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学園生活スタート①
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次の日の朝、私は早めに寮の食堂に。学生証を見せると、すんなり行く。
寮の食堂はメインを一つ選んで、他は好きに取れる。ふむ、本日のメインは白身魚とキノコのホイル焼き。後はバイキングのようにサラダバーやパンコーナー、ドリンクコーナーがある。
トレーを持ち、まずはキノコのホイル焼きを受け取り、次はサラダを適量、パンはくるみと全粒粉のロールパン、林檎の甘煮がのったデニッシュパン。パンはちょっと小さめだから三つも選んでしまった。ドリンクはオレンジジュース。豪華ホテル食事だ。
頂きます。
うん、美味しい。
向こうのテーブルに、がっちりとした男子学生のお皿にのせれた山盛りパンが気になる。吸い込まれるようなくなっていく。
うん、全部美味しかった。
トレーを返して、自室で歯磨きして、いざ、教室に。
入ると、一斉に視線が。
あ、昨日の事ね。
「あー、おはよう」
数人が返してくれる。
何だか気まずい。
席に着く。
「ローザさん、あれから大丈夫だった?」
早速、アンネが聞いてくる。
「怪我をしたわけじゃないしね。向こうに対しては、ローザ伯爵に任せたし、そのうち詳しい内容の報告が来るでしょうね」
「そうなんだ」
近くの生徒の耳がピクピクしている。
「な、なあ」
後ろから不安そうな声をかけられる。
振り返ると、声同様不安そうなマーク・ベルグが。
「俺の事、なんかいってた?」
「ベルグさんは心配いらないよ。大丈夫だって」
途端にほっとした顔になる。
マーク・ベルグは地方貴族で、爵位は男爵だって。
「ねえ、ローザさんはクラブ決めた? 私、文芸クラブにしようと思って」
文芸クラブって言うのは、読書クラブみたいなものね。どうやらアンネは本の虫みたい。
「私はね、語学クラブにしようと思っているんだ」
かろうじて分かるテヘロン語をしっかり身に付けたい。海の向こうにあるテヘロン王国には、ティーナ夫人が人生を注いだものがある。
ウィンター・ローズ
ティアラ・シリーズで重要な材料の産地だ。
ティーナ夫人はずいぶん昔に廃村寸前だった寂れたテヘロン王国の村を買い取り、住人にウィンター・ローズの栽培を任せた。初めはトラブルもあったそうだけど、今はその廃村も見違えるように人と活気に溢れ、村の名前も変わった。
まんま、ウィンター・ローズ村だ。
ウィンティアの名前も、一部使用されている薔薇は、とても地味な薔薇だ。なので、贈るには適さないが、加工したら抜群の香り。その加工技術は、企業秘密だ。
ティーナ夫人が存命中に、何度かウィンティアに話していた。
いつか、テヘロン王国にいきましょう。ウィンティアに見せたい場所があるのよ。
「テヘロン語、しっかり学んで、行きたい場所があるの」
「そうなんだ。ローザさん、しっかりしてるっ」
中身は二十歳の山岸まどかですからね。
「アンネさんは係どうするの?」
「私はしたいんだけど、叔父様が帰りが遅くなるからダメって」
しゅんとしている。
アンネは首都に母方の叔父が居を構えているので、そこにホームステイしていると。話を聞くと、どうもアンネの叔父様は子爵のようだ。爵位が継げるのは一人のみ。男子がいれば男子だ、よほどの問題児でさえなければね。アンネの叔父様はいい方みたい。係はせずにしっかり勉強しなさいって。生活は心配しなくていいって。
「いい叔父様じゃない」
「うん、お世話になってばかり」
「さあ、皆さん、集まりましたね。自己紹介にしますよ」
あ、マクガレル先生とダグラス先生だ。
私は口にチャックして、前を向いた。
寮の食堂はメインを一つ選んで、他は好きに取れる。ふむ、本日のメインは白身魚とキノコのホイル焼き。後はバイキングのようにサラダバーやパンコーナー、ドリンクコーナーがある。
トレーを持ち、まずはキノコのホイル焼きを受け取り、次はサラダを適量、パンはくるみと全粒粉のロールパン、林檎の甘煮がのったデニッシュパン。パンはちょっと小さめだから三つも選んでしまった。ドリンクはオレンジジュース。豪華ホテル食事だ。
頂きます。
うん、美味しい。
向こうのテーブルに、がっちりとした男子学生のお皿にのせれた山盛りパンが気になる。吸い込まれるようなくなっていく。
うん、全部美味しかった。
トレーを返して、自室で歯磨きして、いざ、教室に。
入ると、一斉に視線が。
あ、昨日の事ね。
「あー、おはよう」
数人が返してくれる。
何だか気まずい。
席に着く。
「ローザさん、あれから大丈夫だった?」
早速、アンネが聞いてくる。
「怪我をしたわけじゃないしね。向こうに対しては、ローザ伯爵に任せたし、そのうち詳しい内容の報告が来るでしょうね」
「そうなんだ」
近くの生徒の耳がピクピクしている。
「な、なあ」
後ろから不安そうな声をかけられる。
振り返ると、声同様不安そうなマーク・ベルグが。
「俺の事、なんかいってた?」
「ベルグさんは心配いらないよ。大丈夫だって」
途端にほっとした顔になる。
マーク・ベルグは地方貴族で、爵位は男爵だって。
「ねえ、ローザさんはクラブ決めた? 私、文芸クラブにしようと思って」
文芸クラブって言うのは、読書クラブみたいなものね。どうやらアンネは本の虫みたい。
「私はね、語学クラブにしようと思っているんだ」
かろうじて分かるテヘロン語をしっかり身に付けたい。海の向こうにあるテヘロン王国には、ティーナ夫人が人生を注いだものがある。
ウィンター・ローズ
ティアラ・シリーズで重要な材料の産地だ。
ティーナ夫人はずいぶん昔に廃村寸前だった寂れたテヘロン王国の村を買い取り、住人にウィンター・ローズの栽培を任せた。初めはトラブルもあったそうだけど、今はその廃村も見違えるように人と活気に溢れ、村の名前も変わった。
まんま、ウィンター・ローズ村だ。
ウィンティアの名前も、一部使用されている薔薇は、とても地味な薔薇だ。なので、贈るには適さないが、加工したら抜群の香り。その加工技術は、企業秘密だ。
ティーナ夫人が存命中に、何度かウィンティアに話していた。
いつか、テヘロン王国にいきましょう。ウィンティアに見せたい場所があるのよ。
「テヘロン語、しっかり学んで、行きたい場所があるの」
「そうなんだ。ローザさん、しっかりしてるっ」
中身は二十歳の山岸まどかですからね。
「アンネさんは係どうするの?」
「私はしたいんだけど、叔父様が帰りが遅くなるからダメって」
しゅんとしている。
アンネは首都に母方の叔父が居を構えているので、そこにホームステイしていると。話を聞くと、どうもアンネの叔父様は子爵のようだ。爵位が継げるのは一人のみ。男子がいれば男子だ、よほどの問題児でさえなければね。アンネの叔父様はいい方みたい。係はせずにしっかり勉強しなさいって。生活は心配しなくていいって。
「いい叔父様じゃない」
「うん、お世話になってばかり」
「さあ、皆さん、集まりましたね。自己紹介にしますよ」
あ、マクガレル先生とダグラス先生だ。
私は口にチャックして、前を向いた。
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