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第二章 王都

閑話 王都出張護衛決定戦

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「王都!?」
「え、マジで!? 何年振りだよ!」
「閣下は先代と違って全然行かねえからそう言うもんだと思ってたけど」
「やった俺立候補するわ!」
「え、今回何人?」
「20かな」
「少な! マジかー」
「いや、閣下一人で百人、いや、一騎当千だから」
「確かに」
「どうやって決めんのかな」
「前は? どうやって決めてたんだ?」
「あー、なんか隊長クラスで決めてたよな」
「隊長が一人必ず同行するから、くじ引きとか、腕相撲で決めた事もあったな」
「あー、腕相撲あったあった!」
「めっちゃ盛り上がっただろ、なんか賭けまで始まって」
「なんか知らんが酒盛りまでしてたな」
「第五部隊が勝ったんだよ」
「へー、第五の隊長ってギフト聴力だよな?」
「バッカお前、ギフト使用禁止でしたんだよ。第二の隊長は腕力のギフトだろ、勝つに決まってるわ」
「すげえな、純粋に勝つとか」
「あの人も平民出身だからな、相当な努力家なんだよ」
「え、マジそうなの? 話し方とか所作で貴族だと思ってた」
「第一の隊長の方がよっぽど気安いよなー」
「あの人、王都に邸のある貴族なんだろ? しかも嫡男だって」
「顔が恐ろしくいいから口調砕けてても逆に気にならんよな」
「おい、聞いたか王都の出張!」
「おお、聞いた聞いた!」
「お疲れさん」
「どうやって決めんだ?」
「また隊長同士かな」
「なあ、俺たちで決められないかな」
「は? どうやって」
「この間、ナガセから面白い勝負の仕方聞いたんだよ」
「なになに」
「ジャンケンって言ってよ、こう……拳と鋏と布」
「拳をグー、鋏をチョキ、布がパー」
「はは、何だそれ」
「これが結構盛り上がるんだって!」
「あー、この間オーウェンの店で異常に盛り上がったアレだ!」
「そうそう! 特に何か勝負してたんじゃなかったんだがな、なんかノリがいいって言うかさ、リズムなんだよ」
「リズム」
「ポンポンと出すリズムっつうかさ」
「そうそう! こう、ポンポンポーン! って」
「ちょっと何言ってるのか分かんないわ」
「まあまあ、ホラ第四の、まずはやってみようぜ」
「俺らやるの見てろよ。その方が早い」
「いや、ていうか俺たちで勝手に決めてどうすんだよ」
「まあまあ!」
「よし! おいお前もほら、入れ」
「せーの、」
「「「最初はグー、ジャンケン」」」



「ねえ、なんか盛り上がってるけど何してるのかな?」
「ああ、あれはこの間オーウェン殿の店でナガセが教えていたじゃんけん、というものですね」
「じゃんけん」
「はい。何かを決める時に勝負をつけるための方法らしいです。簡単なルールで子供が主に行うもののようですが」
「あれ、また第三部隊だね。何の勝負つけてるのかな」
「大方、王都出張に誰が行くか、ではないでしょうか」
「ふふ、僕が行くから第一部隊なんだけどね」


「「「ウオオオーーッ!」」」


「第三が勝ったようですね」
「うん、ちょっと面白いから黙っていようかな」


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