りたくないというカレン。腕で顔を隠しても赤くなった耳が覗き、ピンク色に染まった肌が白い肌を強調する。その色香にクラクラと眩暈がした。
顔を見たくて腕をどければ、潤んだ瞳が控えめに、だがはっきり俺を求めてくれる。
そこまでされて、俺の理性が保つはずがなかった。
カレンの熱く柔らかな身体に己を突き立てれば、大きなうねりが俺に絡みつく。奥歯を食いしばり波をやり過ごし、やがてゆっくりと動き出せばカレンの口から甘やかな声が漏れる。カレンの中は温かく柔く、だがきつく俺を締め付け奥へと誘うように蠢いた。
破瓜したばかりで辛いだろうと執拗に解したせいか、ずっとひくひくと痙攣し、ゆっくりと進めるつもりだったがそれはもう無理だった。
強く叩きつけるように奥を抉り、ずるりと入口まで下がるとまるで吸い付くように締め付けられる。腰を押し進めながらカレンに口付けを落とし、指を絡め手を繋ぐ。
「カレン」
名を呼べば、俺の名を呼ぶ。好きだと伝えれば、好きだと返してくれる。
ああ、これほど愛おしいとは。
これほど幸せで胸を抉られるような愛おしさを知ることになるとは。
ふっと意識が浮上した。
昨夜は意識を失ったカレンを腕の中に閉じ込め、その眠る姿をいつまでも見つめていたのだが、いつの間にか眠っていたようだ。
腕の中ですうすうと寝息を立てるカレンの顔を見つめる。肘を立て手に頭を乗せて、じっくりと見下ろした。
窓の外はうっすらと空が白んできている。この季節は日が出ている時間が長い。やがてカレンも自然と目を覚ますだろう。
ゆっくりと目を開き、琥珀色の瞳を朝の光で輝かせ、室内をぼんやりと見渡して、ふと俺に気が付くのだ。
ゆっくりと顔を上げ、俺をぼんやりと見つめてこう囁くだろう。
「……レオニダス」
花がほころぶよりも美しい笑顔で、俺の名を呼ぶだろう。
そんな朝を、カレンとともに迎えたい。優しく甘い口付けを交わして、一番におはようと囁きたい。
それが俺の、ささやかで大切な願いだ。
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