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学園生活スタート②

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 とんだ入学式の後から、学園生活がスタートした。
 
 ディミア・ペルク ニ週間の謹慎とする。

 あの入学式当日、私に突っ掛かって来た女子生徒の学園の処遇が張りだれた。
 貼り出すんだ。
 二週間も謹慎なんだ。重いように感じるけど。
 この貼り紙が出されて、私は他の生徒から奇妙な視線を浴びたけど、私には非はないからね。

「これって、重い処遇かな?」

 一緒に貼り紙を見たアンネに聞いてみる。
 あれから仲良くなって、よく一緒に行動している。

「さあ、私には分からないわ」

「そうだよね」

 そもそも、ローザ伯爵家とペルク侯爵家との話し合いの結果もまだ分からないし。
 今日はすべての授業が終わったし、帰るだけ。来週から本格的にクラブ活動や係が始まる。私は語学クラブに入り、係は園芸部にした。園芸って言っても、花壇とかの花の管理ではなく、ちゃんとした学園管理の畑がある。そこで、食堂で使用される野菜を栽培している。週に二回早朝と放課後にそれぞれ作業がある。時期により変わるそうだ。語学クラブは週に三回になる。
 先程、クラブや係の話が終わったばっかりだ。
 ぞろぞろと教室に移動する。
 帰り支度をして、ホームルームが終わり、マクガレル先生の挨拶にて終了。
 さて、帰ろかな。
 鞄を持ち、教室を出ようとすると、マクガレル先生に呼ばれる。
 アンネと顔を見合わせるが、きっと、謹慎処分となったディミアっていう女子生徒の事よね。

「アンネさん、また、明日ね」

「う、うん」

 遅くなると、ホームステイ先の叔父様が心配するだろうしね。
 ちら、ちら、と振り返るアンネを見送り、私はマクガレル先生の後に続いた。

 生徒指導室に案内される。
 パイプ椅子ではない、ちゃんとしたソファーのある、応接室だ。
 促されて、私はマクガレル先生の対面のソファーに。

「ローザさん、先日、貴女に言い掛かりを付けてきた女子生徒の件です」

「はい」

 やっぱりそうか。

「あの後、担任やペルク侯爵家の同席の上、話を聞きました」

 どうして、私に突っ掛かって来たか。
 まあ、だいたい、あれでしょ、マナー違反女、キャサリンでしょうよ。

「貴女のお姉さんに、婚約者を誘惑された、と」

 でしょうよ。
 しかし、話を聞くと、かなり怪しい感じだ。
 その話を聞いている時も、女子生徒が興奮したままで、話を纏めるのが大変だったみたい。
 あのキャサリンがどっかのお茶会に出た時に、女子生徒、ディミア・ペルクの婚約者と、それは仲良く仲良く話していたのを激しく勘違いしたようす。
 で、なんで、私に突っ掛かって来るんだよって。
 冷静に問いかけても興奮状態だし、ペルク侯爵家の人が言ってもダメだったそうだ。
 とにかく、キャサリンの関係者である私がいるって聞いて、いても経ってもいられず、教室に来たそうで。

「彼女には、反省の色が全くありませんでした」

 向こうの言い分は、とにかく、自分に謝罪しろの一点張り。こちらは侯爵なんだから、と言い張って。次の日も改めて聞いてもそんな感じ。
 ディミア・ペルクは首都に別宅を構えた、遠方に拠点を持つ侯爵。別宅より通っていたけど、その日は学園にお泊まりという名の監禁。別宅に帰り、なにやら吹き込まれて証言を撤回したら、処遇の判断が鈍るからと。

「それでもディミア・ペルクは変わらなかった。貴女を目の敵にするような発言が多数あり、短期間の謹慎では危険だと判断されての配慮です」

 ふう、とマクガレル先生がため息。

「どうやらディミア・ペルクの勘違いを、増長された結果があれです。このままでは健やかな学業を学べません。ですのでペルク侯爵家には、二週間で情報の処理、矯正をお願いしています。これが、ルルディ学園のディミア・ペルクの処遇となります」

「これは厳しいんですよね?」

「そうですね。二週間は長いです。たまに痴話喧嘩や、肩がぶつかったとかの小競り合いはあります。もちろん、双方の話を聞いてからの処遇ですが。被害者であるローザさんが、全く身に覚えがないことを、謝罪を要求した事を理解できていない、自分は間違ってないと思い込んでいます。この二週間でどうにもならなければ、延長の可能性はあります」

 そうなんだ。

「謹慎開けになれば、また、貴女に絡んで来たら、もしくはこの件で別の生徒が絡んで来たら、その生徒の名前を確認して、私に報告を」

「はい、マクガレル先生」

 謹慎二週間。
 反省の色が全くないから、この処遇らしいが。
 ローザ伯爵家とペルク侯爵家がどのような話し合いになるのかは、後日知ることになる。
 マルカさんとの定期面会日が、次の日曜日に組まれているため、ローザ伯爵家に戻らなくてはならないからだ。
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