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キャサリンの裁判④
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無事に法廷に到着。テレビで見たことある感じに、ちょっと洋風テイストが加わっている。
で、ローザ伯爵家は右側、キャサリンは左側。
…………………ちょっとあれ、なに?
まるで、おおきなお茶会に行くような華やかな格好のキャサリン。対してローザ伯爵夫妻は、控え目を感じる格好。こう言った場所で、あんな派手な格好はいただけないんだよ。まあ、マナー違反女だもんね。
傍聴席は満席だ。
で、肝心の私の証言だけど、直ぐに裁判長が待ったをかけた。
始め、裁判長は私に答えなくない事は答えなくていい。向こうの弁護士には、再三のそちらの要求で私が出たのだから、相応の対応をしなさい、って言ったのに。
いきなり。
「姉が想いを通じさせているのを邪魔して楽しいかっ」
だってさ。
当然。こちらの弁護士のボスザ伯爵が「異議あり」と手を上げた。
「異議を認めます。リージョン弁護士、相応の対応をしなさい」
キャサリン側の若い男性弁護士に警告。
私は答える義理はないと、向こうの問いには沈黙ですべて対応。ならば、と沈黙は肯定したと判断すると向こうが言うが、裁判官は冷静だ。それを判断するのは裁判所だから、と。
結局、私は名前を名乗っただけで終わった。
この一ヶ月半で、キャサリンが訴えた内容は、すべて否定された。とにかく、私を突破口にしたかったんだろうが、そうは問屋がおろさない。
次に丁寧に対応してくれたのはゴーン・ボスザ弁護士。
簡潔に静かに、レオナルド・キーファーとの婚約の経緯を聞かれた。私は素直にすべてを話した。
レオナルド・キーファーとの婚約を知ったのは、コクーン修道院にいたこと。
初顔合わせで、険悪であったこと。
キャサリンの妨害で、少ない面会時間を削られた事。そして、わざわざ私が分かるようにレオナルド・キーファーに絡んでいたこと。
ディミア嬢の事、馬車の事。レオナルド・キーファーから送られた花束等、横取りされた事。
あくまで、キャサリン絡みの事だけね。
当然傍聴席はざわめいた。
まさか、私がコクーン修道院にいたなんて知らなかっただろう人達ね。
向こうからひつこく「異議あり」とあるが、そこはウーヴァ公爵が選んだベテラン凄腕弁護士。ちゃんとローザ伯爵家からの証人を連れてきた。そして、馬車の件でキャサリンに騙された御者だ。
「確かに、私はそこのキャサリン・ローザ嬢に、指定された時間まで、ウィンティア・ローザ嬢を、馬車で市内を回るように言われました」
「疑問に思わなかったのですか?」
「はい。妹に為にサプライズだと言われました。それにローザ伯爵家のメイドが着いたからです」
「では今ではどう思います?」
「キャサリン・ローザ嬢の言葉は嘘だらけだと」
わあっ、とキャサリンが泣き出す。うざっ。
「酷いですわっ、私はただ、ウィンティアの為にっ」
可憐なレースのハンカチを目に当てるキャサリン。
「妹の為に、その婚約者とのサプライズを図って起きながら、自分はその婚約者と思いあってる? ずいぶんな話ですね」
ボスザ弁護士がキャサリンに鋭い言葉を投げつける。
キャサリンの矛盾を突いた。
私とレオナルド・キーファーとの仲を取り持とうとしながら、実は自分がレオナルド・キーファーと相思相愛だと宣っていたキャサリン。それを裁判所と言う公式な場所で暴かれた。
傍聴席はざわざわ。
「異議ありっ。いまはその御者に対する証言の場ですっ。キャサリン・ローザ嬢を攻撃していいばではありませんっ。キャサリン嬢は取り乱していますっ。休廷を求めますっ」
「異議あり。これは彼への証言を求める場、そちらからの発言で、いたずらに掻き乱しています。この証言の間、いや、レオナルド・キーファーとの婚約関係の証言間、キャサリン・ローザの退廷を求めます」
裁判長は、左右の人に確認。
「両者の異議を認めます、キャサリン・ローザ嬢へのウィンティア・ローザとレオナルド・キーファーとの婚約関係確認の関、退廷を命じます。このこれより30分の休廷とします」
で、ローザ伯爵家は右側、キャサリンは左側。
…………………ちょっとあれ、なに?
