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二年の年月⑦

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「アンネさんっ、来てくれてありがとうっ」

 クラスメート達が固まって過ごしている。さすが天下のウーヴァ公爵家のお茶会だから、緊張している。ただ、侯爵令嬢のリーナ嬢だけは、堂々としているので、自然と彼女の回りに固まっている。
 本来なら一般人であるアンネはお茶会には来れないのだけど、私のクラスメートだからと許可がおり、ほとんどのクラスメートが参加してくれた。

「ローザさんっ、なんだか凄いお茶会になってるけどっ」

「アンネさん、まずはご挨拶よ」

 と、興奮気味のアンネに嗜めるように言ったのはリーナ嬢。

「あ、そうだった。この度のお茶会、ご招待していたはだきありがとうございます」

「来ていただきありがとうございます」

 アンネとリーナ嬢が綺麗なカーテシーをするため、他のクラスメート達も習う。
 さ、挨拶は終わった。

「ローザさんのドレス素敵っ」

「ありがとう、アンネさんも素敵よ。それ、テヘロンの伝統刺繍のリボンでしょ?」

「ええ、従姉がわざわざ買ってきてくれて。あ、それよりそろそろはいてもらうわよ~」

 獲物を狙うようなアンネ。他の女子生徒までっ。マーク達が男子は、あ、食い気ね。
 ニコニコ笑うレオナルド・キーファーも丁寧な挨拶の後に、うまい具合切り上げてくれて抜け出した。
 それからフレーバ子爵夫妻やグレン伯爵夫妻ともご挨拶する。
 ジョアンナ夫人は私を見て咽び泣きそうで、必死に堪えている。

「ティーナが生きていたら、どれだけ喜んだか」

 わなわななりそうになり、旦那さんが会場の隅に。私をきっと十四で亡くなった、ティアラ・ローザと、重ねたのかな?
 一気に賑やかになる会場。あ、生物学上の両親が目立たないように隅で立ってる。キャサリンはいないけど。
 すう、と近付いて来たのは、ウランさんだ。本日はウーヴァ公爵家のメイド服。
 短くレオナルド・キーファーに耳打ちし、去っていく。

「ウィンティア嬢」

「はい」

 レオナルド・キーファーが私に耳打ち。

「対象はヘアメイクにやり直しをしているために、屋敷に残されたようです」

 またかあ。
 モニカ元妃殿下のお茶会でも似たような事やったよね。あれには、時間通りに行くという感覚ないのかね?  おそらく生物学上の両親は早々と準備していただろうし。かなり早い時点で会場入りしていた。
 アサーヴ殿下がソードさんや他の護衛と共に来て、オーガスト国王陛下とエリザベス妃が腕を組みやってきた。やっぱりオーラが違うなあ。数人のご婦人、ご令嬢が、オーガスト国王陛下に、きゃっ、だって。そして、レオンハルト王太子殿下は、これまた美しくなったリリーナ嬢をエスコートし、国王陛下の後に続く。
 セシリア女公爵と無事に挨拶が済んでる。
 それから、セシリア女公爵は、婿養子のハインリヒ様にエスコートされて、全体挨拶に入る。

「本日、この良き日に、皆様をお招き出来たことを感謝致します」
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