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短期の滞在予定?㉑
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ケルンさんが復活した頃に、サブ・ドアの向こう、ルーティダンジョンに行っていた面々が賑やかに帰って来た。
一気に賑やかになる。
ケルンさんがなんであんなにしおしおになっていたか気になるが。
「どうせ、娘さんのシェリデアさんに、絞られたんでしょうよ」
と、エドワルドさん。う、と詰まるケルンさん。
「で」
「どうするんじゃリーダー?」
ヒェリさんとツヴァイクさんに促されている。ラスチャーニエだけ、今後が不透明だ。リーダーのケルンさんがいつ帰って来るが分からないので、私達に使用料を支払いコテージに滞在している。蒼の麓は、次回の冷蔵庫ダンジョンアタック後、冒険者ギルドが新設した準パーティーハウスに移動することが決まっている。
「あー、えーっと」
ケルンさんが、三人を召集し、こそこそと会議。
気になる。気になるが、夕食の準備をする。
ビアンカとルージュは、必死に母に訴えたが、てんこ盛り野菜ディナー。アレスや仔達にはパプリカにひき肉を摘めて、オーブンでじっくり焼いたのと、ジャーマンポテト、ルーティツナの盛り合わせ。ビアンカとルージュの恨みがましい視線が飛ぶ。
私達は、肉詰めピーマン、ジャーマンポテト、ルーティツナの盛り合わせ、冷凍だけど国産野菜を使用した餃子だ。
すべて揃った頃に、ケルンさんがおずおずと来た。
「ミズサワ殿、図々しいと承知していますが、首都に行かれるのなら同乗させていただけないでしょうか? もちろん馬車だいとして、相応にお支払いはいたしますので」
「そりゃ構いませんよ」
どうやら、首都サエーキを経由して、クラインに向かいたいみたい。どうやら娘さん、シェリデアさんから相当言われたみたい。
「ありがとうございます」
胸に手を当てお辞儀する姿が格好いい。
「明日から冷蔵庫ダンジョンですが、ケルンさんは大事を取って今回は不参加にされます?」
「いえ、参加させていただきます」
大丈夫かな? さっきまでしおしおしていたのに。
本人がそういうけど、まあ、きっとヒェリさん達がフォローしてくれるかね。
そのまま、夕御飯になる。
本日は両親以外は休肝日として、乾杯した。
次の日。
母と花に見送られて、冷蔵庫ダンジョンに。
この冷蔵庫ダンジョンアタック後で、シーラに向かって移動だ。ぶひひん特急ノワールなら、かなり早くシーラの首都に到着するはず。
冷蔵庫ダンジョンにはすでに山風の皆さんが揃っていた。仔達がぷりぷりとご挨拶に向かう。
「お待たせしました」
「いえ、さっき来たばかりです」
私はロッシュさんとご挨拶する。元気が相も変わらずハジェル君のポケットを狙う。サイズが大きくなって、ハジェル君が引き倒れされそうだ。こらこら。
「ゲ、ゲンキ君、あんなに小さかったのにっ」
分かるよハジェル君。柴犬サイズだったのにね。
『ユイ、早く行くのです』
『行きましょう』
『行くのだ~』
『ウム、主ヨ、行コウ』
「はいはい」
大人数なので、別れてスキップシステムを使う。スタートは20階で、前回と同じように進むことになる。ただ、今回はぺんたごんに通わないくらいだ。
まずは、私と晃太、鷹の目、ノワール、仔達、魔力はアレスが流す。次の便はイシスが魔力を流して、全員やってくる。
よし、無事にスキップしたね。
「姉ちゃん、わい、ちょっと作図したかけどよか?」
「よかよ、マジックバッグたくさ」
ちゅどどどどんっ
ドカンッ、ドカンッ、ドカーンッ
……………………
『終わったのだー』
安定やね、アレス君や。
「はあ。晃太、作図し。皆さん、ドロップ品の回収お願いしますね」
「「「「「「はい」」」」」」
慣れたように、鷹の目の皆さんは、マジックバッグを、手に蛇部屋に。
『主よ。次なのだっ』
デカイ鼻面を押し付けてくるので、押し返す。
「ちょっと待ってよ」
まだ、ビアンカやルージュ達がスキップしてないのに。ノワールはぶひひん、仔達はわんわん、ねえね、くるくる訴え始める。
