745 / 775
約一ヶ月④
しおりを挟む
ボス部屋って、各階層一個、もしくは数階層に一個のはず。複数あるとは聞いたことないが、このフィールド型ダンジョンは通常では当てはまらない。
『イヤ、アレハ罠ノ類ダ』
とイシス。
「罠?」
『ソウダ、次二進ム訳デモナイ、脱出用魔法陣モ出ナカッタ。ソレニアレスガ開ケタニシテハショボカッタ』
「しょぼいって」
イシスの話だと、古墳みたいな場所に扉があり、アレスが気軽に開けてちゅどんドカン。
ボス部屋は、蜥蜴の魔物が数体だったと。しかもそこまで強い魔物でもなかった。イシスのそこまでなので、当てにはならないが、補佐ウルフ単体でも撃破できる内容だって。
ボス部屋って開ける者のレベルが高いと、相応にわんさかになる。厄災クラスのアレスが開ければ、わんわんわんさかだ。先に進む訳でもないし、脱出用魔法陣も出なかった。しかも、終わった後、扉がぼろぼろになって崩れたと。しばらくそこにとどまってみたが、復活しなかったって。ベテラン冒険者の皆さんにも聞いたら、やっぱり、そうはならなかったのなら、罠の可能性があるって。これに関しては、ダンジョンによっては神出鬼没で、時折あるそうだ。確率はかなり低いそうだが、フェリクスさんが新人の頃に、ケルンさん達と一緒に当たったそうだ。
『宝箱ハ、アレスノマジックバッグ二アル』
「わかった、イシスお疲れ様」
宝箱は、シルフィ達と従魔の部屋でのんびりしていたアリスが解除してくれた。中には模様の入った石。見たことある感じ。父が鑑定してくれた。
「転移石やね。第四階層入り口まで、2tくらいまでの重さを運べるね。使い捨てやね」
いらん。第四階層、いらん。
冒険者の皆さんに聞いたら、あはは、いりません、と言われてしまった。
雪の心配以外は問題はなく経過している。そう雪。とうとうカルーラも雪が降り、交通遮断されてしまった。ギリギリで首都で行われた、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚式から出席した、イコスティ辺境伯とパーヴェルさんが、降り積もる前に帰って来た。
ロッシュさんもラーヴさんも完全に諦めている。春に無事にマーファに帰りつければいいって。なんだか、申し訳ない。
それから、サエキ様が帰国されて、サエキ様経由でハルスフォン侯爵様とファクル侯爵様からお手紙が来た。お手紙は二通。ハルスフォン侯爵様からは、無事に転移門を献上したことの報告と、私達の健康を気遣う内容だった。ファクル侯爵様、つまりレティシア嬢のお父さんね、あの献上した布で作られたお色直しのドレスで、娘が幸せな顔でお嫁にいきました、ありがとうございますと。内容はこんな感じだ。そして、鮮やか青い鈴蘭の押し花がされた栞が同封されていた。これは、レティシア嬢自ら作ったささやかなお礼だと。アスラ王国出身であるリィマさんなフリンダさんに聞くと、滅多に見つからないもので、幸運の意味があるって。リィマさんもフリンダさんも実物みたのは初めて。あれだ、レアな四つ葉のクローバーな感じね。レティシア嬢の感謝が詰まった栞だ。きっかけはあの十四人の子供達だけど、いい方向に向かった、いいとしよう。
お地蔵さんに上げた。
それから、やっとホークさんとの時間を作った。お菓子ばっちり準備したら、凄い顔して、
「いいですかユイさん、安易に異性と密室で二人っきりなってはいけません」
と、注意されてしまった。
よくよく考えたらそうだよね。反省。それでも、ホークさんとゆっくり話が出来て良かった。途中で三人娘が乱入してきたけどね。
ちょうど一ヶ月して、脱出用魔法陣が修復が終わった。
『イヤ、アレハ罠ノ類ダ』
とイシス。
「罠?」
『ソウダ、次二進ム訳デモナイ、脱出用魔法陣モ出ナカッタ。ソレニアレスガ開ケタニシテハショボカッタ』
「しょぼいって」
イシスの話だと、古墳みたいな場所に扉があり、アレスが気軽に開けてちゅどんドカン。
ボス部屋は、蜥蜴の魔物が数体だったと。しかもそこまで強い魔物でもなかった。イシスのそこまでなので、当てにはならないが、補佐ウルフ単体でも撃破できる内容だって。
ボス部屋って開ける者のレベルが高いと、相応にわんさかになる。厄災クラスのアレスが開ければ、わんわんわんさかだ。先に進む訳でもないし、脱出用魔法陣も出なかった。しかも、終わった後、扉がぼろぼろになって崩れたと。しばらくそこにとどまってみたが、復活しなかったって。ベテラン冒険者の皆さんにも聞いたら、やっぱり、そうはならなかったのなら、罠の可能性があるって。これに関しては、ダンジョンによっては神出鬼没で、時折あるそうだ。確率はかなり低いそうだが、フェリクスさんが新人の頃に、ケルンさん達と一緒に当たったそうだ。
『宝箱ハ、アレスノマジックバッグ二アル』
「わかった、イシスお疲れ様」
宝箱は、シルフィ達と従魔の部屋でのんびりしていたアリスが解除してくれた。中には模様の入った石。見たことある感じ。父が鑑定してくれた。
「転移石やね。第四階層入り口まで、2tくらいまでの重さを運べるね。使い捨てやね」
いらん。第四階層、いらん。
冒険者の皆さんに聞いたら、あはは、いりません、と言われてしまった。
雪の心配以外は問題はなく経過している。そう雪。とうとうカルーラも雪が降り、交通遮断されてしまった。ギリギリで首都で行われた、ジークフリード王太子殿下とレティシア嬢の結婚式から出席した、イコスティ辺境伯とパーヴェルさんが、降り積もる前に帰って来た。
ロッシュさんもラーヴさんも完全に諦めている。春に無事にマーファに帰りつければいいって。なんだか、申し訳ない。
それから、サエキ様が帰国されて、サエキ様経由でハルスフォン侯爵様とファクル侯爵様からお手紙が来た。お手紙は二通。ハルスフォン侯爵様からは、無事に転移門を献上したことの報告と、私達の健康を気遣う内容だった。ファクル侯爵様、つまりレティシア嬢のお父さんね、あの献上した布で作られたお色直しのドレスで、娘が幸せな顔でお嫁にいきました、ありがとうございますと。内容はこんな感じだ。そして、鮮やか青い鈴蘭の押し花がされた栞が同封されていた。これは、レティシア嬢自ら作ったささやかなお礼だと。アスラ王国出身であるリィマさんなフリンダさんに聞くと、滅多に見つからないもので、幸運の意味があるって。リィマさんもフリンダさんも実物みたのは初めて。あれだ、レアな四つ葉のクローバーな感じね。レティシア嬢の感謝が詰まった栞だ。きっかけはあの十四人の子供達だけど、いい方向に向かった、いいとしよう。
お地蔵さんに上げた。
それから、やっとホークさんとの時間を作った。お菓子ばっちり準備したら、凄い顔して、
「いいですかユイさん、安易に異性と密室で二人っきりなってはいけません」
と、注意されてしまった。
よくよく考えたらそうだよね。反省。それでも、ホークさんとゆっくり話が出来て良かった。途中で三人娘が乱入してきたけどね。
ちょうど一ヶ月して、脱出用魔法陣が修復が終わった。
応援ありがとうございます!
654
お気に入りに追加
6,092
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる