16 / 24
特別で素晴らしく、幸せなこと4
しおりを挟む
私は目を少しだけ見開いて頬を染めたレオニダスの、軍服の襟に手を掛けた。
「脱がせてくれるのか?」
「だって、私だけこんな格好なのが恥ずかしい原因かと思うの」
「そうか。では未来の俺の妻に任せよう」
レオニダスは嬉しそうに笑うと、身体の力を抜き背中を背もたれに預けた。
固く結ばれたタイの結び目を解き、するりと抜き取る。軍服の硬い釦ホールをひとつひとつ外し、ベルトに手を掛けるとふっと笑う声が降りかかった。
「なあに?」
「いや、慣れているなと思ってな」
「それはそうだよ!」
短期間でもヨアキムさん仕込みのレオニダス専属従者でしたからね! 何度朝の支度を手伝ったことか!
「結婚して部屋が一緒になっても、支度の手伝いなどいらないからな」
レオニダスは私の手元をじっと見つめながら、掌で腰や太腿を撫でそんなことを言った。不思議に思いその顔を見ると、黄金色の瞳をふわりと細めて私の頬をそっと撫でる。
「どうして?」
「朝から勤務が出来なくなる」
それはどういう意味でしょうか! 着替えの手伝いに何を期待しちゃうのかな⁉
顔を熱くしているとレオニダスはくつくつと笑い身体を揺らした。
「カレンは俺の妻になる人だ。俺の身の回りの世話をする必要はない」
「レオニダスは今も朝の支度は自分でしてるの?」
「そうだ。軍服は自分で着ないと意味がない」
確かに、有事の際に素早く着替えるのに人の手を借りている暇はない。
でも私は、時々でいいからお手伝いしたいな。だってレオニダスのスーツや燕尾服姿はとても素敵なんだもの。それに合わせるハンカチーフやアクセサリーを見たり一緒に選んだりするのが、とても好きだから。
軍服のジャケットの釦をすべて外し、シャツのボタンをするすると外すと逞しい肉体が現れる。鍛えられ隆起した筋肉、大小さまざまな傷痕。
指で傷跡をなぞりその胸に掌を当てれば、感じる心臓の音。
「カレン」
呼ばれて顔を上げると、レオニダスがソファに頭を預けたまま私をじっと見ていた。
「口付けを」
小さく囁かれたその言葉に、なんだかきゅっと胸が苦しくなる。
目許を赤く染めるレオニダスに覆い被さり、もう一度キスを贈る。お互いの素肌が触れ合って、私より体温の高いレオニダスの熱が直接私を温める。柔らかな唇を食めばレオニダスもそれに応えて私の唇を食む。
気持ちいい。触れ合うことが、とても気持ちいい。
唇に優しく触れて離れると「もう一度」と強請られて、何度も何度もレオニダスの唇にキスをして、やがてまたキスは深くなっていく。後頭部を押さえられ髪に手を差し込まれて、お互い夢中になってキスをしていると、下腹部に硬いものがゴリッと押し付けられた。
私はレオニダスの首に回していた手を、胸や腹を掌で撫でながら下ろし、ズボンの釦を外した。ぐっとレオニダスの身体が硬くなる。
ズボンの前を寛げればレオニダスの硬い楔が窮屈そうに下着を押し上げていた。下着を降ろすと赤黒く血管が浮いた怒張が飛び出るように外に弾き出る。
「……自分で挿れて」
目許を赤く染め浅い呼吸を繰り返すレオニダスが、私の腰の横で結ばれていたリボンを解き、下着を取り去った。
腰を浮かせレオニダスの楔をそっと掴み、自分のあわいに宛がうと、ごくりとレオニダスが喉を鳴らす。
そのままゆっくり腰を下ろすと、レオニダスの硬い楔がぐぷっと中心に埋まり、私の中が大きくうねるのを感じた。
「……んっ」
「は……っ、カレン、動けるか?」
「……っ、ん」
はあっと深く息を吐きだしたレオニダスが私の腰を支えるように両手で掴む。自分の中がぎゅうっと締め付けているのを感じながらレオニダスを見ると、目を閉じ眉根を少し寄せて天井を仰ぎ、息を吐きだした。
――レオニダスにも、気持ちよくなってもらいたい。
私は両手をレオニダスの割れた腹筋の上に置いて、ゆっくりと腰を動かしてみた。
初めは上下に、次は前後に。
