72 / 338
やり直し?⑩
しおりを挟む
私は念の為に保健室に。
大丈夫なのに。
マクガレル先生が付き添ってくれた。
色々話を聞かれたけど、無事釈放される。
「ローザさん、私達が教室を離れたばかりに申し訳ありません」
「あ、いえ、マクガレル先生のせいではないですよ。怪我をしたわけではないですし」
私の答えに、マクガレル先生がほっとした顔。
「時期にローザ伯爵家ご夫婦がいらっしゃいます」
「来ているんですか?」
マクガレル先生の頭に?が浮かぶ。
あ、そっか、一応生物学上の娘の入学式だからね。
「今日の件で、今後の話をしなければならないでしょう?」
そっか、突き飛ばされたし。
向こうは侯爵って言っていたけど、どうなるんだろう?
「未成年の暴力沙汰になりますので、まずは両家で話し合いでしょうが、どの様に話を持っていくかですね」
「そーなんですかー」
興味はないが。ローザ伯爵家はどう動くんだろう?
元凶はあの礼儀違反女キャサリンのせいだろうから、向こうはそれを突いてきそう。
「学園としてはどう対応するんですか?」
マクガレル先生は少し考えて答えてくれる。
「彼女の態度次第ですが、謹慎は免れないでしょうね。後は期間がどれくらいですが。正式に発表されるまで、内緒ですよ」
「はい」
そう話を聞いていると、生物学上の両親がやって来た。
「ウィンティア、怪我はっ」
血相変えて来たけど。
「それ以上、私に近付かないでくれます?」
ぴた、と止まる生物学上の両親。
マクガレル先生が私を気遣うような視線を向ける。あ、私の事情知ってるね。そうか、担当だもんね。
「マクガレル先生、一緒に居てくれます?」
「それは私はいいですが」
ちら、と生物学上の両親にマクガレル先生が目配せ。
「先生、宜しければ同席をお願いします」
と、生物学上の父親のオッケーもあり。
まずは、私がさっきの出来事をありのまま説明。すう、と頭を抱える生物学上の両親。
「キャサリンには、言って聞かせる」
生物学上の父親が絞り出す様に言うが、私は鼻で嗤う。
「聞きはしないでしょう、あれが」
ぐうの音も出ない様子。
だいたいあれにマナーがあれば、あの女子生徒だって、私を突き飛ばすような事はなかったはず。私の保留婚約者にだって、ベタベタしていたから、他の誰かにもしてたんじゃない? それが、マルクって人で、あの女子生徒と関係があって、色々癪に触るような事になったんじゃないかな?
「所でウィンティア、ペルナ侯爵に対してだが」
伺う様に生物学上の父親が聞いてくる。
どうするか、か。
いきなり教室に乗り込んで、大声出して、突き飛ばす。しかも、私には全く関係ない話だしね。相手は格上の侯爵だけど、どうなるんだろう? 分からない。でもなあ、あれで、私がトラブル起こすような女の妹って、思われてしまったのが嫌だなあ。
「私には分かりません。分かりませんが、私があの女の妹であると色眼鏡でみられるのが、嫌です。こう言った場合の正式な対応をしてください」
「分かった」
詳しい経緯は後日、手紙で報せるか、ローザ伯爵家に一旦帰宅するかだけど。
「手紙で結構です。あっ」
一つ心配な事が。
「マクガレル先生、あの私を助けるのに腕を掴んだベルグさんはどうなります?」
向こうは侯爵、あの男子生徒の爵位は分からないが、身分を傘に来て何かしないか心配。
「大丈夫ですよ。問題にはなりませんよ」
問題になるのは、ペルナ侯爵の方だって。
そんなんだ良かった。
ローザ伯爵家からもベルグ家にお礼するって。
生物学上の両親がやっと帰って行った。
はあ、とんだ入学式になったなあ。
大丈夫なのに。
マクガレル先生が付き添ってくれた。
色々話を聞かれたけど、無事釈放される。
「ローザさん、私達が教室を離れたばかりに申し訳ありません」
「あ、いえ、マクガレル先生のせいではないですよ。怪我をしたわけではないですし」
私の答えに、マクガレル先生がほっとした顔。
「時期にローザ伯爵家ご夫婦がいらっしゃいます」
「来ているんですか?」
マクガレル先生の頭に?が浮かぶ。
あ、そっか、一応生物学上の娘の入学式だからね。
「今日の件で、今後の話をしなければならないでしょう?」
そっか、突き飛ばされたし。
向こうは侯爵って言っていたけど、どうなるんだろう?
「未成年の暴力沙汰になりますので、まずは両家で話し合いでしょうが、どの様に話を持っていくかですね」
「そーなんですかー」
興味はないが。ローザ伯爵家はどう動くんだろう?
元凶はあの礼儀違反女キャサリンのせいだろうから、向こうはそれを突いてきそう。
「学園としてはどう対応するんですか?」
マクガレル先生は少し考えて答えてくれる。
「彼女の態度次第ですが、謹慎は免れないでしょうね。後は期間がどれくらいですが。正式に発表されるまで、内緒ですよ」
「はい」
そう話を聞いていると、生物学上の両親がやって来た。
「ウィンティア、怪我はっ」
血相変えて来たけど。
「それ以上、私に近付かないでくれます?」
ぴた、と止まる生物学上の両親。
マクガレル先生が私を気遣うような視線を向ける。あ、私の事情知ってるね。そうか、担当だもんね。
「マクガレル先生、一緒に居てくれます?」
「それは私はいいですが」
ちら、と生物学上の両親にマクガレル先生が目配せ。
「先生、宜しければ同席をお願いします」
と、生物学上の父親のオッケーもあり。
まずは、私がさっきの出来事をありのまま説明。すう、と頭を抱える生物学上の両親。
「キャサリンには、言って聞かせる」
生物学上の父親が絞り出す様に言うが、私は鼻で嗤う。
「聞きはしないでしょう、あれが」
ぐうの音も出ない様子。
だいたいあれにマナーがあれば、あの女子生徒だって、私を突き飛ばすような事はなかったはず。私の保留婚約者にだって、ベタベタしていたから、他の誰かにもしてたんじゃない? それが、マルクって人で、あの女子生徒と関係があって、色々癪に触るような事になったんじゃないかな?
「所でウィンティア、ペルナ侯爵に対してだが」
伺う様に生物学上の父親が聞いてくる。
どうするか、か。
いきなり教室に乗り込んで、大声出して、突き飛ばす。しかも、私には全く関係ない話だしね。相手は格上の侯爵だけど、どうなるんだろう? 分からない。でもなあ、あれで、私がトラブル起こすような女の妹って、思われてしまったのが嫌だなあ。
「私には分かりません。分かりませんが、私があの女の妹であると色眼鏡でみられるのが、嫌です。こう言った場合の正式な対応をしてください」
「分かった」
詳しい経緯は後日、手紙で報せるか、ローザ伯爵家に一旦帰宅するかだけど。
「手紙で結構です。あっ」
一つ心配な事が。
「マクガレル先生、あの私を助けるのに腕を掴んだベルグさんはどうなります?」
向こうは侯爵、あの男子生徒の爵位は分からないが、身分を傘に来て何かしないか心配。
「大丈夫ですよ。問題にはなりませんよ」
問題になるのは、ペルナ侯爵の方だって。
そんなんだ良かった。
ローザ伯爵家からもベルグ家にお礼するって。
生物学上の両親がやっと帰って行った。
はあ、とんだ入学式になったなあ。
94
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。


【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる