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真実③
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「話を端的にするが、キャサリン・ローザは拘束された」
当然でしょうね。
その拘束されるまでの間に、よく分からない展開になったそうだ。
アサーヴ殿下とスティーシュルラ様は、プライベートな居住区にいたため、護衛は一人と、侍女二名でのんびりお庭でお茶をしていたそうだ。当時まだ公式行事に参加できる年齢でなかったアサーヴ殿下と、当時私と同い年のスティーシュルラ様。
で、キャサリンは秘密の通路を逆走し、お茶を楽しんでいたお二人の前に嬉々として飛び出した。
「アサーヴ殿下っ、はじめましてっ、わたくし、ティーナ・ローザの孫娘、キャサリン・ローザですわっ」
ドレスを翻し、突進してきたそうだ。
…………………………………不敬じゃないの? これ? とんでもなく不敬じゃないの?
本来は入城を許されない日に強引に入り、待機の指示を無視。王族が住まい、秘匿されている通路を逆走し、居住区域に侵入。そして王族、つまりアサーヴ殿下とスティーシュルラ様に接近。
「キャサリンは、よく、切り殺されませんでしたね」
現代日本ではあり得ないが、昔は無礼打ちとかあったはず。それに相当するんじゃない?
「私が指示を出した。殺すな、とな」
当時まだ幼いスティーシュルラ様の前で、斬殺を見せたくなかったのが最大の理由だそうだ。
「どうやって私達の庭に侵入したか、その真意を聞き出さなくてはならなかったからね」
真意。
かいつまんでアサーヴ殿下が説明してくれる。
キャサリンはアサーヴ殿下やスティーシュルラ様の暗殺とかの疑いをかけられた。そりゃ、そうだわな。いきなり王位継承権の高いアサーヴ殿下の前に、飛び出して来たのならね。もしかしたら、ルルディからの刺客と思われても仕方なかった。
おもいっきり国際問題じゃん。
「キャサリン・ローザはみっともなく泣き叫び、私に助けを求めたが、無視した」
当然ですよね。お二人の避難が先よね。
護衛の騎士がキャサリンを拘束、侍女さんによりお二人は避難。
「騒ぎはすぐに父や母達に知らされ、ローズマリー勲章の授与式は中止。正直、あの時のキャサリン・ローザの行動はいまでも理解出来ない。ティーナ夫人の孫娘だと言うなら、何故、彼女の名誉を守ろうとしないのか、何故王族が住まう城で自分勝手に出来るのか。それがどう繋がるのか、貴族令嬢であるキャサリン・ローザが理解していないのか」
永遠の謎、とアサーヴ殿下。
貴族っていうのは色々役割があるけど、この場合、ルルディ王国の代表みたいなものだ。ローズマリー勲章は、テヘロン王国が、外国人に与える名誉な勲章。
その時はルルディ王国のローザ伯爵が継続して尽力していた、ウィンター・ローズ村の発展に対してのもの。
代表としてローザ伯爵夫妻が出席したが、テヘロン王国国王夫妻の前にでるんだから、ルルディ王国からも大使や外交官が付いた。当然、ルルディ王国貴族ローザ伯爵は国の代表として見られていた。
そんなときに実の娘が、秘匿されているはずの通路に入り、アサーヴ殿下とスティーシュルラ様に接近。
テヘロンにしてみたら、悪い方に受け取った。
「私やスティーシュルラの暗殺を疑われたローザ夫妻は、必死に否定と謝罪を繰り返した」
まあ、そうだよね。
「その謝罪の最中だ、ローザ夫人が突然苦しみだした」
当然でしょうね。
その拘束されるまでの間に、よく分からない展開になったそうだ。
アサーヴ殿下とスティーシュルラ様は、プライベートな居住区にいたため、護衛は一人と、侍女二名でのんびりお庭でお茶をしていたそうだ。当時まだ公式行事に参加できる年齢でなかったアサーヴ殿下と、当時私と同い年のスティーシュルラ様。
で、キャサリンは秘密の通路を逆走し、お茶を楽しんでいたお二人の前に嬉々として飛び出した。
「アサーヴ殿下っ、はじめましてっ、わたくし、ティーナ・ローザの孫娘、キャサリン・ローザですわっ」
ドレスを翻し、突進してきたそうだ。
…………………………………不敬じゃないの? これ? とんでもなく不敬じゃないの?
本来は入城を許されない日に強引に入り、待機の指示を無視。王族が住まい、秘匿されている通路を逆走し、居住区域に侵入。そして王族、つまりアサーヴ殿下とスティーシュルラ様に接近。
「キャサリンは、よく、切り殺されませんでしたね」
現代日本ではあり得ないが、昔は無礼打ちとかあったはず。それに相当するんじゃない?
「私が指示を出した。殺すな、とな」
当時まだ幼いスティーシュルラ様の前で、斬殺を見せたくなかったのが最大の理由だそうだ。
「どうやって私達の庭に侵入したか、その真意を聞き出さなくてはならなかったからね」
真意。
かいつまんでアサーヴ殿下が説明してくれる。
キャサリンはアサーヴ殿下やスティーシュルラ様の暗殺とかの疑いをかけられた。そりゃ、そうだわな。いきなり王位継承権の高いアサーヴ殿下の前に、飛び出して来たのならね。もしかしたら、ルルディからの刺客と思われても仕方なかった。
おもいっきり国際問題じゃん。
「キャサリン・ローザはみっともなく泣き叫び、私に助けを求めたが、無視した」
当然ですよね。お二人の避難が先よね。
護衛の騎士がキャサリンを拘束、侍女さんによりお二人は避難。
「騒ぎはすぐに父や母達に知らされ、ローズマリー勲章の授与式は中止。正直、あの時のキャサリン・ローザの行動はいまでも理解出来ない。ティーナ夫人の孫娘だと言うなら、何故、彼女の名誉を守ろうとしないのか、何故王族が住まう城で自分勝手に出来るのか。それがどう繋がるのか、貴族令嬢であるキャサリン・ローザが理解していないのか」
永遠の謎、とアサーヴ殿下。
貴族っていうのは色々役割があるけど、この場合、ルルディ王国の代表みたいなものだ。ローズマリー勲章は、テヘロン王国が、外国人に与える名誉な勲章。
その時はルルディ王国のローザ伯爵が継続して尽力していた、ウィンター・ローズ村の発展に対してのもの。
代表としてローザ伯爵夫妻が出席したが、テヘロン王国国王夫妻の前にでるんだから、ルルディ王国からも大使や外交官が付いた。当然、ルルディ王国貴族ローザ伯爵は国の代表として見られていた。
そんなときに実の娘が、秘匿されているはずの通路に入り、アサーヴ殿下とスティーシュルラ様に接近。
テヘロンにしてみたら、悪い方に受け取った。
「私やスティーシュルラの暗殺を疑われたローザ夫妻は、必死に否定と謝罪を繰り返した」
まあ、そうだよね。
「その謝罪の最中だ、ローザ夫人が突然苦しみだした」
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