ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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やり直し?⑩

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 私は念の為に保健室に。
 大丈夫なのに。
 マクガレル先生が付き添ってくれた。
 色々話を聞かれたけど、無事釈放される。

「ローザさん、私達が教室を離れたばかりに申し訳ありません」

「あ、いえ、マクガレル先生のせいではないですよ。怪我をしたわけではないですし」

 私の答えに、マクガレル先生がほっとした顔。

「時期にローザ伯爵家ご夫婦がいらっしゃいます」

「来ているんですか?」

 マクガレル先生の頭に?が浮かぶ。
 あ、そっか、一応生物学上の娘の入学式だからね。

「今日の件で、今後の話をしなければならないでしょう?」

 そっか、突き飛ばされたし。
 向こうは侯爵って言っていたけど、どうなるんだろう?

「未成年の暴力沙汰になりますので、まずは両家で話し合いでしょうが、どの様に話を持っていくかですね」

「そーなんですかー」

 興味はないが。ローザ伯爵家はどう動くんだろう?
元凶はあの礼儀違反女キャサリンのせいだろうから、向こうはそれを突いてきそう。

「学園としてはどう対応するんですか?」

 マクガレル先生は少し考えて答えてくれる。

「彼女の態度次第ですが、謹慎は免れないでしょうね。後は期間がどれくらいですが。正式に発表されるまで、内緒ですよ」

「はい」

 そう話を聞いていると、生物学上の両親がやって来た。

「ウィンティア、怪我はっ」

 血相変えて来たけど。

「それ以上、私に近付かないでくれます?」

 ぴた、と止まる生物学上の両親。
 マクガレル先生が私を気遣うような視線を向ける。あ、私の事情知ってるね。そうか、担当だもんね。

「マクガレル先生、一緒に居てくれます?」

「それは私はいいですが」

 ちら、と生物学上の両親にマクガレル先生が目配せ。

「先生、宜しければ同席をお願いします」

 と、生物学上の父親のオッケーもあり。
 まずは、私がさっきの出来事をありのまま説明。すう、と頭を抱える生物学上の両親。

「キャサリンには、言って聞かせる」

 生物学上の父親が絞り出す様に言うが、私は鼻で嗤う。

「聞きはしないでしょう、あれが」

 ぐうの音も出ない様子。
 だいたいあれにマナーがあれば、あの女子生徒だって、私を突き飛ばすような事はなかったはず。私の保留婚約者にだって、ベタベタしていたから、他の誰かにもしてたんじゃない? それが、マルクって人で、あの女子生徒と関係があって、色々癪に触るような事になったんじゃないかな?

「所でウィンティア、ペルナ侯爵に対してだが」

 伺う様に生物学上の父親が聞いてくる。
 どうするか、か。
 いきなり教室に乗り込んで、大声出して、突き飛ばす。しかも、私には全く関係ない話だしね。相手は格上の侯爵だけど、どうなるんだろう? 分からない。でもなあ、あれで、私がトラブル起こすような女の妹って、思われてしまったのが嫌だなあ。
 
「私には分かりません。分かりませんが、私があの女の妹であると色眼鏡でみられるのが、嫌です。こう言った場合の正式な対応をしてください」

「分かった」

 詳しい経緯は後日、手紙で報せるか、ローザ伯爵家に一旦帰宅するかだけど。

「手紙で結構です。あっ」

 一つ心配な事が。

「マクガレル先生、あの私を助けるのに腕を掴んだベルグさんはどうなります?」

 向こうは侯爵、あの男子生徒の爵位は分からないが、身分を傘に来て何かしないか心配。

「大丈夫ですよ。問題にはなりませんよ」

 問題になるのは、ペルナ侯爵の方だって。
 そんなんだ良かった。
 ローザ伯爵家からもベルグ家にお礼するって。
 生物学上の両親がやっと帰って行った。
 はあ、とんだ入学式になったなあ。
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