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帰る為に⑤

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「例えば、両家、つまりウーヴァ公爵家、もしくはローザ伯爵家が喪主を務める葬儀ですね。こればかりは出席を要求されます」

 お葬式かあ、それは仕方ないかな。

「ウィンティア、これはすべて私の憶測です。ウーヴァ公爵家は、院長先生に宛てた手紙にあるように、貴女を守ってくれるやもしれません。ウーヴァ公爵家は、途切れる事なくこのコクーン修道院に寄付や支援をしてくださってます」

「でも、シスタースロウが心配してくれるような事態が起こらない訳でもないって事ですよね? 私を利用したパフォーマンスしかねない、と。寄付だってあれですよね、貴族の義務、ノブレスなんとかですよね」

 シスタースロウは沈黙。
 ああ、やっぱり、そうなんだね。
 話が上手すぎるって思ったんだよね。
 あの、ドキッ、返せ。
 ローザ伯爵家が私の返還を求めたのは、体裁の為だろう。自分達が傷付けたウィンティアを迎える為に、国の基準をクリアしましたよ、学園に通わせていますよ、仲良し家族ですよって世間に見せるためもの。ウーヴァ公爵家はまだ会ったことがないが、なんだかそう思えてしまう。私を心配しているシスタースロウが、憶測とはいえそう言うんだから。
 ウィンティアの七つの希望の内一つに、ローザ伯爵家の信頼失墜がある。ウーヴァ公爵家の言う魅力的な提案に乗ったとして、それに繋がる? 違う、きっとローザ伯爵家、ウーヴァ公爵家は私とそのレオナルドって人の婚約を盾に、援助し合う仲なんですよってしたいだけかかも。
 これは、私の憶測だけど。
 ウィンティア、どう思う?
 ……………………………うん、の返事が。
 なら、ウーヴァ公爵家の提案断って、ローザ伯爵家に戻る事になるよ。いい?
 ………………………………返事がない。
 仕方ない、色々考えないと、ウィンティアが帰るにあたり、必要なものを。

「シスタースロウ。お話を聞かせていただきありがとうございます。よく、考えます」

 私はシスタースロウにお礼を言って、自室に引き上げた。
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