どんな動きをするとレオニダスが気持ちいいのか確かめながら、でもびくびくと震える硬い楔が私の中を擦り、前後に動けばあわいの上にある芽が擦られて、自ら声が出てしまう。身体が震えて力がうまく入らない。
「んっ、ぁ、れ、れお……」
レオニダスを離そうとしない私の中がぎゅうっと収縮して、自分で上手く動けない。するとレオニダスが、私の頬をそっと撫でた。
「カレン、……上手だ」
「ほ、ほんとに?」
「ああ……すぐにイキそうだ」
「あ、で、でも……、あっ」
レオニダスが私の腰を掴んだまま、ゆっくりと動き出した。下からゆっくりと動かされると、レオニダスの形がはっきりと分かる。自分で動くよりも奥に届き、違う場所を刺激され声が上がった。力が入らなくてレオニダスの上に倒れ込むと、レオニダスは身体を起こし私を抱きかかえて、やがて激しく下から突き上げだした。
ギシギシとソファが音を立て、ガタガタと動く音がする。その上に自分の声が重なり、恥ずかしさと気持ちよさに何も考えられない。
必死にレオニダスの首にしがみ付き身体を揺さぶられ続けて、やがて目の前がチカチカと点滅し出した。
「カレン……っ」
その声を耳元で聞きながら、私の意識は白く弾けた。
「脱がせてくれるのか?」
「だって、私だけこんな格好なのが恥ずかしい原因かと思うの」
「そうか。では未来の俺の妻に任せよう」
レオニダスは嬉しそうに笑うと、身体の力を抜き背中を背もたれに預けた。
固く結ばれたタイの結び目を解き、するりと抜き取る。軍服の硬い釦ホールをひとつひとつ外し、ベルトに手を掛けるとふっと笑う声が降りかかった。
「なあに?」
「いや、慣れているなと思ってな」
「それはそうだよ!」
短期間でもヨアキムさん仕込みのレオニダス専属従者でしたからね! 何度朝の支度を手伝ったことか!
「結婚して部屋が一緒になっても、支度の手伝いなどいらないからな」
レオニダスは私の手元をじっと見つめながら、掌で腰や太腿を撫でそんなことを言った。不思議に思いその顔を見ると、黄金色の瞳をふわりと細めて私の頬をそっと撫でる。
「どうして?」
「朝から勤務が出来なくなる」
それはどういう意味でしょうか! 着替えの手伝いに何を期待しちゃうのかな⁉
顔を熱くしているとレオニダスはくつくつと笑い身体を揺らした。
「カレンは俺の妻になる人だ。俺の身の回りの世話をする必要はない」
「レオニダスは今も朝の支度は自分でしてるの?」
「そうだ。軍服は自分で着ないと意味がない」
確かに、有事の際に素早く着替えるのに人の手を借りている暇はない。
でも私は、時々でいいからお手伝いしたいな。だってレオニダスのスーツや燕尾服姿はとても素敵なんだもの。それに合わせるハンカチーフやアクセサリーを見たり一緒に選んだりするのが、とても好きだから。
軍服のジャケットの釦をすべて外し、シャツのボタンをするすると外すと逞しい肉体が現れる。鍛えられ隆起した筋肉、大小さまざまな傷痕。
指で傷跡をなぞりその胸に掌を当てれば、感じる心臓の音。
「カレン」
呼ばれて顔を上げると、レオニダスがソファに頭を預けたまま私をじっと見ていた。
「口付けを」
小さく囁かれたその言葉に、なんだかきゅっと胸が苦しくなる。
目許を赤く染めるレオニダスに覆い被さり、もう一度キスを贈る。お互いの素肌が触れ合って、私より体温の高いレオニダスの熱が直接私を温める。柔らかな唇を食めばレオニダスもそれに応えて私の唇を食む。
気持ちいい。触れ合うことが、とても気持ちいい。
唇に優しく触れて離れると「もう一度」と強請られて、何度も何度もレオニダスの唇にキスをして、やがてまたキスは深くなっていく。後頭部を押さえられ髪に手を差し込まれて、お互い夢中になってキスをしていると、下腹部に硬いものがゴリッと押し付けられた。
私はレオニダスの首に回していた手を、胸や腹を掌で撫でながら下ろし、ズボンの釦を外した。ぐっとレオニダスの身体が硬くなる。
