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キャサリンの裁判⑥
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新たな証人に対しては、リージョン弁護士が異議申請。キャサリンを同席させろってね。言われっぱなしでは、キャサリンの不名誉だと。もちろんボスザ弁護士も負けてはいない。先ほどの態度を改めて示し、この裁判をかき回す恐れがあると。
裁判長、左右の人に相談。
レオナルド・キーファーの証言後に、ボスザ弁護士の新たな証人を認め、キャサリンはその際もどす、と。リージョン弁護士には、キャサリンには取り乱さないように言い含めるように注意が行った。
レオナルド・キーファーは、ボスザ弁護士からの質問に丁寧に答える。
「私はあの日のウィンティア嬢の姿に心を奪われました。私にはウィンティア嬢以上の女性はおりません」
なんだか、恥ずかしい。
それからもなにやら恥ずかしい言葉が出てくる。ウィンティアを誉めているからいいけどさ。
「ウィンティア嬢は私のいつも身体を気遣ってくれました」
ただ、大変なお仕事だから、と色々しただけ、ただめしくらいは嫌だからね。誉められてるんだろうが恥ずかしい。
いままでの経緯を説明。ボスザ弁護士が、丁寧にお礼を言ってから、レオナルド・キーファーは私の隣に。うーん、恥ずかしい。
で、次はセシリア女公爵の番だけど。そこから、キャサリンが戻って来た。
ハンカチ当てて、メソメソしている雰囲気だけど、よれてもないハンカチを、頬に当てているだけ。
「お名前をお聞きしても?」
流石に天下のウーヴァ公爵閣下には、丁寧に問うリージョン弁護士。
「セシリア・ウーヴァです」
迫力が違うなあ。
「ウィンティア嬢を甥御さんの婚約者に据えた理由は?」
「レオナルドが望んだからですわ」
「何故、ウィンティア嬢なのです?」
「あら? 聞き間違いかしら? 同じ質問をされたようですわね」
「しかし、彼女はコクーン修道院に」
「レオナルドが望んだ、私にはそれが全てですわ。どんな理由を貴方が着けようが、彼女を選ばない選択はありません」
「当時の後継者はっ」
「私には愛する夫との間に、アンジェリカという娘がおります。何の問題が?」
リージョン弁護士は、セシリア女公爵に最終的には言い負かされてしまった。もし、途中からキャサリンを選んだら、レオナルド・キーファーを叩き出すことも隠すことはない。私が貴族女性としてのスタートラインにいなかったことも、ちゃんとわかっていたと。レオナルド・キーファーの伴侶として私が問題がなければ、レオナルド・キーファーが望む間は、私を婚約者に外す気はなかったと。
向こうの後継者うんぬんは、まだ当時アンジェリカ様にまだお子様がいなかったからだ。王家の盾である、ウーヴァ公爵家としては、アンジェリカ様で途絶える訳にはならない。そうなれば養子となるが、そう簡単な訳にはいかない。貴族間のパワーバランスやらなんやら。それから血筋。必ずウーヴァ公爵家の血が流れていないといけない。これは貴族であれば当たり前だ。
適任となるのが、セシリア・ウーヴァの実兄、シーザー・キーファーが残したレオナルド・キーファーとなる。レオナルド・キーファーをセシリア女公爵かアンジェリカ様の養子にして、となると、当然次の公爵がレオナルド・キーファーになる。つまり、私に公爵夫人が務まるかと、当時思っていなかったかと聞き出したいが、セシリア・ウーヴァ女公爵が、華麗にかわしてしまった。
次はボスザ弁護士からの証人達が証言していく事になる。
裁判長、左右の人に相談。
レオナルド・キーファーの証言後に、ボスザ弁護士の新たな証人を認め、キャサリンはその際もどす、と。リージョン弁護士には、キャサリンには取り乱さないように言い含めるように注意が行った。
レオナルド・キーファーは、ボスザ弁護士からの質問に丁寧に答える。
「私はあの日のウィンティア嬢の姿に心を奪われました。私にはウィンティア嬢以上の女性はおりません」
なんだか、恥ずかしい。
それからもなにやら恥ずかしい言葉が出てくる。ウィンティアを誉めているからいいけどさ。
「ウィンティア嬢は私のいつも身体を気遣ってくれました」
ただ、大変なお仕事だから、と色々しただけ、ただめしくらいは嫌だからね。誉められてるんだろうが恥ずかしい。
いままでの経緯を説明。ボスザ弁護士が、丁寧にお礼を言ってから、レオナルド・キーファーは私の隣に。うーん、恥ずかしい。
で、次はセシリア女公爵の番だけど。そこから、キャサリンが戻って来た。
ハンカチ当てて、メソメソしている雰囲気だけど、よれてもないハンカチを、頬に当てているだけ。
「お名前をお聞きしても?」
流石に天下のウーヴァ公爵閣下には、丁寧に問うリージョン弁護士。
「セシリア・ウーヴァです」
迫力が違うなあ。
「ウィンティア嬢を甥御さんの婚約者に据えた理由は?」
「レオナルドが望んだからですわ」
「何故、ウィンティア嬢なのです?」
「あら? 聞き間違いかしら? 同じ質問をされたようですわね」
「しかし、彼女はコクーン修道院に」
「レオナルドが望んだ、私にはそれが全てですわ。どんな理由を貴方が着けようが、彼女を選ばない選択はありません」
「当時の後継者はっ」
「私には愛する夫との間に、アンジェリカという娘がおります。何の問題が?」
リージョン弁護士は、セシリア女公爵に最終的には言い負かされてしまった。もし、途中からキャサリンを選んだら、レオナルド・キーファーを叩き出すことも隠すことはない。私が貴族女性としてのスタートラインにいなかったことも、ちゃんとわかっていたと。レオナルド・キーファーの伴侶として私が問題がなければ、レオナルド・キーファーが望む間は、私を婚約者に外す気はなかったと。
向こうの後継者うんぬんは、まだ当時アンジェリカ様にまだお子様がいなかったからだ。王家の盾である、ウーヴァ公爵家としては、アンジェリカ様で途絶える訳にはならない。そうなれば養子となるが、そう簡単な訳にはいかない。貴族間のパワーバランスやらなんやら。それから血筋。必ずウーヴァ公爵家の血が流れていないといけない。これは貴族であれば当たり前だ。
適任となるのが、セシリア・ウーヴァの実兄、シーザー・キーファーが残したレオナルド・キーファーとなる。レオナルド・キーファーをセシリア女公爵かアンジェリカ様の養子にして、となると、当然次の公爵がレオナルド・キーファーになる。つまり、私に公爵夫人が務まるかと、当時思っていなかったかと聞き出したいが、セシリア・ウーヴァ女公爵が、華麗にかわしてしまった。
次はボスザ弁護士からの証人達が証言していく事になる。
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