ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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ガーデンパーティー⑤

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 ガーデンパーティー当日。
 パーティー開始前、教室は賑わう。
 色とりどりのドレスを着た女子生徒がきゃっきゃっ言ってる。
 寮生がヘアメイクをしてもらっている。貴族クラスは、それぞれの家が美容師を派遣している。平民クラスは高等部の職人科の生徒がやってくれてる。
 私はナタリアが来てくれた。
 ガーデンパーティーは11時から14時までだ。
 お昼は立食パーティーね。楽しみだ。
 ナタリアが髪をアップにしてくれる。それから薄化粧まで。
 ウィンティアの基本的にはかわいいので、かわいいのだ。
 
「ありがとうナタリア」

「いいえお嬢様」

 ナタリアが満足した顔でうんうん言ってる。
 時間になり、私達はいつもよりビシッと決まっているダグラス先生が案内してくれる。
 ガーデンパーティーの会場は、中等部の学舎の中庭だ。本日は上級生はお休み。ユミル学園は、在校生は多い。首都には他に学校はあるが、学べるレベルが高いのはユミル学園になる。貴族は基本的にユミル学園に通うし、平民だって頑張り次第では就職先に恵まれる。

「あ、ローザさんっ」

 ピンクのドレスを着たアンネが手を振る。通学生は自宅で準備してから来る。
 私達、準特進クラスで固まる。みんな、かわいいなあ。うんうん。

「ローザさんのドレス、とっても素敵ね」

 と、アンネが誉めてくれる。

「ありがとう。アンネさんも素敵よ」

 どちらか言うと、かわいいかな。
 ピンク生地のドレスには襟に赤いリボンが飾っている。金髪はポニーテールにして赤いリボンをしている。

「そう? 従姉のおさがりなの」

 おさがり文化だしね。

「私もよ」

「えっ? お姉さんの?」

 ぎゅん、とクラスメート達が私の方に向く。
 私とキャサリンの中は絶対零度以下に冷えきっているのを、知っているからね。
 肩をすくめる私。

「まさか。別の方から頂いたの。わざわざリメイクのアドバイスまで頂いて」

「そうなんだ」

 ふー、と、元の位置に戻るクラスメート達。

「さあ、皆さん。ガーデンパーティーが始まりますよ」

 胸にコサージュを飾ったマクガレル先生が私達を促す。
 一段高い壇上に、学年主任の男性教諭が上がっていた。
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