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願い⑥
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私が目覚めてしばらく経過、まったく問題はない。
生物学上の両親もやって来た。心配はしていたが、キャサリンがあんなことになってどうするんだろう。
「裁判が終わったら、キャサリンをやっと除籍できる」
と、無表情で生物学上の父親が告げる。母親は目を伏せている。
「テヘロンから正式に許可が出たよ」
確かに、キャサリンはこの両親の娘で間違いないのだ。いままで振り回されたが、かわいい娘を、見限る判断を後押しした。
それは、やはり、ティアラ・ローザに対する侮辱だ。
次の最終弁論の準備が大変らしい。
ティアラ・ローザに対する侮辱で、生物学上の両親も、糸が切れたようだ。
散々、キャサリンの考え違いに振り回され、その都度教育してきたのに。
全部、ぱー、だ。
「そうですか。ローザ伯爵家はどうなるんですか?」
跡取りのキャサリンが除籍になれば、次は私となるが、私は経営者に向いてない。それに、おそらくこのままレオナルド・キーファーの嫁入りする。セシリア女公爵は、レオナルド・キーファーに自身がもつ子爵を与える予定ではある。
「それに関しては問題ないよ。私の代でセーレ商会を閉じる訳には行かないからね」
セーレ商会に勤めている従業員やその家族を守らなくてはならないからね。
「キャサリンを正式に除籍したら、マルティンを養子にすることになった。ナタリアともよく話したしね」
「はあ? マルティンをですか? でも、ローザ伯爵家の血は?」
貴族の養子には、必ず血筋がいる。
「私の従兄弟の娘をマルティンの婚約者にするつもりだ」
従兄弟ね。キャサリンの元婚約者は生物学上の祖父ジェフリー・ローザの姉の孫。マルティンの婚約者予定の女の子はジェフリー・ローザの弟の孫。まだ四歳だって。
「まだ先の話しだが、これは決定事項だ。ボスザ伯爵に仲介をお願いしているし、従兄弟も了承してくれている」
なら、マルティンは義理の弟か、悪くないかな。
「そうですか」
と、だけ答えておく。
「ウィンティア、その最終弁論だが、出席は控えた方がいいと思う。ウーヴァ公爵家で待っていた方が」
「別に構いません。私はあなた方の娘であることは知っています。キャサリンが何をしようがこれは覆らないしょう。それに私はあのバカの最後を見届けたい」
「そうか」
ため息。
生物学上の父親は、それからキャサリンに譲渡するものを軽く説明する。
あんなのでも、セーレ商会の広告塔として大活躍した実績はある。相応の支払い要求されるだろうって。それに除籍するなら、キャサリンの様に大きな貢献をした場合、手切れ金が発生する。
だが、キャサリンは色々やらかしている。お茶会でのトラブルもそうだが、ローザ伯爵から示された年間予算をオーバーしまくった額は返済請求すると。これは、毎年キャサリンと生物学上の父親で、書類を作って捺印しているから通るはず。
それを差し引いてからの手切れ金と、いまキャサリンがすんでいるアパートメントを譲渡するって。
慎ましく生きれば、20年くらいは働く必要はないが、あのキャサリンが慎ましくなんて無理でしょ。
生物学上の両親の説明が終わる。
あ、そうだ。
「あの裁判の時、『私のティアラ』って叫んで助けてくれた人がいましたよね? あの方にお礼したいのですが」
あの高齢男性が誰だか予想はついているが。
顔を見合わせる生物学上の両親。
「ウィンティア、あの、あの人は」
言い淀んでいる。
「私の祖父ですか?」
『私のティアラ』と叫んだ時点で疑っていたけどね。
生物学上の両親もやって来た。心配はしていたが、キャサリンがあんなことになってどうするんだろう。
「裁判が終わったら、キャサリンをやっと除籍できる」
と、無表情で生物学上の父親が告げる。母親は目を伏せている。
「テヘロンから正式に許可が出たよ」
確かに、キャサリンはこの両親の娘で間違いないのだ。いままで振り回されたが、かわいい娘を、見限る判断を後押しした。
それは、やはり、ティアラ・ローザに対する侮辱だ。
次の最終弁論の準備が大変らしい。
ティアラ・ローザに対する侮辱で、生物学上の両親も、糸が切れたようだ。
散々、キャサリンの考え違いに振り回され、その都度教育してきたのに。
全部、ぱー、だ。
「そうですか。ローザ伯爵家はどうなるんですか?」
跡取りのキャサリンが除籍になれば、次は私となるが、私は経営者に向いてない。それに、おそらくこのままレオナルド・キーファーの嫁入りする。セシリア女公爵は、レオナルド・キーファーに自身がもつ子爵を与える予定ではある。
「それに関しては問題ないよ。私の代でセーレ商会を閉じる訳には行かないからね」
セーレ商会に勤めている従業員やその家族を守らなくてはならないからね。
「キャサリンを正式に除籍したら、マルティンを養子にすることになった。ナタリアともよく話したしね」
「はあ? マルティンをですか? でも、ローザ伯爵家の血は?」
貴族の養子には、必ず血筋がいる。
「私の従兄弟の娘をマルティンの婚約者にするつもりだ」
従兄弟ね。キャサリンの元婚約者は生物学上の祖父ジェフリー・ローザの姉の孫。マルティンの婚約者予定の女の子はジェフリー・ローザの弟の孫。まだ四歳だって。
「まだ先の話しだが、これは決定事項だ。ボスザ伯爵に仲介をお願いしているし、従兄弟も了承してくれている」
なら、マルティンは義理の弟か、悪くないかな。
「そうですか」
と、だけ答えておく。
「ウィンティア、その最終弁論だが、出席は控えた方がいいと思う。ウーヴァ公爵家で待っていた方が」
「別に構いません。私はあなた方の娘であることは知っています。キャサリンが何をしようがこれは覆らないしょう。それに私はあのバカの最後を見届けたい」
「そうか」
ため息。
生物学上の父親は、それからキャサリンに譲渡するものを軽く説明する。
あんなのでも、セーレ商会の広告塔として大活躍した実績はある。相応の支払い要求されるだろうって。それに除籍するなら、キャサリンの様に大きな貢献をした場合、手切れ金が発生する。
だが、キャサリンは色々やらかしている。お茶会でのトラブルもそうだが、ローザ伯爵から示された年間予算をオーバーしまくった額は返済請求すると。これは、毎年キャサリンと生物学上の父親で、書類を作って捺印しているから通るはず。
それを差し引いてからの手切れ金と、いまキャサリンがすんでいるアパートメントを譲渡するって。
慎ましく生きれば、20年くらいは働く必要はないが、あのキャサリンが慎ましくなんて無理でしょ。
生物学上の両親の説明が終わる。
あ、そうだ。
「あの裁判の時、『私のティアラ』って叫んで助けてくれた人がいましたよね? あの方にお礼したいのですが」
あの高齢男性が誰だか予想はついているが。
顔を見合わせる生物学上の両親。
「ウィンティア、あの、あの人は」
言い淀んでいる。
「私の祖父ですか?」
『私のティアラ』と叫んだ時点で疑っていたけどね。
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