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新たな展開⑤

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「頼るって。セシリア・ウーヴァを?」

「確かに彼女はキーパーソンですが、今回は彼女だけでは足りません」

 神様が手を振る。
 すると三人の人物が現れる。オーガスト王太子殿下、アサーヴ殿下、そして金髪の美しい貴婦人。あの女性は?

「いずれ彼女は貴女に接触します。決して敵ではありませんよ」

 心配しないで。

「まどかさん、異世界の貴女に頼ってばかりでごめんなさい。貴女なら、きっと戦火が広がり犠牲者が増えるのを思い悩むでしょう。彼らの力がそれを防ぐ事が可能です。助けを求めなさい」

 私は視線を赤い本に。
 あっ、事例九のサーナ・タチの名前がかなり薄くなってる。て、ことはアンジェリカ様の妊活が上手く言っているんだっ。

「あのアデレーナの事例がなくなりましたが、キリール・ザーデクが被害者として上がらないんですか?」

 気になっていたこと。
 だって赤い本には、被害者に死者が出た時に名前が記されるって。

「アデレーナの事例は、別の事例集に載ります。これはキリール・ザーデクが『魅了』された人物に直接手をかけられたわけではなく、委託殺人ですからね」

 と、赤い本より分厚い青い本が現れる。

「この事例に関してですが、結果は様々です。キリール・ザーデクのような被害者もいます。中には穏便に済む場合もあり、その場合は『魅了』の持ち主と被害者との意思を確認して、名前を伏されて記載されます。キャサリンの件もです。犠牲者に『魅了』された人物による死者が出なければ、この青い本に名前が載ります。もちろん、ウィンティアの事があるので、最低こちらの掲載は確実ですけどね」

 この青い本も禁書扱いだって。

「貴女の行動が、たくさんの人達を救っています。貴女を頼ってばかりでごめんなさい」

 神様は、私を抱き締める。

「数日間、貴女はこれから苦しむでしょう、肉体的にです。ウーヴァ公爵家にいれば、最善の治療が受けられます」

 どうか、身体を大切に、と、カレーパンの薫りを残して視界が変わった。
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