ズボンの前を寛げればレオニダスの硬い楔が窮屈そうに下着を押し上げていた。下着を降ろすと赤黒く血管が浮いた怒張が飛び出るように外に弾き出る。
「……自分で挿れて」
目許を赤く染め浅い呼吸を繰り返すレオニダスが、私の腰の横で結ばれていたリボンを解き、下着を取り去った。
腰を浮かせレオニダスの楔をそっと掴み、自分のあわいに宛がうと、ごくりとレオニダスが喉を鳴らす。
そのままゆっくり腰を下ろすと、レオニダスの硬い楔がぐぷっと中心に埋まり、私の中が大きくうねるのを感じた。
「……んっ」
「は……っ、カレン、動けるか?」
「……っ、ん」
はあっと深く息を吐きだしたレオニダスが私の腰を支えるように両手で掴む。自分の中がぎゅうっと締め付けているのを感じながらレオニダスを見ると、目を閉じ眉根を少し寄せて天井を仰ぎ、息を吐きだした。
――レオニダスにも、気持ちよくなってもらいたい。
私は両手をレオニダスの割れた腹筋の上に置いて、ゆっくりと腰を動かしてみた。
初めは上下に、次は前後に。
どんな動きをするとレオニダスが気持ちいいのか確かめながら、でもびくびくと震える硬い楔が私の中を擦り、前後に動けばあわいの上にある芽が擦られて、自ら声が出てしまう。身体が震えて力がうまく入らない。
「んっ、ぁ、れ、れお……」
レオニダスを離そうとしない私の中がぎゅうっと収縮して、自分で上手く動けない。するとレオニダスが、私の頬をそっと撫でた。
「カレン、……上手だ」
「ほ、ほんとに?」
「ああ……すぐにイキそうだ」
「あ、で、でも……、あっ」
レオニダスが私の腰を掴んだまま、ゆっくりと動き出した。下からゆっくりと動かされると、レオニダスの形がはっきりと分かる。自分で動くよりも奥に届き、違う場所を刺激され声が上がった。力が入らなくてレオニダスの上に倒れ込むと、レオニダスは身体を起こし私を抱きかかえて、やがて激しく下から突き上げだした。
ギシギシとソファが音を立て、ガタガタと動く音がする。その上に自分の声が重なり、恥ずかしさと気持ちよさに何も考えられない。
必死にレオニダスの首にしがみ付き身体を揺さぶられ続けて、やがて目の前がチカチカと点滅し出した。
「カレン……っ」
その声を耳元で聞きながら、私の意識は白く弾けた。
32
お気に入りに追加
216
あなたにおすすめの小説
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた
愛丸 リナ
恋愛
少女は綺麗過ぎた。
整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。
最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?
でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。
クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……
たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた
それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない
______________________________
ATTENTION
自己満小説満載
一話ずつ、出来上がり次第投稿
急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする
文章が変な時があります
恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定
以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる