ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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友達②

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 グレン伯爵家内は落ち着いた感じのある屋敷内だ。
 まずは手土産を渡してから。いや、まず謝罪だ。

「ローザ家の人間がお騒がせして申し訳ありません」

「いいのよ。あらかじめ、ウーヴァ公爵様からご連絡を受けていたから」

 どんな説明をしたんだろう。
 わからないけど、ティアラ・シリーズはキスティ夫人の元に。

「まあ、嬉しいわ。お気遣いありがとうございます」

 ニコニコと受けとるキスティ夫人。

「ウィンティア嬢、本当に来てくださりありがとうございます」

「私こそお招き頂きありがとうございます。叔母の件も知りたかったので」

 そう。今回のお招きの真実。
 ずっと前に病死した、ウィンティアの叔母、ティアラ・ローザについて知りたい事があったから。
 ローザ伯爵家ではどうやら鬼門のようで、ナタリアが探りを入れたがわからなかった。ローザ伯爵家には何枚かの肖像画があるが、ティアラ・ローザと、ウィンティアの祖母ティーナ・ローザのものが一枚もない。資産のある貴族の家なら肖像画の一枚は、たしなみとしてあるはずなんだけど、一枚もない。もしかしたら、病死したティアラ・ローザを思い出すのが辛いとかかな?って思ってわけでもないけど。それにどうしてティーナ・ローザの肖像画がないか、だ。生物学上の両親に聞くのもしゃくだしね。
 もんもんとしていたら、グレン伯爵家のお茶会。なんとグレン伯爵家の末娘が、ティアラ・ローザの同級生。なので、キスティ夫人もティアラ・ローザを知っていた。だから、レオナルド・キーファーと一緒にいた私を見て内心びっくりしたそうだ。
 ウィンティアはどうやらティアラ・ローザにそっくりさんみたい。
 グレン伯爵家の娘、オブリィ・ナードゥ、旧姓オブリィ・グレンが私と合って話をしたい。オブリィ嬢は、ティアラ・ローザと仲良しだったみたい。なので、セシリア・ウーヴァ公爵から確認された。私の貴族社会のパイプにも出来るが、面識ゼロの叔母の話ばかりされる可能性があり、ウィンティアを話の出汁にされて終わる可能性があると。
 だけど、私は受けた。
 ティアラ・ローザの事が分かるからと。
 ここはゲームとは違う。だから、本当のティアラ・ローザと人となりを知りたかった。
 キャサリンが中途半端にあるゲームの知識で、自分はローザ伯爵家のたった一人の跡取りと思っていると言うことは、ウィンティアはローザ伯爵家に籍はないと思っているんじゃないかって。いずれ、キャサリンを叩く時に、向こうはこれを変な風に使ってた時に、ギャフンと言わせる為に遣り返す為に必要な情報が欲しい。
 数人の使用人が頭を下げた中の向こうから、一人の女性が現れた。
 大きなお腹を抱えた女性は、私を見ると、目に一杯に涙を浮かべた。
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