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邪魔④
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キズが随分いい。
あの後、学園に帰り、寮母に警らの女性が説明すると、それは驚かれた。
毎日、お風呂の後に軟膏を塗ってくれた。
「瘡蓋になりましたね。無理に剥がしてはダメですよ」
「はい、ありがとうございます」
私が馬車から飛び降りた事が新聞に載った。でも名前は伏され、しかも小さい記事だった。私がまだ十二だから、あまり騒がないように配慮されたんだろうって、マクガレル先生が言ってた。なので知っているのはごく僅かだ。
ただ、寮のお風呂場で、上級生がまだ生々しいキズの時を見てびっくりされたけど。笑って誤魔化した。心配性なのか、優しいのか、時々様子を伺って来たけど、きれいに瘡蓋になり、ほっとしていた。まだ、あちこち青アザあるけどね。
で、その馬車が遅れた件だけど、やっぱりキャサリンがどっぷり関わっていた。
あの使用人と馭者にこう言った。
「かわいい妹の為に、サプライズをしようと思うの。レオナルド様の準備があるから、14時過ぎに西公園の正面入口に来てくれる? それまで、うまく誤魔化してね」
と、見た目お人形さんのキャサリンが小首傾げて言ったそうで、丸々信じたそうだ。
で、時間稼ぎをしている間に、ウーヴァ公爵家に向かい、レオナルド・キーファーに接触。ウィンティアからの大事なものを預かっていると、ね。それからウィンティアのユミル学園で、どんな風にレオナルド・キーファーについて言っているかとか、実際の成績とか、誰と親しいかとかね。
あまりにもひつこいので、仕方なく、レオナルド・キーファーが従者を従えて、ウーヴァ公爵家敷地の外で接触。当然べたべたしてきた、私の事とは何かと聞いても
、のらりくらりとかわし、べたべたべたべた。
で、やっと私は学園の補習で遅れると伝えると、レオナルド・キーファーは首を傾げる。
「ウィンティア嬢は準特進クラスですよね? それで補習? 本当ですか?」
「ふふっ、ご存知ないんですね。あの子は山勘はって試験をクリアしただけですわよ。ボロが出てしまったのですわ」
ころころ笑うキャサリン。
「今まで田舎暮らししていたあの子が、実力で、準特進なんて入れるわけがございませんわ」
そこでやっぱり私が、キャサリンの何かしらの悪意にさらされていると実感。そこにローザ伯爵家から執事が駆け込んで来た。
私がこちらに直接来ていないか、と。
時間になっても帰って来ない私を、ローザ伯爵家がまさかと思ってウーヴァ公爵家に確認に来たそうで、やっと私が行方不明だと判明。
「私なら、あの子がどこに何時に現れるか分かりますわ。だってこれはサプライズですもの」
「ふざけないで頂けます?」
流石にレオナルド・キーファーも怒りを露にした。べたべたしていたキャサリンを引き剥がしたそうだ。
「お耳を貸していただけます?」
「そこからでお願いします」
一定距離をおいたレオナルド・キーファーに、近付かないと教えないと言うキャサリン。だが、嫌な予感がしたレオナルドだが、私の所在知りたさに、少しだけ近付いた。
だけど、案の定キャサリンが絡み付くように、しなだれかかり。
ぷしゅっ
「きゃっ、ごめんなさい香水がっ。あの子なら、14時過ぎに西公園に来ますわよ。花時計が一番綺麗な時間で待ってると思いますわ」
だってさ。
レオナルド・キーファーは香水をかけられたけど、着替える余裕がなく、西公園に走った。その頃、私は馬車から飛び降りた。
ローザ伯爵は、父親が学園までの道を別の馬車で走らせ、屋敷で待機していた母親が警らから報せを受けた。
で、キャサリンは全く反省はなし、私にサプライズをしてあげたのに、と相変わらずの上から目線だ。だが、私が行方不明だと勘違いされて騒ぎになったのに。ローザ伯爵がどのような対応をするんだろう。いい加減にして欲しいんだけど。
報告はローザ伯爵家の手紙からの内容だ。レオナルド・キーファーからも来たが開けてない。机の下の引き出しに入れてる。
だいたい、キャサリンが来た時点で、私を探さないとね。それをしなかったのは、向こうの落ち度だよ。散々キャサリンの妨害されただろうに。
これが事の顛末だ。
レオナルド・キーファーに対してだけど、やっぱり距離を置きたい。痛い目に合ったし、やっぱり馬車でつれ回されて恐かったのは確かだ。あのペーパーナイフがなかったら、私は混乱してパニックになっていたかも。
あの香水プンプンで来られて、ものすごく嫌な気分になったし、思い出しても嫌だ。シャンプーで微かに香る程度ならいいけど、鼻に付くような匂い。
