137 / 338
真実①
しおりを挟む
事の起こりは四年前、いやもう五年まうになった。
ローザ伯爵が営んでいるセーレ商会に、テヘロン王国からローズマリー勲章を、と言う話しになった。元々これはティーナ夫人個人に授与される予定だったが、毒殺されたこと、ウィンティアに対するネグレクト、感謝祭における暴力が表沙汰になり断念。それからローザ伯爵家は、『魅了』による後遺症に苦しみながら伯爵夫妻は、ティーナ夫人が行っていた事業を引き継ぎ、発展に尽力を尽くした。
「それで再びローズマリー勲章を、個人ではなく、ティーナ夫人の意思を引き継いだ、セーレ商会に、となった
」
そうだった。
あの時、生物学上の両親は、テヘロンに行くのを悩んでいた。そろそろウィンター・ローズ村にも現地調査をしなくてはいけない時期にはなっていた。ただ、受賞となると少し滞在を延期しなくてらない。まだ、私がコクーン修道院から戻って来て間もない時期だったしね。
悩んだ結果、ローズマリー勲章を、受賞のために夫妻はテヘロンに。今まで頑張ってくれた商会の人達に報いたいし、ティーナ夫人の墓前にローズマリー勲章を供えたい。そんな気持ちがあった。
いざ、準備をして出発する際に、キャサリンが自分も行くと駄々をこねた。仕事で行くのであり、異国テヘロン在中は夫妻とも過密スケジュールの為に、わがまま娘まで気をかけていられない。しかも、ローズマリー勲章があるから余計に。
言って聞く訳がない。しまいには当時八歳のウィンティアにまで理不尽な八つ当たりを始めたそうだ。ウィンティアはキャサリンを無視していたし、他の使用人がガードしていたから、事なきを得たが。
だが、このままキャサリンを残して、ウィンティアに何かやらかすのを恐れて、後日数人の世話役の使用人と共に船にのせた。近くで監視した方がいいだろうと。
で、いざ、テヘロンに着いたら、毎日キャサリン、つまりルルディ国の人間、特に子供は珍しいので、注目の的。それでキャサリンは気をよくしたようだったが、毎日の様に新しいドレスを欲しがった。
自分は見られているんだから、同じ服なんて、恥ずかしい、と。すでにこの頃から今の原形が見えてる。
のらりくらりとかわして、いよいよローズマリー勲章の受賞の日。
本来ならホテル待機のキャサリンが自分も行くと大騒ぎ。受賞式は王城で行われ、テヘロン王国からも重鎮や高位貴族、他国からの社会的に地位の高い参列者が集まる。なので、受賞対象ではないキャサリンは、王城には入れない。本来ならちゃんと手続きしたら、一番外辺りには庭園とかサロンとか入れるけど、その日は受賞式があるため入れない。
あまりにもひどく泣きわめくその大騒ぎに、とうとう随行したルルディとテヘロンの外交官が、一番城の外れにあるサロンに、キャサリンをいれることにした。外交官達の妻まで駆り出され、キャサリンの監視、ドアには二名の騎士を配属した。
………………………………………
キャサリンはマナー違反女だと思っていたが、いくらなんでも配慮が足りない。
王族がいる城で、今日は入れないって言われても入りたいとか、言っていいわけ? ニ、三歳の子供が母親と離れたくないからって泣くのとは訳が違う。当時キャサリンは十一歳、言って分からない年ではないはず。しかも貴族として教育だってやっているはずなのに。
おそらく騒いだ理由は、生物学上の両親が王城に入れるのに、自分だけ入れないのはずるい、とか思ったんたじゃない?
「まさにそうだったようだ。何故自分だけお城に行けない? お父様やお母様だけずるい、と、それは手がつけられないほど騒いそうだ」
本当に、キャサリンって、貴族教育されてるわけ?
ローザ伯爵が営んでいるセーレ商会に、テヘロン王国からローズマリー勲章を、と言う話しになった。元々これはティーナ夫人個人に授与される予定だったが、毒殺されたこと、ウィンティアに対するネグレクト、感謝祭における暴力が表沙汰になり断念。それからローザ伯爵家は、『魅了』による後遺症に苦しみながら伯爵夫妻は、ティーナ夫人が行っていた事業を引き継ぎ、発展に尽力を尽くした。
「それで再びローズマリー勲章を、個人ではなく、ティーナ夫人の意思を引き継いだ、セーレ商会に、となった
」
そうだった。
あの時、生物学上の両親は、テヘロンに行くのを悩んでいた。そろそろウィンター・ローズ村にも現地調査をしなくてはいけない時期にはなっていた。ただ、受賞となると少し滞在を延期しなくてらない。まだ、私がコクーン修道院から戻って来て間もない時期だったしね。
悩んだ結果、ローズマリー勲章を、受賞のために夫妻はテヘロンに。今まで頑張ってくれた商会の人達に報いたいし、ティーナ夫人の墓前にローズマリー勲章を供えたい。そんな気持ちがあった。
いざ、準備をして出発する際に、キャサリンが自分も行くと駄々をこねた。仕事で行くのであり、異国テヘロン在中は夫妻とも過密スケジュールの為に、わがまま娘まで気をかけていられない。しかも、ローズマリー勲章があるから余計に。
言って聞く訳がない。しまいには当時八歳のウィンティアにまで理不尽な八つ当たりを始めたそうだ。ウィンティアはキャサリンを無視していたし、他の使用人がガードしていたから、事なきを得たが。
だが、このままキャサリンを残して、ウィンティアに何かやらかすのを恐れて、後日数人の世話役の使用人と共に船にのせた。近くで監視した方がいいだろうと。
で、いざ、テヘロンに着いたら、毎日キャサリン、つまりルルディ国の人間、特に子供は珍しいので、注目の的。それでキャサリンは気をよくしたようだったが、毎日の様に新しいドレスを欲しがった。
自分は見られているんだから、同じ服なんて、恥ずかしい、と。すでにこの頃から今の原形が見えてる。
のらりくらりとかわして、いよいよローズマリー勲章の受賞の日。
本来ならホテル待機のキャサリンが自分も行くと大騒ぎ。受賞式は王城で行われ、テヘロン王国からも重鎮や高位貴族、他国からの社会的に地位の高い参列者が集まる。なので、受賞対象ではないキャサリンは、王城には入れない。本来ならちゃんと手続きしたら、一番外辺りには庭園とかサロンとか入れるけど、その日は受賞式があるため入れない。
あまりにもひどく泣きわめくその大騒ぎに、とうとう随行したルルディとテヘロンの外交官が、一番城の外れにあるサロンに、キャサリンをいれることにした。外交官達の妻まで駆り出され、キャサリンの監視、ドアには二名の騎士を配属した。
………………………………………
キャサリンはマナー違反女だと思っていたが、いくらなんでも配慮が足りない。
王族がいる城で、今日は入れないって言われても入りたいとか、言っていいわけ? ニ、三歳の子供が母親と離れたくないからって泣くのとは訳が違う。当時キャサリンは十一歳、言って分からない年ではないはず。しかも貴族として教育だってやっているはずなのに。
おそらく騒いだ理由は、生物学上の両親が王城に入れるのに、自分だけ入れないのはずるい、とか思ったんたじゃない?
「まさにそうだったようだ。何故自分だけお城に行けない? お父様やお母様だけずるい、と、それは手がつけられないほど騒いそうだ」
本当に、キャサリンって、貴族教育されてるわけ?
90
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる