もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる～時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります～

連載

白夜⑰

　それから、コテージにいた面々もやって来て、両親とご挨拶。花は忙しくローリングを披露している。
「でね、お父さん、後で脱出用の魔法陣ば見てくれる？　始祖神様は修正が始まっているみたいやけど」
　私が始祖神様から聞いた、壊れた脱出用魔法陣の事を説明する。
「よかよ、後で行こうかね」
『じいじ、ヒスイ心配だから、一緒に行くねっ』
『ルリも心配っ。着いてくからねっ』
『じーじ、クリスも一緒だからねっ』
「おお、よしよし」
　父が口を尖らせている。嬉しいときの仕草だ。
　さ、久しぶりに揃ってからのお昼ごはんだ。魔境からも鼻水君、違うシヴァも呼ぶ。サブ・ドア開けっ放しならよかろ。じっと見てくる補佐ウルフには、おやつをあげる。
　よし、町の洋食みつよしから選ぼう。本日ランチメニューは4つ。定番オムライス、ミックスフライ、ポークソテー、ボロネーゼだ。
　手分けして、ビアンカやルージュ達のお皿にてんこ盛りにする。母が昨日頑張ったからと、お許しがあり。
『やったなのですっ』
『エビがいいわっ』
　優しい眼差しの母。あ、これ、2、3日後から何かやりそう。
　私はオムライスにした。晃太と両親はミックスフライ。ホークさん、ミゲル君はポークソテー、チュアンさんはミックスフライ、マデリーンさんはボロネーゼ、エマちゃんとテオ君はオムライスだ。足りないだろうから、フライドチキンとサーモンのカルパッチョを追加。
　ラスチャーニエは、ケルンさん、ヒェリさんはポークソテー、ツヴァイクさんとエドワルドさんはミックスフライね。追加はI産サラダ、フライドチキン、エビフライ、本日魚のポワレ。
　蒼の麓、フェリクスさん、アンドレアスさん、ヘルト君はポークソテー、エリアンさんはオムライス、ドーラさんとドロテアちゃんはミックスフライだ。こちらも足りないので、ボロネーゼとエビフライをそれぞれ×2。
　金の虎はファングさん、リィマさんがポークソテー。ガリストさんがミックスフライ、フリンダさんはボロネーゼ。アルスさんは全種類だ。痩せの大食いアルスさんがいるので追加。フライドポテトとフライドチキン。サーモンのカルパッチョ。
　山風はロッシュさんとラーヴさんがポークソテー、シュタインさんとマアデン君がミックスフライ。ハジェル君？　全種類だよ。こちらも足りないので追加。フライドチキンとエビフライ。I産サラダとサーモンのカルパッチョ。
　細やかに目で訴える面々がいる。はいはい、ノンアルコールビールね。
「では、いただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
　ぱくり、うん、安定の美味しさ。
『おかわりなのですー』
『エビエビ～』
『足りないのだー』
『ピザハナイノカ？』
「くうっ」
「「わふーん」」
　仔達もおかわりコール。
「今、食べだしたんやけど」

　食後、私は再びボス部屋に戻る。同じメンバーだ。ボス部屋は出口から入ると、必ず空だが、この法則は当てはまり、空だった。
　ルームで待機していた父に来てもらい早速脱出用魔法陣を探す。
「ああ、これやな」
　と、直ぐに見つかったが、私にはよく分からん。見た目、土の地面やし。
「うーん。確かに破損しとるな。やけど修繕が始まっとる」
「どれくらいかかりそう？」
「約、一ヶ月やな。修繕されたらしっかり目視できるよ」
「そうな。なら、修繕されるまで待つね」
　あのフィールド型ダンジョン、元来た道を戻るのは辛いもん。よし、そうしよう。
　ルームで待機していたメンバーに相談したら、快く了承してくれた。
　問題は雪に降られる前にマーファに帰りたいが、それが叶うかどうかだ。
　流石に雪に降られたら移動を断念しなければならない。マーファで待つ、身籠っているロッシュさんとラーヴさんの奥さん達が心配や。
　これからの流れも相談する。
　とにかく、脱出用魔法陣が修繕するまで、先ほどの原っぱでルームを開けて拠点とすることになった。父の鑑定で、やはりかつての日本からの移住民の集落跡地と出たので、供養のつもりで花を供える事にした。
　で、私の右目に関しては、両親は微妙な顔をしたが、害はないし、全自動防御魔法ならと納得してくれた。
　そして、夕方近くに、やっと宝箱の解除が済み、中身の鑑定が終わった。