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願い⑤

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 私は裁判所から帰る馬車内で寝てから、三日間眠っていたみたい。お医者さんも呼ばれたが原因不明のままで、こんこんと寝ていたようだ。
 当然、大騒ぎになった。

「ごめんね、ナタリア。心配かけて」

「良かった、お嬢様、良かった」

 ナタリアの涙をぬぐう。やっぱり顔に痣が残っている。

「どうしよう、ナタリア痣になったね」

「大丈夫です。次期に消えますから。お嬢様の首の痣も、次期に消えますから」

「そうだね」

 私の首にも、掴まれたら後が、しっかり痣になってる。
 私が目を覚ました事はすぐに知らされた。と、言っても眠り続けていたのは内緒にされていた。すぐにアンジェリカ様が大きなお腹を抱えて来てくれた。

「もうっ、心配したのよっ」

「アンジェリカ様、走らないでくださいっ」

 ぎゅー、と抱き締めてくれる。

「貴女の首を掴んだ無礼者は、きっちり後悔させますからね」

 怖っ。
 怖いが心配させてしまったので、私は着替えてウーヴァ公爵家の厨房に。
 色んな人達が心配したが。

「大丈夫、何か動きたいの」

 愛用エプロン着けて、と。
 いつもと変わらず厨房メンバーと、わいわい作業すると、セシリア女公爵とハインリヒ様が帰宅。私はエプロン姿のままお出迎え。

「お帰りなさいませ。ご心配おかけしました」

 セシリア女公爵は無言で私を見ると、ふう、と息を着く。

「構わなくってよ。今日は忙しくてお昼を頂いていないの。すぐに準備なさい」

「はい」

「セシリア、ウィンティア嬢は病み上がりだよ」

「ハインリヒ様、夕食に餃子をご用意しました」

「ふふっ、いつも通りだね。なら、今日はいいシャンパン空けようかな」

 二人は仲良く食堂に向かう、熱々で食べてほしくて、準備していると、レオナルド・キーファーが帰ってきた。
 ちょうど、ワゴンで運んでいた時だった。

「あ、お帰りなさい」

「ウィンティア嬢ーっ」

 ダダダダダッ、と走ってきて、ぎゅー、だ。
 予想していたが、ちょっとちょっと。

「あのっ、ご心配かけましたっ」

「本当に、本当に良かったっ」

 ぎゅー、ぎゅー、ぎゅー。
 あ、心配してくれていたんだ。

「レオナルド様、ご心配おかけしました。お仕事お疲れ様です。ご飯準備しました。だから」

 一瞬に食べましょう。
 私は、そっとレオナルド・キーファーの背を撫でる。

「そうですね、そうですね」

 ワゴンは使用人さんが運んでくれた。
 私は素直にレオナルド・キーファーにエスコートされて、食堂に向かった。
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