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学園生活スタート⑥

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「それで、ペルク侯爵家から、我が家に丁寧な謝罪を頂いた」

 あのディミアって子のように、侯爵なんだぞって言わずに、私を突き飛ばした事を謝罪。
 どんな理由があるにしても、故意に怪我をさせようとしたからと。
 私とキャサリンとの関係は血のみ。私はディミア全くかかわり合いがないし、姉妹としての機能はない。
 もともと、私のお姉ちゃんは、みどりお姉ちゃんだけだしね。ウィンティア自身も、キャサリンを拒絶している。あれは赤の他人だ。
 その謝罪に来たペルク侯爵家の方はまともに思えるけど。

「それで、な、ウィンティア。ペルク侯爵家から菓子折りを頂いたのだが」

 知ってるよ。
 ゴニョゴニョと、生物学上の父親が事情説明する。わざわざペルク侯爵家から、同じ菓子折り頂いたそうだ。
 ペルク侯爵家との私に関する話は、キャサリンのこの件でややこしくなった。
 とんちんかんなキャサリンに、ペルク侯爵家もやや強気に出たみたい。
 お宅らがしっかり躾をしてたら、こうならなかったんじゃないってね。
 で、私が帰って来る前日まで話し合い。
 結果。

「謹慎中にディミア令嬢の考えを補正し、二度とこのような行動をしないことを誓約。ウィンティアへの謝罪は、謹慎明けに行う」

 謝罪の場は、このローザ伯爵家。
 予定としては、この謝罪の次の日に、レオナルド・キーファーとの面会はある。保留婚約者なんだから、そんなに熱心に会わなくてもいいのに。
 で、キャサリンについては、ディミア令嬢同様に全く反省はない。期間限定商品のアピールをして上げたと、上から目線。マルク令息も至近距離で迫って来たキャサリンに、嫌気が差したようだし。キャサリンをお茶会に誘うように仕向けた母親と姉達も、話を聞いて、手土産として手に入れようとした自分達の浅ましさに気がついたみたい。これに関しては、両方おとがめなし。

「ただ、キャサリンの行動が招いた原因の一つだから、キャサリンにしたらね。クラーラと話し合い、キャサリンがショックになるような事を仕置きと言う形で行うことにした」

 あの厳しいマナー教室の合宿にでもやるのかな?

「学園の新入生を歓迎するガーデンパーティーのドレスは、作らない事にした」

「はああぁぁぁ」

 私はあまりの軽い処罰にドスの効いたような声をあげる。
 たかが、ドレス一着作らないのか罰な訳? ふざけてない?
 ガーデンパーティーは聞いてるけど、学園でもドレスのレンタルできる。だって、ルルディ学園の大半は平民だからね。しかも、そのレンタルドレスだって、卒業生からの寄贈品。中には結構値が貼るものだってある。適宜学園高等部の被服科の生徒によるメンテナンスも行われている。それに貴族だって、ピンキリ。台所事情が厳しい所だってある。そう言った人達がレンタルする。貴族がレンタルって? それはルルディ王国、平民も貴族もおさがり文化が根付いているからだ。なので、レンタルするにも抵抗ないし、卒業生も下に同性の兄弟や親戚がいなければ、寄贈する。特に上級貴族には学園に寄贈する行為は美徳とされている。これはシスタースロウから聞きました。
 聞いた時、ルルディ王国のおさがり文化を大事にしているのならと共感した。
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