まるで、おおきなお茶会に行くような華やかな格好のキャサリン。対してローザ伯爵夫妻は、控え目を感じる格好。こう言った場所で、あんな派手な格好はいただけないんだよ。まあ、マナー違反女だもんね。
傍聴席は満席だ。
で、肝心の私の証言だけど、直ぐに裁判長が待ったをかけた。
始め、裁判長は私に答えなくない事は答えなくていい。向こうの弁護士には、再三のそちらの要求で私が出たのだから、相応の対応をしなさい、って言ったのに。
いきなり。
「姉が想いを通じさせているのを邪魔して楽しいかっ」
だってさ。
当然。こちらの弁護士のボスザ伯爵が「異議あり」と手を上げた。
「異議を認めます。リージョン弁護士、相応の対応をしなさい」
キャサリン側の若い男性弁護士に警告。
私は答える義理はないと、向こうの問いには沈黙ですべて対応。ならば、と沈黙は肯定したと判断すると向こうが言うが、裁判官は冷静だ。それを判断するのは裁判所だから、と。
結局、私は名前を名乗っただけで終わった。
この一ヶ月半で、キャサリンが訴えた内容は、すべて否定された。とにかく、私を突破口にしたかったんだろうが、そうは問屋がおろさない。
次に丁寧に対応してくれたのはゴーン・ボスザ弁護士。
簡潔に静かに、レオナルド・キーファーとの婚約の経緯を聞かれた。私は素直にすべてを話した。
レオナルド・キーファーとの婚約を知ったのは、コクーン修道院にいたこと。
初顔合わせで、険悪であったこと。
キャサリンの妨害で、少ない面会時間を削られた事。そして、わざわざ私が分かるようにレオナルド・キーファーに絡んでいたこと。
ディミア嬢の事、馬車の事。レオナルド・キーファーから送られた花束等、横取りされた事。
あくまで、キャサリン絡みの事だけね。
当然傍聴席はざわめいた。
まさか、私がコクーン修道院にいたなんて知らなかっただろう人達ね。
向こうからひつこく「異議あり」とあるが、そこはウーヴァ公爵が選んだベテラン凄腕弁護士。ちゃんとローザ伯爵家からの証人を連れてきた。そして、馬車の件でキャサリンに騙された御者だ。
「確かに、私はそこのキャサリン・ローザ嬢に、指定された時間まで、ウィンティア・ローザ嬢を、馬車で市内を回るように言われました」
「疑問に思わなかったのですか?」
「はい。妹に為にサプライズだと言われました。それにローザ伯爵家のメイドが着いたからです」
「では今ではどう思います?」
「キャサリン・ローザ嬢の言葉は嘘だらけだと」
わあっ、とキャサリンが泣き出す。うざっ。
「酷いですわっ、私はただ、ウィンティアの為にっ」
可憐なレースのハンカチを目に当てるキャサリン。
「妹の為に、その婚約者とのサプライズを図って起きながら、自分はその婚約者と思いあってる? ずいぶんな話ですね」
ボスザ弁護士がキャサリンに鋭い言葉を投げつける。
キャサリンの矛盾を突いた。
私とレオナルド・キーファーとの仲を取り持とうとしながら、実は自分がレオナルド・キーファーと相思相愛だと宣っていたキャサリン。それを裁判所と言う公式な場所で暴かれた。
傍聴席はざわざわ。
「異議ありっ。いまはその御者に対する証言の場ですっ。キャサリン・ローザ嬢を攻撃していいばではありませんっ。キャサリン嬢は取り乱していますっ。休廷を求めますっ」
「異議あり。これは彼への証言を求める場、そちらからの発言で、いたずらに掻き乱しています。この証言の間、いや、レオナルド・キーファーとの婚約関係の証言間、キャサリン・ローザの退廷を求めます」
裁判長は、左右の人に確認。
「両者の異議を認めます、キャサリン・ローザ嬢へのウィンティア・ローザとレオナルド・キーファーとの婚約関係確認の関、退廷を命じます。このこれより30分の休廷とします」
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