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二年の年月⑪

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 生物学上の両親は、地面に這うようにひれ伏す。
 
 土下座だ。

 レオナルド・キーファーがキャサリンが騒ぎ出してから私を背中に庇っているので、よく見えないけど、ちら、と見えた。
 アンジェリカ様は、旦那様のジョナサン様がそうそうに非難させている。あのままいたら、いつもみたいにたあの扇でキャサリンを打つだろう。ま、そうされても文句が言えない事を、キャサリンが言ったからね。

「きゃあっ、やめてくださいお父様っ、レオナルド様っ、お助けくださいっ」

 みっともなく喚くキャサリン、わあ、見苦しい。
 回りの人達も冷たい目だ。
 レオナルド・キーファーも無言で、見下ろしている。

「黙りなさいキャサリンッ、申し訳ございませんっ、ウーヴァ公爵様っ」

 生物学上の両親は、服が汚れようが構わず、地面にひれ伏している。

「ローザ伯爵、お立ちになってください。せっかくのご令嬢の晴れ舞台ですよ」

 セシリア女公爵が静かに言うが、生物学上の両親は固まったままだ。

「その不敬者は、こちらで拘束させてもらいますわ。すでに学園を出て、しっかりとした社会人。貴殿達がどれだけマナーや道理をあれに教えようとしていたのは存じています。もう、あれの不始末のすべてを保護者としての責任を負う必要はないでしょう」

 つまり、この騒動のすべてをキャサリンにしか問わないってことね。
 ウーヴァ公爵家のメイドさん数人が、素早くキャサリンを地面から引き剥がして、拘束する、丁寧に? んなわけない。頭を掴み、両腕を後ろに回してがっちり固定。

「いっ、痛いっ」

 これはいつものふざけたようにしか聞こえないやつではない。本当に痛いやつだ。
 引きずられようとするキャサリンが、次に見たのたアサーヴ殿下だ。本来なら、キャサリンから見えない位置にいるんだけど、わざとだね。

「ああんっ、アサーヴ様ぁっ、助けくださいませっ」

 わぁ、キャサリンが剥き出しのように女を出す。以前なら可憐な少女を演出出来たろうが、さすがに年齢的に厳しい感じだ。
 アサーヴ殿下は首を傾げる。

「何故?」

 全く分からないといったアサーヴ殿下の顔。

「私、ティーナ・ローザの唯一の孫娘ですわっ、それに私は貴方と幼馴染み、いたあっ」

 メイドさんの一人が容赦なくキャサリンの頭を掴む。

「はっ」

 と、そんなキャサリンを鼻で笑うアサーヴ殿下。

「本当に変わらんな。ローザ伯爵が気の毒で仕方ない」

 と、回りには意味深の発言。
 キャサリンは最後の最後まで騒ぎ立てて、連行された。
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