思い出しても嫌だ。
あの後、学園に帰り、寮母に警らの女性が説明すると、それは驚かれた。
毎日、お風呂の後に軟膏を塗ってくれた。
「瘡蓋になりましたね。無理に剥がしてはダメですよ」
「はい、ありがとうございます」
私が馬車から飛び降りた事が新聞に載った。でも名前は伏され、しかも小さい記事だった。私がまだ十二だから、あまり騒がないように配慮されたんだろうって、マクガレル先生が言ってた。なので知っているのはごく僅かだ。
ただ、寮のお風呂場で、上級生がまだ生々しいキズの時を見てびっくりされたけど。笑って誤魔化した。心配性なのか、優しいのか、時々様子を伺って来たけど、きれいに瘡蓋になり、ほっとしていた。まだ、あちこち青アザあるけどね。
で、その馬車が遅れた件だけど、やっぱりキャサリンがどっぷり関わっていた。
あの使用人と馭者にこう言った。
「かわいい妹の為に、サプライズをしようと思うの。レオナルド様の準備があるから、14時過ぎに西公園の正面入口に来てくれる? それまで、うまく誤魔化してね」
と、見た目お人形さんのキャサリンが小首傾げて言ったそうで、丸々信じたそうだ。
で、時間稼ぎをしている間に、ウーヴァ公爵家に向かい、レオナルド・キーファーに接触。ウィンティアからの大事なものを預かっていると、ね。それからウィンティアのユミル学園で、どんな風にレオナルド・キーファーについて言っているかとか、実際の成績とか、誰と親しいかとかね。
あまりにもひつこいので、仕方なく、レオナルド・キーファーが従者を従えて、ウーヴァ公爵家敷地の外で接触。当然べたべたしてきた、私の事とは何かと聞いても
、のらりくらりとかわし、べたべたべたべた。
で、やっと私は学園の補習で遅れると伝えると、レオナルド・キーファーは首を傾げる。
「ウィンティア嬢は準特進クラスですよね? それで補習? 本当ですか?」
「ふふっ、ご存知ないんですね。あの子は山勘はって試験をクリアしただけですわよ。ボロが出てしまったのですわ」
ころころ笑うキャサリン。
「今まで田舎暮らししていたあの子が、実力で、準特進なんて入れるわけがございませんわ」
そこでやっぱり私が、キャサリンの何かしらの悪意にさらされていると実感。そこにローザ伯爵家から執事が駆け込んで来た。
私がこちらに直接来ていないか、と。
時間になっても帰って来ない私を、ローザ伯爵家がまさかと思ってウーヴァ公爵家に確認に来たそうで、やっと私が行方不明だと判明。
「私なら、あの子がどこに何時に現れるか分かりますわ。だってこれはサプライズですもの」
「ふざけないで頂けます?」
流石にレオナルド・キーファーも怒りを露にした。べたべたしていたキャサリンを引き剥がしたそうだ。
「お耳を貸していただけます?」
「そこからでお願いします」
一定距離をおいたレオナルド・キーファーに、近付かないと教えないと言うキャサリン。だが、嫌な予感がしたレオナルドだが、私の所在知りたさに、少しだけ近付いた。
だけど、案の定キャサリンが絡み付くように、しなだれかかり。
ぷしゅっ
「きゃっ、ごめんなさい香水がっ。あの子なら、14時過ぎに西公園に来ますわよ。花時計が一番綺麗な時間で待ってると思いますわ」
だってさ。
レオナルド・キーファーは香水をかけられたけど、着替える余裕がなく、西公園に走った。その頃、私は馬車から飛び降りた。
ローザ伯爵は、父親が学園までの道を別の馬車で走らせ、屋敷で待機していた母親が警らから報せを受けた。
で、キャサリンは全く反省はなし、私にサプライズをしてあげたのに、と相変わらずの上から目線だ。だが、私が行方不明だと勘違いされて騒ぎになったのに。ローザ伯爵がどのような対応をするんだろう。いい加減にして欲しいんだけど。
報告はローザ伯爵家の手紙からの内容だ。レオナルド・キーファーからも来たが開けてない。机の下の引き出しに入れてる。
だいたい、キャサリンが来た時点で、私を探さないとね。それをしなかったのは、向こうの落ち度だよ。散々キャサリンの妨害されただろうに。
これが事の顛末だ。
レオナルド・キーファーに対してだけど、やっぱり距離を置きたい。痛い目に合ったし、やっぱり馬車でつれ回されて恐かったのは確かだ。あのペーパーナイフがなかったら、私は混乱してパニックになっていたかも。
あの香水プンプンで来られて、ものすごく嫌な気分になったし、思い出しても嫌だ。シャンプーで微かに香る程度ならいいけど、鼻に付くような匂い。
思い出しても嫌だ。
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