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白夜⑱

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 25の宝箱の中身の発表だ、いろいろごちゃごちゃはいっていたり、一種類しかなあかったり。で、種類別にざっと分けてくれている。
「えーっとまずだね、擬態魔物から出てきたのが、これだね。魔石が全部で17、みんな質はいいよ。小粒が10万、中粒が20万、大粒が30~40万。で、この一番大きいのが85万だね」
 ふむふむ。アレスのお尻に噛みついていたのが、この大きなやつね。
「で、宝石類も出たよ。細々になるけど。値段があまりつかない屑宝石、研磨が必要なやつは省くよ」
 大小サイズ様々。
「まずはガーネット、オニキス、ターコイズ、カーネリアンが安いけど5000だね。で、アンバー、アメジスト、アクアマリン、シトリン、ムーンストーン、瑪瑙が3万だね」
 ふむふむ。一つの擬態魔物が複数宝石を溜め込んでいたみたい。
「レッドベリルが45万、ピンクトルマリンが50万、パパラチアサファイアが80万、エメラルドが90万」
 額が羽上がる。
「パライバトルマリンが4000万、ダイヤモンドがこっちが2000万、こっちが6500万、サファイアが9000万」
 額が、ぽーん、と上がる。
 屑宝石はどうなるのかって聞いたら高級絵の具の材料になるんだって。研磨前は、研磨士の腕次第だって。
 ちなみに最高額のサファイアは、アレスのお尻に噛みついていた擬態魔物から出てきたやつね。
「次は」
 くたびれた布に包まれたものは、ネックレスだ。薄い緑の宝石と黄色の宝石、透明な宝石が花を形作り連なっている。かわいいデザイン。
「ペリドット、シトリン、ダイヤモンドのネックレス。2000万。で、隠れていたのが」
 リィマさんが布の隙間に手を入れて出したのは、大粒のキラキラ宝石が着いた指輪。
「ダイヤモンドの指輪2億」
 わー。
 後ろでごはんまだー、とポッチャーズの視線が来る。母がウサギ肉をパン粉を着けて揚げている。いい匂いが漂う。
「次は真珠だね」
 お馴染みのビロードの箱を出す。ぱかり、と開けると大粒の真珠のネックレス、イヤリング、髪飾り。
「1億」
 わー。
「これが最高額だね」
 やたら立体的なビロードの箱。大きいなあ。
 ぱかり、と開ける。
 キラキラッ、キラキラッ。
 きらびやかに輝くのはティアラだ。
「真珠、ダイヤモンドのティアラ。最低額7億。この正面にあるダイヤモンドだけで、3億だね」
 わー。
 次に並ぶのはサイズ様々の多数のインゴット。
「後は金や銀、魔鉄のインゴット。ミスリルとアダマンタイトもあるけど。さっきミズサワさんのお父さんに見てもらったけど、オリハリコンだね」
 ふーん。
「あのさ、ミズサワさん、オリハリコンの希少性って知ってる?」
「え? その、マデリーンさんの杖に」
 ロイヤルエメラルドの杖にあるし。
「魔法金属最高の魔法伝導率に、強度も申し分ない金属で、冒険者だろうが騎士だろうが誰でも夢見る金属だよ。当然加工できる職人はそういない。おそらくここらじゃ、シーラにしかいないよ」
「ええ、そんなに?」
「これが採掘されるのはこの大陸じゃ、シーラだけだよ。確か国が管理している鉱山だけのはず」
 なんか、よく聞きファンタジー金属だけど、すごく貴重品なんや。
「ちなみにおいくら?」
 オリハリコンと呼ばれたやや白く輝くインゴット。サイズ的に、卵が6個入ったパック。
「ごめん、分からない」
 申し訳ないような顔をされたので、こちらが申し訳ない。
 これは、どうしようかな? シーラに行くし、その時買い取ってもらおうかな。
 次はポーション類だ。
 中級ポーションが59本、上級ポーションが70本、下級エリクサーが29本、中級エリクサーが7本。魔力回復ポーションが46本。解毒ポーションが66本。石化ポーションが9本、解呪ポーションが15本。なんとドラゴンの劣化エリクサーもあった。眼球が6本、舌が7本、肺が15本、胃が3本、心臓が8本、骨が16本、腸が10本、肝臓が7本、膵臓が6本、腎臓が11本、子宮が5本、膀胱が14本、睾丸が3本、血が15本。ううーん、ある程度配布しよう。
 マジックアイテムもたくさん出た。こちらは父が鑑定してくれている。
 マジックバッグ。サイズE、時間停止が3、時間遅効半分が1、時間停止なしが1。サイズD、時間停止が6、時間停止なしが4。サイズC、時間停止が9。サイズB、時間停止が1、時間遅効が1、時間停止なしが2。サイズA、時間停止が3、時間停止なしが3。
 これも配布やね。
 簡易セーフティが3つ、魔除けのランプが4つ。始めましての魔除けのランプのテントタイプ。簡単には折り畳めて、遮断効果がある布を使用されている。広げると3畳程の三角錐になる。こちらは魔石で補填できる、破損しなければずっと使える。これは3つ。配布ね。
 初めて見たマジックアイテムは、魔法を放つものだ。使用回数に制限あるが、非常時の攻撃手段だ。数珠みたいだ。複数属性はない、単一属性のみだ。
 火魔法はドッチボールサイズの火の玉。水魔法は水の矢。土魔法は卵サイズの塊。風魔法は刃。闇魔法はドッチボールサイズの玉。光魔法はルージュお馴染み光のリンゴだ。それぞれ一個ずつ。補助するマジックアイテムは見たことあるが、放つものは初めてだ。父も興味津々だ。どうやら技術者魂に火が着いたみたい。これは皆さん辞退された、父が新たに開発したら、そのモニターに噛ませて欲しいって。
 後は武器類、マジックアイテムもろもろ、なんなろ? スノードームみたいなのがある。
『ユイ~、お腹減ったのです~』
『匂いがたまらないわ~』
『主よ~、早くなのだ~』
 とうとう匂いに我慢出来なくなった面々が騒ぎだした。仔達からも、ばあば、ごはんコールが沸き上がる。
 確かに、もう夕御飯の時間や。
「皆さん、配布は改めて明日でいいですか? どうしても欲しいものがあるならチェックしてくださいね。被るようならクジにしますので」
「「「「「はい」」」」」
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