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準備③
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なんで来てるのこの人達?
セシリア・ウーヴァと婿養子のハインリヒ様とアンジェリカ様が。あ、アンジェリカ様は会いたかった。だってガーデンパーティーの依頼だし、まともにお礼も言えてなかったから。
生物学上の父親は、資料を座布団、クッションの下に隠して私に確認した。でも、断れるわけない、相手はルルディの貴族の最高峰にいるんだから。
それにさっきの声のかけ方から、話の内容の断片は分かっているはず。
私は考えた。
結果、私が頭を下げて、ナタリアの後見にウーヴァ公爵に、後見になってもらえるようにお願いしよう。色々思うが、最優先はナタリア達なんだから。
生物学上の両親に頷いて、上の三人がやって来た。あのいぶし銀執事さんもだ。
私はソファーから立ち上がりぺこり。癖になり、テヘロン式ね。生物学上のぺこり。ナタリアはスカートを摘まんでお辞儀。これが正式なものなんだろうね。
で、入ってきたのを確認したら、いきなりアンジェリカ様がぎゅっ、と抱きしめてきた。うわあっ、予想以上にボリュームがっ。しかもウエスト、細いっ。
「もうっ、心配したのよっ」
あ、なんだろ、すごく嬉しい。
ぎゅっ、てされるなんて、いつぶりだろう? 人の暖かさが伝わり、すごく安心する。安心するんだけど、ボ、ボリューム満点の二つのメロンパンに挟まれて私はもがく。
「アンジェリカ、落ち着きなさい」
セシリア・ウーヴァ女公爵が嗜めて、生物学上の父親が上座のソファーを進められて着席。
私はアンジェリカ様から解放されるが、「本当に大丈夫なのよね? 怪我はどうなの?」と聞かれる。心配性なお姉さんだ。
「はい、大丈夫です。アンジェリカ様。ご心配おかけしました」
「いいのよ」
アンジェリカ様は上座から見て左手の方のソファーに父親と着席。右手のソファーには生物学上の両親。セシリア・ウーヴァ女公爵と対面するような一人用ソファーに私が着席。
「まずは、ウィンティア嬢の顔を…………」
難しい言葉が続くが、無事で良かったね、で、いいんだよね。それに生物学上の両親が対応している。
「で、先程は盗み聞きをするつもりではなかったのですが、あまりにも物騒なお話のようね。ローザ伯爵で太刀打ち出来ないようなお相手なのかしら?」
聞きながら、私は今までの情報をまとめる。
現在、ナタリア達の父親の件は、ローザ伯爵がバックについてもどうしようもない。警ら、つまりルルディ王国でも治安維持の為の一大組織だ。騎士隊とは違うが、市民の生活に密着し、身近な存在として町に馴染んでいる。私が馬車から飛び降りた時に対応してくれた警らの人達はすごく親戚で優しかった。
ローザ伯爵のルルディ王国貴族内の立ち位置、中堅って所だ。資産的には侯爵レベルらしいが、キャサリンがやらかしたおかけで、この位置ね。
これだけの資料があって、ローザ伯爵の後見でダメならば、もっと上位貴族にお願いするしかない。
目の前には、ルルディ王国王太子殿下、オーガスト王太子殿下の唯一の従姉、ルルディ王国内の貴族の頂点に立つセシリア・ウーヴァ女公爵がいる。
お願いしてからと言って、この人助けてくれるんだろうか? 私の事でウーヴァ公爵の『影』を使ってまで探した理由は、きっと私にのこされた、ティーナ夫人の権利なんだろうけど。
そんなこと、言ってられない。
うだうだ言ってられない。
最優先は、ナタリア達だ。
私は腹を括った瞬間、周りが白一色ななった。
セシリア・ウーヴァと婿養子のハインリヒ様とアンジェリカ様が。あ、アンジェリカ様は会いたかった。だってガーデンパーティーの依頼だし、まともにお礼も言えてなかったから。
生物学上の父親は、資料を座布団、クッションの下に隠して私に確認した。でも、断れるわけない、相手はルルディの貴族の最高峰にいるんだから。
それにさっきの声のかけ方から、話の内容の断片は分かっているはず。
私は考えた。
結果、私が頭を下げて、ナタリアの後見にウーヴァ公爵に、後見になってもらえるようにお願いしよう。色々思うが、最優先はナタリア達なんだから。
生物学上の両親に頷いて、上の三人がやって来た。あのいぶし銀執事さんもだ。
私はソファーから立ち上がりぺこり。癖になり、テヘロン式ね。生物学上のぺこり。ナタリアはスカートを摘まんでお辞儀。これが正式なものなんだろうね。
で、入ってきたのを確認したら、いきなりアンジェリカ様がぎゅっ、と抱きしめてきた。うわあっ、予想以上にボリュームがっ。しかもウエスト、細いっ。
「もうっ、心配したのよっ」
あ、なんだろ、すごく嬉しい。
ぎゅっ、てされるなんて、いつぶりだろう? 人の暖かさが伝わり、すごく安心する。安心するんだけど、ボ、ボリューム満点の二つのメロンパンに挟まれて私はもがく。
「アンジェリカ、落ち着きなさい」
セシリア・ウーヴァ女公爵が嗜めて、生物学上の父親が上座のソファーを進められて着席。
私はアンジェリカ様から解放されるが、「本当に大丈夫なのよね? 怪我はどうなの?」と聞かれる。心配性なお姉さんだ。
「はい、大丈夫です。アンジェリカ様。ご心配おかけしました」
「いいのよ」
アンジェリカ様は上座から見て左手の方のソファーに父親と着席。右手のソファーには生物学上の両親。セシリア・ウーヴァ女公爵と対面するような一人用ソファーに私が着席。
「まずは、ウィンティア嬢の顔を…………」
難しい言葉が続くが、無事で良かったね、で、いいんだよね。それに生物学上の両親が対応している。
「で、先程は盗み聞きをするつもりではなかったのですが、あまりにも物騒なお話のようね。ローザ伯爵で太刀打ち出来ないようなお相手なのかしら?」
聞きながら、私は今までの情報をまとめる。
現在、ナタリア達の父親の件は、ローザ伯爵がバックについてもどうしようもない。警ら、つまりルルディ王国でも治安維持の為の一大組織だ。騎士隊とは違うが、市民の生活に密着し、身近な存在として町に馴染んでいる。私が馬車から飛び降りた時に対応してくれた警らの人達はすごく親戚で優しかった。
ローザ伯爵のルルディ王国貴族内の立ち位置、中堅って所だ。資産的には侯爵レベルらしいが、キャサリンがやらかしたおかけで、この位置ね。
これだけの資料があって、ローザ伯爵の後見でダメならば、もっと上位貴族にお願いするしかない。
目の前には、ルルディ王国王太子殿下、オーガスト王太子殿下の唯一の従姉、ルルディ王国内の貴族の頂点に立つセシリア・ウーヴァ女公爵がいる。
お願いしてからと言って、この人助けてくれるんだろうか? 私の事でウーヴァ公爵の『影』を使ってまで探した理由は、きっと私にのこされた、ティーナ夫人の権利なんだろうけど。
そんなこと、言ってられない。
うだうだ言ってられない。
最優先は、ナタリア達だ。
私は腹を括った瞬間、周りが白一色ななった。
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