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白夜⑩
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『フン、私二勝テルト思ッタカ』
イシスが最後の大型の馬型のアイアンゴーレムに跨がった、これまた大型の人型のアイアンゴーレムを撃破。
爬虫類の後、次は色んな魔物が混合してわんさか出てきた。驚いたのは、ルージュ達と同じクリムゾンジャガーだ。窓から見たが、ルージュが全く躊躇いなく次々に仕留めていた。思わない事はないが、ルージュの対応がここでは正解だ。全てを撃破、さらにその後二時間のクールダウンの後に出てきたのは軍隊みたいに整列したゴーレム集団。しかも古い中国とかの武装を模した人型。これはマットゴーレムだったが、見た目が、あれだ兵○俑だ。
ずらりと並んだ数。
おそらく軽く数千を越した。いや、下手したら万を越す数だ。
いくつかのブロックで移動するものだから、正に軍隊の行進を彷彿とさせた。マットゴーレム集団の後ろには、アイアンゴーレムの馬に跨がった、これまたアイアンゴーレムの人型が、集団で控えていた。その馬がノワールサイズだし、その人型がチュアンさん並に大柄。そして、更に目を奪ったのは、地響き鳴らしながら出てきたのは、なんと象型。仔象ではない、しっかり大型のアイアンゴーレムッ。何匹いるの? 兵○俑の雰囲気がガラッと変わる。
『せっかくなら食べれるのが出るのですッ』
『テンション下がるじゃないっ』
『栄養にならないのならいらないのだっ』
『フン、数ダケダナッ、土塊ガッ』
ちょっと君たちっ。
象型を見て、引いた私が反射的に内心突っ込む。
おそらく時間的にこれが最後のはず。なので、オシリスとアリスとシヴァも向かい、ノワールも嬉々として向かった。
仔達も若手達も着いていった。
マットだろうがアイアンだろうが、うちのバトルジャンキー達に勝てっこない。
うち漏らしたのだけ、冒険者の皆さんが対処してくれた。
こんなに順調に進んだのは、やはり回復手段にエリクサーを使ったからだ。途中で色々危なっかし場面があったが、エリクサーのお陰で大事に至らなかったし。
私の神への祈りも発動が滞りなかったしね。やっぱり神様が見守ってくれたんや。
『肉が出ないのは、やる気が起きないのです』
『そうねえ。ねえコウタ、さっきのドラゴンのお肉、回収した?』
「はいはいしとるよ」
『焼いて欲しいのだ』
『ウム、ソウダナ』
ルーム内で、会話を聞きながら呆れながらも、なんだか、何時もみたいで気持ちが落ち着く。
「皆さん、お疲れ様です」
私はルームを開けて誘導する。
土や血で汚れた皆さんは疲れた顔でルームに入り、水分補給。顔拭いたり、手を洗ったりして一息ついてからドロップ品の回収に行ってくれた。リィマさんだけルームに残る。実はゴーレム前の混合した魔物が出た時にアルスさんが戦闘モードに入り、ぱたり、してしまった。そのため、念のために準備していたベッドで休ませていた。リィマさんが心配そうにアルスさんを覗き込む。
そこに賑やかに仔達が帰って来た。
『ねえね、ヒスイ、リンゴのジュース飲みたい』
『ルリね、オレンジッ』
『クリス、牛乳がいいっ』
「わんわんっ」
『わいはリンゴジュースが飲みたいんねん』
「くるっくるっ」
「はいはい。アルスさん寝とるけん、ちょっと静かにね」
はーい、と返事をする仔達のために飲み物準備。
ビアンカとルージュ達もわいわい言いながらルームに入ってくる。若手達もだ。ノワールはホークさんが誘導してくれた。
当然リクエストが来るので準備をする。置いてあったおにぎりがなくなっていく。
『足りないのですー』
『エビエビ~』
『我は焼いた肉なのだー、ドラゴンの肉がいいのだー』
『ピザヲ所望スル』
「わふんっ」
「くうっ」
『ビアンカ、ビアンカ』
賑やかやね。遅いけど従魔の足拭きタップ。土やら返り血で物凄く汚れているけど仕方なか。明日、シャンプーやね。それぞれリクエストのジュースを出す。ちょっと待ってね。あ、リンゴジュースが空や、新しく開けていると、エマちゃんが駆け込んで来た。
「ユイさんっ、宝箱出ました」
て、事は終わったんやね。時間として約九時間。スタートが朝八時前だった。
ああ、心配やった長丁場が終わった、良かった、皆無事や、ああ、良かった。これで魔境エリアに伸びたダンジョンからも溢れる魔物が止まるって事や、ああ、良かった。
あー、ほっとした。
さ、宝箱でも見ますかね。ここまで付き合ってくれた皆さんに配布せんとね。
「ルージュ、アリス悪かけど罠解除してくれる?」
『いいわよ』
「わふんっ」
ルージュとアリスに付き添われてルームを出ると、ずらーっと並んだ大小の宝箱。
幾つあるの? これ?
