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ガーデンパーティー⑥
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挨拶は手短に終わった。
本日は親睦を深める意味もあるからね。
さ、ご飯だ、立食パーティーだ。
中庭に面した中等部で一番大きな食堂も解放されてる。
私はアンネと皿を持ち思い思いの料理を取る。
きゃっきゃっと楽しい。料理もどれも美味しいし。この香辛料を使ったチキンは、タンドリーチキンみたい。美味しい。
食べるのと、アンネや他のクラスメートとの話に夢中になってしまった。うむうむ、友達出来た感じだ。ウィンティアの七つの目標の一つクリアかな。
「ローザさん、デザートに行かない?」
「行きましょう」
うふふ。お友達。
デザート、デザート。う、人盛りが出来てる。
仕方ない、おしゃべりして人が引くのを待つ。
ふと、会場の隅で、一組の男女の姿を捉える。
褐色の肌を持つ、テヘロン人だ。
「あの人達は?」
テヘロン王国、いつか行きたい場所がある。
「あ、ローザさん知らない? 留学生よ、テヘロン王国からの。毎年いるって聞いたわ」
と、アンネが説明してくれる。
「へー」
ちら、と見ると、遠くからでも女子生徒が器量がいいのが分かる。男子生徒はこちらに背中を向けているけど、佇まいはぴん、としている。
「ローザさん、ローザさん」
と、小声で呼ぶのはクラス委員のロッティさん。彼女が準特進クラストップの成績。ちなみに副委員は私達の近くで マークと話している男子生徒。
「あまりじろじろ見ては失礼になるわ。あの方は、テヘロン王国の第三王女殿下よ」
えっ、そうなの? 確かにじろじろ見ては失礼だね。私は背中を向ける。
「ちなみにあの近くにいる男子は?」
「護衛の方よ。わざわざこの為に入学試験を突破したそうよ」
それは凄い。
テヘロン王国はテヘロン語を使うのは当然。ただ、ユミル学園に入学するには、共用語であるフア語で、試験を突破しなくてはならない。
それをやってのけたんだね。
凄いなあ。
王女殿下は特進クラス、護衛の方は一般の貴族クラスにいるそうだ。
「あ、ローザさん、デザート今なら行けそうよ」
「そうみたい。行きましょ」
私達はそそくさとデザートに向かう。
ミニサイズの果物が乗ったケーキ、ジャムを挟んだクッキー、ドライフルーツのパウンドケーキを選ぶ。
皆で楽しくデザートを選ぶ。
この時、気にもしてなかったけど、今後のウィンティアの学園生活と私生活に大きな影響を及ぼす事になる。
本日は親睦を深める意味もあるからね。
さ、ご飯だ、立食パーティーだ。
中庭に面した中等部で一番大きな食堂も解放されてる。
私はアンネと皿を持ち思い思いの料理を取る。
きゃっきゃっと楽しい。料理もどれも美味しいし。この香辛料を使ったチキンは、タンドリーチキンみたい。美味しい。
食べるのと、アンネや他のクラスメートとの話に夢中になってしまった。うむうむ、友達出来た感じだ。ウィンティアの七つの目標の一つクリアかな。
「ローザさん、デザートに行かない?」
「行きましょう」
うふふ。お友達。
デザート、デザート。う、人盛りが出来てる。
仕方ない、おしゃべりして人が引くのを待つ。
ふと、会場の隅で、一組の男女の姿を捉える。
褐色の肌を持つ、テヘロン人だ。
「あの人達は?」
テヘロン王国、いつか行きたい場所がある。
「あ、ローザさん知らない? 留学生よ、テヘロン王国からの。毎年いるって聞いたわ」
と、アンネが説明してくれる。
「へー」
ちら、と見ると、遠くからでも女子生徒が器量がいいのが分かる。男子生徒はこちらに背中を向けているけど、佇まいはぴん、としている。
「ローザさん、ローザさん」
と、小声で呼ぶのはクラス委員のロッティさん。彼女が準特進クラストップの成績。ちなみに副委員は私達の近くで マークと話している男子生徒。
「あまりじろじろ見ては失礼になるわ。あの方は、テヘロン王国の第三王女殿下よ」
えっ、そうなの? 確かにじろじろ見ては失礼だね。私は背中を向ける。
「ちなみにあの近くにいる男子は?」
「護衛の方よ。わざわざこの為に入学試験を突破したそうよ」
それは凄い。
テヘロン王国はテヘロン語を使うのは当然。ただ、ユミル学園に入学するには、共用語であるフア語で、試験を突破しなくてはならない。
それをやってのけたんだね。
凄いなあ。
王女殿下は特進クラス、護衛の方は一般の貴族クラスにいるそうだ。
「あ、ローザさん、デザート今なら行けそうよ」
「そうみたい。行きましょ」
私達はそそくさとデザートに向かう。
ミニサイズの果物が乗ったケーキ、ジャムを挟んだクッキー、ドライフルーツのパウンドケーキを選ぶ。
皆で楽しくデザートを選ぶ。
この時、気にもしてなかったけど、今後のウィンティアの学園生活と私生活に大きな影響を及ぼす事になる。
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