こうして、忙しない、十日間の冷蔵庫ダンジョンアタックが始まった。
一気に賑やかになる。
ケルンさんがなんであんなにしおしおになっていたか気になるが。
「どうせ、娘さんのシェリデアさんに、絞られたんでしょうよ」
と、エドワルドさん。う、と詰まるケルンさん。
「で」
「どうするんじゃリーダー?」
ヒェリさんとツヴァイクさんに促されている。ラスチャーニエだけ、今後が不透明だ。リーダーのケルンさんがいつ帰って来るが分からないので、私達に使用料を支払いコテージに滞在している。蒼の麓は、次回の冷蔵庫ダンジョンアタック後、冒険者ギルドが新設した準パーティーハウスに移動することが決まっている。
「あー、えーっと」
ケルンさんが、三人を召集し、こそこそと会議。
気になる。気になるが、夕食の準備をする。
ビアンカとルージュは、必死に母に訴えたが、てんこ盛り野菜ディナー。アレスや仔達にはパプリカにひき肉を摘めて、オーブンでじっくり焼いたのと、ジャーマンポテト、ルーティツナの盛り合わせ。ビアンカとルージュの恨みがましい視線が飛ぶ。
私達は、肉詰めピーマン、ジャーマンポテト、ルーティツナの盛り合わせ、冷凍だけど国産野菜を使用した餃子だ。
すべて揃った頃に、ケルンさんがおずおずと来た。
「ミズサワ殿、図々しいと承知していますが、首都に行かれるのなら同乗させていただけないでしょうか? もちろん馬車だいとして、相応にお支払いはいたしますので」
「そりゃ構いませんよ」
どうやら、首都サエーキを経由して、クラインに向かいたいみたい。どうやら娘さん、シェリデアさんから相当言われたみたい。
「ありがとうございます」
胸に手を当てお辞儀する姿が格好いい。
「明日から冷蔵庫ダンジョンですが、ケルンさんは大事を取って今回は不参加にされます?」
「いえ、参加させていただきます」
大丈夫かな? さっきまでしおしおしていたのに。
本人がそういうけど、まあ、きっとヒェリさん達がフォローしてくれるかね。
そのまま、夕御飯になる。
本日は両親以外は休肝日として、乾杯した。
次の日。
母と花に見送られて、冷蔵庫ダンジョンに。
この冷蔵庫ダンジョンアタック後で、シーラに向かって移動だ。ぶひひん特急ノワールなら、かなり早くシーラの首都に到着するはず。
冷蔵庫ダンジョンにはすでに山風の皆さんが揃っていた。仔達がぷりぷりとご挨拶に向かう。
「お待たせしました」
「いえ、さっき来たばかりです」
私はロッシュさんとご挨拶する。元気が相も変わらずハジェル君のポケットを狙う。サイズが大きくなって、ハジェル君が引き倒れされそうだ。こらこら。
「ゲ、ゲンキ君、あんなに小さかったのにっ」
分かるよハジェル君。柴犬サイズだったのにね。
『ユイ、早く行くのです』
『行きましょう』
『行くのだ~』
『ウム、主ヨ、行コウ』
「はいはい」
大人数なので、別れてスキップシステムを使う。スタートは20階で、前回と同じように進むことになる。ただ、今回はぺんたごんに通わないくらいだ。
まずは、私と晃太、鷹の目、ノワール、仔達、魔力はアレスが流す。次の便はイシスが魔力を流して、全員やってくる。
よし、無事にスキップしたね。
「姉ちゃん、わい、ちょっと作図したかけどよか?」
「よかよ、マジックバッグたくさ」
ちゅどどどどんっ
ドカンッ、ドカンッ、ドカーンッ
……………………
『終わったのだー』
安定やね、アレス君や。
「はあ。晃太、作図し。皆さん、ドロップ品の回収お願いしますね」
「「「「「「はい」」」」」」
慣れたように、鷹の目の皆さんは、マジックバッグを、手に蛇部屋に。
『主よ。次なのだっ』
デカイ鼻面を押し付けてくるので、押し返す。
「ちょっと待ってよ」
まだ、ビアンカやルージュ達がスキップしてないのに。ノワールはぶひひん、仔達はわんわん、ねえね、くるくる訴え始める。
こうして、忙しない、十日間の冷蔵庫ダンジョンアタックが始まった。
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