ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには？

ウーヴァ公爵の事情④

「控えなさいアンジェリカ」

「お母様に任せていたら話が進まないでしょうっ」

　それいけアンジェリカ様っ。

「話は私がするわ、ウィンティア嬢、とにかくお座りなさい」

「今から出掛けますので」

　まずは新聞社、デルタさんね。それから腕利きの弁護士さんを紹介してもらって。

「私、セシリア・ウーヴァが、ナタリア・ザーデクの後見になると言っても？」

　信じられない。
　おもいっきり顔に出す。

「信じられないのね？」

「はい」

「言っておくけど、王都新聞の記者を頼るだろうけど、デルタだったかしら？　消されるわよ」

　ドキイッ
　な、なんで知ってるの？
　あっ、『影』かっ。

「もしくは彼経由で紹介された弁護士もね」

　セシリア・ウーヴァ女公爵は資料を示す。

「ティーシモン・バズルは既にキリール・ザーデクの殺人教唆をしている。ゾーヤ・グラーフと一緒になるためにね。現役の騎士でも殺害したのよ？　彼らに防ぐ手はあると思って？　それに肝心のナタリア嬢と、幼い弟達を見逃すと？　そんな甘いわけがないでしょう」

　ぐっ、正論っ。

「ウィンティア・ローザ」

　セシリア・ウーヴァ女公爵が優雅に立ち上がる。しっかり私を見て。

「私、セシリア・ウーヴァはアデレーナ・グラーフ、キリール・ザーデクに関連した事件の真相を暴き出し、ゾーヤ・グラーフ、ティーシモン・バズル、及びグラーフ伯爵の罪をつまみ開きにするために、ナタリア・ザーデクの後見となら、その弟である、ヴァレリー・ザーデク、マルティン・ザーデクを守ることを誓います」

　あ、さっき神様が見せたセシリア・ウーヴァ女公爵の姿が重なる。

「何故？　と、思うでしょう。旨味がないと思うでしょう。だがら私は貴女に、私にとって価値ある行動を要求します」

「こ、行動？」

　なんだか、嫌な予感っ。

「レオナルドよ。あの子に生きてルルディに帰って来たいと思わせなさい」

「はあっ？」