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今、排するべきか?⑦
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結局、なんの解決策もなく朝が開ける。
短絡的にフランシスを始末さえしてしまえばいいように思えたが、それで丸く収まる気がしない。もしかしたら、フランシスは誰かの手駒にされたんじゃないかと思うと、フランシスを始末しても別の令嬢が手駒にされるはず。エミリアは救えても、レイナ・ベルギッタ侯爵令嬢達を救えない。結果は、変わらない。
なら、どうすべきかと悩んだが、まったく思い付かない。
悩んでも仕方ないと、夜が白みだしたので、軽く仮眠した。
一時間過ぎた頃に、起床時間だ。
エミリアと朝食の約束をしたのだ、いつものボサボサ頭ではいけないと、朝も早くからセバスがやってきて支度された。
「本日は気候もよう御座います、御朝食はテラスで取られてはいかがでしょう」
「そうだな」
自分は成すがままに髪を梳かされる。
「それから、御朝食後、仕立て屋と靴の職人が参ります」
「仕立て屋?」
「大奥様の後指示です。エミリア様のお持ちのドレスがあまりにもあまりだと、マギーがもうしておりまして」
確かに、あんなぼろぼろの花嫁衣裳だったし、ベルド伯爵家のあの様子だと、録なのを持たせてなかったのだろう。マギーが嫁入り翌日に仕立て屋を願うほどだったのだから。
一応、こちらでも部屋着や寝間着等多少は用意していたが。あくまで多少だ。
「分かった。仕立て屋の件はマギーがエミリアに?」
「いいえ、ぼっちゃまの口から、エミリア様におっしゃった方が喜ばれるかと思いまして」
「分かった」
いつもより入念に梳かされた。あまり、威圧的に見えないようにと、ゆったりとしたシャツに、グレイのズボンだ。これでいいだろうか?
「エミリアは怖がらないだろうか?」
ちょっと不安になる。改めて言うが、小さなエミリアにしたら、自分は見上げるような大男なのだ。
「どうぞ大切になさってくださいませ、このセバス、昨日から幸せの行ったり来たりです」
と、白いハンカチで目元を拭っている。
自分が普段からどれだけ回りに無関心だったかひしひしと伝わる。
「後最低十年は現役を貫きましょう。大旦那様と大奥様もきっと楽しみにされています」
「ナニガ?」
「言わずもがなですよ、ささ、エミリア様がお待ちです」
セバスに言われて、エミリアの迎えに行く。
エミリアの部屋は近いのですぐだ。数人のメイドがお辞儀をする。
少し緊張する。
優しく、コンコン、とノック。
『はい』
エミリアの声だ、良かった、怖がるような声じゃない。
「おはようエミリア、朝食の誘いに来たのだが」
年甲斐もなく、ドキドキ。
『はいっ』
弾んだエミリアの声。直ぐに扉が開く、そこにはマギー。
「おはようございますご主人様、エミリア様の支度は整っております」
「ありがとうマギー」
キラッ、と輝くマギーの目は、気のせいか? 昨日からキラキラしているが。
「おはようございます、バルド様」
マギーの後ろから、エミリアが姿を表す。
薄いピンク色のシンプルなワンピースだ。髪は一部後ろ頭で結んであり、細いリボンが飾ってある。
派手な飾りはなくても、エミリアが嬉しそうに笑っている。誰よりも、愛しくて、かわいい、私のエミリアだ。
短絡的にフランシスを始末さえしてしまえばいいように思えたが、それで丸く収まる気がしない。もしかしたら、フランシスは誰かの手駒にされたんじゃないかと思うと、フランシスを始末しても別の令嬢が手駒にされるはず。エミリアは救えても、レイナ・ベルギッタ侯爵令嬢達を救えない。結果は、変わらない。
なら、どうすべきかと悩んだが、まったく思い付かない。
悩んでも仕方ないと、夜が白みだしたので、軽く仮眠した。
一時間過ぎた頃に、起床時間だ。
エミリアと朝食の約束をしたのだ、いつものボサボサ頭ではいけないと、朝も早くからセバスがやってきて支度された。
「本日は気候もよう御座います、御朝食はテラスで取られてはいかがでしょう」
「そうだな」
自分は成すがままに髪を梳かされる。
「それから、御朝食後、仕立て屋と靴の職人が参ります」
「仕立て屋?」
「大奥様の後指示です。エミリア様のお持ちのドレスがあまりにもあまりだと、マギーがもうしておりまして」
確かに、あんなぼろぼろの花嫁衣裳だったし、ベルド伯爵家のあの様子だと、録なのを持たせてなかったのだろう。マギーが嫁入り翌日に仕立て屋を願うほどだったのだから。
一応、こちらでも部屋着や寝間着等多少は用意していたが。あくまで多少だ。
「分かった。仕立て屋の件はマギーがエミリアに?」
「いいえ、ぼっちゃまの口から、エミリア様におっしゃった方が喜ばれるかと思いまして」
「分かった」
いつもより入念に梳かされた。あまり、威圧的に見えないようにと、ゆったりとしたシャツに、グレイのズボンだ。これでいいだろうか?
「エミリアは怖がらないだろうか?」
ちょっと不安になる。改めて言うが、小さなエミリアにしたら、自分は見上げるような大男なのだ。
「どうぞ大切になさってくださいませ、このセバス、昨日から幸せの行ったり来たりです」
と、白いハンカチで目元を拭っている。
自分が普段からどれだけ回りに無関心だったかひしひしと伝わる。
「後最低十年は現役を貫きましょう。大旦那様と大奥様もきっと楽しみにされています」
「ナニガ?」
「言わずもがなですよ、ささ、エミリア様がお待ちです」
セバスに言われて、エミリアの迎えに行く。
エミリアの部屋は近いのですぐだ。数人のメイドがお辞儀をする。
少し緊張する。
優しく、コンコン、とノック。
『はい』
エミリアの声だ、良かった、怖がるような声じゃない。
「おはようエミリア、朝食の誘いに来たのだが」
年甲斐もなく、ドキドキ。
『はいっ』
弾んだエミリアの声。直ぐに扉が開く、そこにはマギー。
「おはようございますご主人様、エミリア様の支度は整っております」
「ありがとうマギー」
キラッ、と輝くマギーの目は、気のせいか? 昨日からキラキラしているが。
「おはようございます、バルド様」
マギーの後ろから、エミリアが姿を表す。
薄いピンク色のシンプルなワンピースだ。髪は一部後ろ頭で結んであり、細いリボンが飾ってある。
派手な飾りはなくても、エミリアが嬉しそうに笑っている。誰よりも、愛しくて、かわいい、私のエミリアだ。
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