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新たな展開⑥
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私の視界に広がるのはウーヴァ公爵家の一番の応接室。そして、王家の皆様、セシリア女公爵にレオナルド・キーファー。後、ウーヴァ公爵家の使用人。いぶし銀の執事さんと、メイド長さん。王家にも二名付き添いがあるが、強面の大柄の男性と、きつそうな印象があるメイドさん。
ああ、戻ってきた、戻ってきたけど、情報過多過ぎて気持ち悪い。お腹が、気持ち悪い。
「ん? ウィンティア嬢、どうした? 黙り込んで」
オーガスト王太子殿下が首を傾げながら聞いてくる。あ、さっきのガチガチの緊張感が沸き上がる。
「父上がそんなことをおっしゃったら、幼いご令嬢はみな黙ってしまいますよ」
と、やんわりとレオンハルト殿下が言ってくれるが、あ、本当にお腹が痛い。これ、ストレスとか緊張とかじゃない気がしてきた。
だけど、言葉に出さないと、出さないと。
「はぁ、オーガスト王太子殿下、まだウィンティア嬢に発言の許可をお出しではないでしょう。彼女は忠実に礼儀を守ろうとしているのですよ」
私が緊張で話せないのを、セシリア女公爵が上手く誤魔化してくれる。
「おお、これは失念していたな。ローザ嬢、君の知ってる事を話してくれるか? 怒ったり、罰を与えるような事は決してしないと誓おう」
そこまで言ってくれるオーガスト王太子殿下。つまり、それだけリリーナ嬢の危機を回避したいんだろう。
ううっ、お腹が痛い、どんどん痛くなる。それに、身体中ぐるぐる気持ち悪いのが駆け抜ける。
上手く、言葉が出ない。
「ウィンティア嬢、どうされました? オーガスト王太子殿下は、貴女を罰するおつもりはないのですよ」
レオナルド・キーファーがそっと手を包み込んでくれる、そして、あれ? と首を傾げる。
「ウィンティア嬢、顔色が悪くないですか? どこかお具合が?」
確かに、具合悪いけど、これだけのメンバーが揃うのはもうないかもしれない。
さっき知った事実を伝えないと。可能性にしかないけど、伝えて備えてもらわないと。
『魔了』の魔女の事は信じてもらえないだろう、でも、それでも言わないと。
キャサリンを『魔了』の魔女が選ぶと、ルルディとカルメンがぶつかり。カルメンのあの赤毛の子爵令嬢を選んだら、スティーシュルラ様が犠牲になり、テヘロンとカルメンがぶつかり。
大惨事だ。
「あ、あのっ」
私が言葉を振り絞る。
「た、助けて、ください」
舌が回らない。
「リリーナ様とそのお母様を、助けて、スティーシュルラ様を、セレスティ公爵令嬢を、助けて、助けてっ」
「ウィンティア嬢、どうしました? 落ち着いてください」
必死に言葉を出す私。レオナルド・キーファーが異常を感じて抱き寄せてくる。
「ローザ嬢、もう少し分かるように」
「「お待ちください」」
オーガスト王太子殿下の言葉をぶったぎったのは、エリザベス妃殿下とセシリア女公爵だ。
「ローザ嬢の様子がおかしいですわ」
「顔色が悪すぎます。単なる緊張によるものではありません」
レオナルド・キーファーが肩を抱く腕に力が入る。
「ウィンティア嬢、どうされました?」
「あ、あ、助けて、助けて」
私はぐらぐらする身体のせいで上手く言葉が出ない。私はレオナルド・キーファーのシャツを握り締める。
「ナタリアが、ナタリアが刺される、助けて」
きっとナタリアは、私に関連して巻き込まれるはず。せっかく、父親の名誉回復して、これからまた人生がスタートするのに。せっかく、せっかく、せっかく。
あ、駄目だ、意識が。
レオナルド・キーファーの叫び声が響いた。
ああ、戻ってきた、戻ってきたけど、情報過多過ぎて気持ち悪い。お腹が、気持ち悪い。
「ん? ウィンティア嬢、どうした? 黙り込んで」
オーガスト王太子殿下が首を傾げながら聞いてくる。あ、さっきのガチガチの緊張感が沸き上がる。
「父上がそんなことをおっしゃったら、幼いご令嬢はみな黙ってしまいますよ」
と、やんわりとレオンハルト殿下が言ってくれるが、あ、本当にお腹が痛い。これ、ストレスとか緊張とかじゃない気がしてきた。
だけど、言葉に出さないと、出さないと。
「はぁ、オーガスト王太子殿下、まだウィンティア嬢に発言の許可をお出しではないでしょう。彼女は忠実に礼儀を守ろうとしているのですよ」
私が緊張で話せないのを、セシリア女公爵が上手く誤魔化してくれる。
「おお、これは失念していたな。ローザ嬢、君の知ってる事を話してくれるか? 怒ったり、罰を与えるような事は決してしないと誓おう」
そこまで言ってくれるオーガスト王太子殿下。つまり、それだけリリーナ嬢の危機を回避したいんだろう。
ううっ、お腹が痛い、どんどん痛くなる。それに、身体中ぐるぐる気持ち悪いのが駆け抜ける。
上手く、言葉が出ない。
「ウィンティア嬢、どうされました? オーガスト王太子殿下は、貴女を罰するおつもりはないのですよ」
レオナルド・キーファーがそっと手を包み込んでくれる、そして、あれ? と首を傾げる。
「ウィンティア嬢、顔色が悪くないですか? どこかお具合が?」
確かに、具合悪いけど、これだけのメンバーが揃うのはもうないかもしれない。
さっき知った事実を伝えないと。可能性にしかないけど、伝えて備えてもらわないと。
『魔了』の魔女の事は信じてもらえないだろう、でも、それでも言わないと。
キャサリンを『魔了』の魔女が選ぶと、ルルディとカルメンがぶつかり。カルメンのあの赤毛の子爵令嬢を選んだら、スティーシュルラ様が犠牲になり、テヘロンとカルメンがぶつかり。
大惨事だ。
「あ、あのっ」
私が言葉を振り絞る。
「た、助けて、ください」
舌が回らない。
「リリーナ様とそのお母様を、助けて、スティーシュルラ様を、セレスティ公爵令嬢を、助けて、助けてっ」
「ウィンティア嬢、どうしました? 落ち着いてください」
必死に言葉を出す私。レオナルド・キーファーが異常を感じて抱き寄せてくる。
「ローザ嬢、もう少し分かるように」
「「お待ちください」」
オーガスト王太子殿下の言葉をぶったぎったのは、エリザベス妃殿下とセシリア女公爵だ。
「ローザ嬢の様子がおかしいですわ」
「顔色が悪すぎます。単なる緊張によるものではありません」
レオナルド・キーファーが肩を抱く腕に力が入る。
「ウィンティア嬢、どうされました?」
「あ、あ、助けて、助けて」
私はぐらぐらする身体のせいで上手く言葉が出ない。私はレオナルド・キーファーのシャツを握り締める。
「ナタリアが、ナタリアが刺される、助けて」
きっとナタリアは、私に関連して巻き込まれるはず。せっかく、父親の名誉回復して、これからまた人生がスタートするのに。せっかく、せっかく、せっかく。
あ、駄目だ、意識が。
レオナルド・キーファーの叫び声が響いた。
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