ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには？

やり直し？③

　婚約保留となったレオナルド・キーファーとの面会日。
　一旦ローザ伯爵家に戻る。ちゃんと外出の手続きしてね。
　赤い本やゲーム内ではキャサリンの妨害により、ウィンティアがわざと遅刻させられたり、レオナルドが吹き込まれた嘘を信じてキャサリンと会瀬を楽しみのだ。
　私はナタリアにより髪を結ってもらう。ハーフアップにして、入学祝いで頂いた、リボンで止める。
　ナタリアからここ数日間変わりないか聞く。

「一度、鍵を渡すように、と言われました。キャサリンお嬢様の新しい専属メイドに」

「やっぱり」

　ナタリアの話はこんな感じ。
　
「ウィンティアお嬢様のお部屋の鍵、持ってるでしょう、渡しなさい」

「無理です」

「口答えするんじゃないわよっ、犯罪者の娘がっ」

　事故死した父親を侮辱されたが、ナタリアはぐっと我慢した。

「ウィンティアお嬢様がいらっしゃならい時は、旦那様か奥様が同席する時にしか開けません」

「キャサリンお嬢様の命令よっ」

「では、奥様がもうすぐお帰りになります。話はそこからです」

　そのメイドはキャサリンに心酔している一人、今までやらかしてきたのは私のせいだからと言う、キャサリンの言葉を丸々信じている。
　で、そこで終わるわけない、そのメイドはメイド長に言いつけた。だけど、私の部屋に関する取り決めは知っていたため、奥様、クラーラ・ローザ伯爵夫人の帰宅を待つ指示を出した。
　話を聞いたクラーラ夫人はキャサリンを呼びつけた。鍵の件を訪ねると、結局覚えてない、そんなこと言ってない、そのメイドが勝手にやったことだとのたまった。
　メイドは目が覚めたが、そのままキャサリンの専属メイドを続きるように指示をされた。
　キャサリンの本性の一部を知っているが、きちんとメイドとして働きなさい、もし目に余るような行動をしたら、伯爵夫婦どちらかに報告の指示を下したって。
　そのメイドから、ナタリアに謝罪があり、今では同じ使用人として尊重しているって。
　しっかし、キャサリン懲りないね。

　コンコン

『ウィンティアお嬢様、レオナルド・キーファーがお見えです』

「はい」

　今日遅刻しなかったね。
　鏡をみる。
　よし、ウィンティアが一番可愛いからね。心の内側に言うが、全くの反応はない。しかたないか。
　
　いつもならもう一つある応接室に待っているけど、本日は玄関先にいた。生物学上の父親とお話している。

「ああ、ウィンティア嬢」

　眩しそうに私をみる保留婚約者。なんだか、本日は大型犬に見えるのは、錯覚ね、きっと。

「ウィンティア、今日はキーファー様がカフェに連れていってくれるそうだ。ナタリア、同行しなさい」

　カフェ？　こちらでは初めてだ、ちょっと嬉しい。
　…………………あ、このパターン、確か、キャサリンがわざと到着を送らせたウィンティアの代わりに行くやつ。
　でも、今日は大丈夫みたいだ、私は既にここにいるしね。そう言えば、キャサリンの姿ないし。
　でもなあ。

「お付き合いもしてない方と、カフェって大丈夫なんですか？」

　私とレオナルドが並ぶと、親戚の女の子を、カフェに連れていく男性って感じだけど。ここは日本ではない、男女が一緒に出歩くのは、よからぬ詮索をされる。それも邪推される、特に貴族はね。

「なんの問題もありませんよ」

　言い切ったよ。
　いいのかな？　ナタリアいるし。　
　バタバタ。
　この足音。

「レオナルド様ぁー」

　きやがった、ウィンティアには存在事態が迷惑女、キャサリンがっ。