は、いかんいかん、ぼーっとしておれん。
ルージュとアリスが片っ端から解除する。途中でアレスがアリスにくっていて付いて回る。
私は取り敢えず、皆さんをルームに誘導する。
「お疲れ様です皆さん、取り敢えずルームに入ってください。晃太、宝箱回収頼める?」
「ん」
宝箱は中身は明日確認しよう。晃太が宝箱の回収に回る。チュアンさんとミゲル君がついてくれる。
お疲れ様と声を掛けながら、ルームに誘導。
「ん?」
なんや、アレスのお尻に、何か張り付いて、あっ、擬態のやつやっ。アレスのお尻に噛みついて、あ、取れた。宝箱の擬態の魔物って、歯がびっしりあったはずなのに、ぼろぼろに歯零れしている。
………………アレスのお尻って、どんな強度なん?
歯がぼろぼろになったわなわなしている擬態魔物に、アレスの尻尾が直撃して、バラバラになる。
………………尻尾って、いや、止めよう、アレスはボス部屋ボス部屋言わなければ、かわいか。うん、かわいか。
宝箱は結局かなりの擬態もあり、合わせて25の宝箱があった。
よし、全部回収したら、あたりが真っ暗。脱出用の魔法陣を探したが見つけられなかった。まさかと思うが、出ない訳がないと思いたい。どこのダンジョンも最後のボス部屋には脱出用の魔法陣が出る。だから出ると思うが。なんせこのフィールド型ダンジョンは、他とは違うみたいやし。
うーん、どうしよう。
「姉ちゃん、明日仕切り直さん? 流石に休まんと。姉ちゃん休まんと皆さん気ば使って休まんよ」
「そうやね、明日仕切り直そうかね」
さ、まずは神様に報告しよう。
私は晃太達を連れてルームに入った。
イシスが最後の大型の馬型のアイアンゴーレムに跨がった、これまた大型の人型のアイアンゴーレムを撃破。
爬虫類の後、次は色んな魔物が混合してわんさか出てきた。驚いたのは、ルージュ達と同じクリムゾンジャガーだ。窓から見たが、ルージュが全く躊躇いなく次々に仕留めていた。思わない事はないが、ルージュの対応がここでは正解だ。全てを撃破、さらにその後二時間のクールダウンの後に出てきたのは軍隊みたいに整列したゴーレム集団。しかも古い中国とかの武装を模した人型。これはマットゴーレムだったが、見た目が、あれだ兵○俑だ。
ずらりと並んだ数。
おそらく軽く数千を越した。いや、下手したら万を越す数だ。
いくつかのブロックで移動するものだから、正に軍隊の行進を彷彿とさせた。マットゴーレム集団の後ろには、アイアンゴーレムの馬に跨がった、これまたアイアンゴーレムの人型が、集団で控えていた。その馬がノワールサイズだし、その人型がチュアンさん並に大柄。そして、更に目を奪ったのは、地響き鳴らしながら出てきたのは、なんと象型。仔象ではない、しっかり大型のアイアンゴーレムッ。何匹いるの? 兵○俑の雰囲気がガラッと変わる。
『せっかくなら食べれるのが出るのですッ』
『テンション下がるじゃないっ』
『栄養にならないのならいらないのだっ』
『フン、数ダケダナッ、土塊ガッ』
ちょっと君たちっ。
象型を見て、引いた私が反射的に内心突っ込む。
おそらく時間的にこれが最後のはず。なので、オシリスとアリスとシヴァも向かい、ノワールも嬉々として向かった。
仔達も若手達も着いていった。
マットだろうがアイアンだろうが、うちのバトルジャンキー達に勝てっこない。
うち漏らしたのだけ、冒険者の皆さんが対処してくれた。
こんなに順調に進んだのは、やはり回復手段にエリクサーを使ったからだ。途中で色々危なっかし場面があったが、エリクサーのお陰で大事に至らなかったし。
私の神への祈りも発動が滞りなかったしね。やっぱり神様が見守ってくれたんや。
『肉が出ないのは、やる気が起きないのです』
『そうねえ。ねえコウタ、さっきのドラゴンのお肉、回収した?』
「はいはいしとるよ」
『焼いて欲しいのだ』
『ウム、ソウダナ』
ルーム内で、会話を聞きながら呆れながらも、なんだか、何時もみたいで気持ちが落ち着く。
「皆さん、お疲れ様です」
私はルームを開けて誘導する。
土や血で汚れた皆さんは疲れた顔でルームに入り、水分補給。顔拭いたり、手を洗ったりして一息ついてからドロップ品の回収に行ってくれた。リィマさんだけルームに残る。実はゴーレム前の混合した魔物が出た時にアルスさんが戦闘モードに入り、ぱたり、してしまった。そのため、念のために準備していたベッドで休ませていた。リィマさんが心配そうにアルスさんを覗き込む。
そこに賑やかに仔達が帰って来た。
『ねえね、ヒスイ、リンゴのジュース飲みたい』
『ルリね、オレンジッ』
『クリス、牛乳がいいっ』
「わんわんっ」
『わいはリンゴジュースが飲みたいんねん』
「くるっくるっ」
「はいはい。アルスさん寝とるけん、ちょっと静かにね」
はーい、と返事をする仔達のために飲み物準備。
ビアンカとルージュ達もわいわい言いながらルームに入ってくる。若手達もだ。ノワールはホークさんが誘導してくれた。
当然リクエストが来るので準備をする。置いてあったおにぎりがなくなっていく。
『足りないのですー』
『エビエビ~』
『我は焼いた肉なのだー、ドラゴンの肉がいいのだー』
『ピザヲ所望スル』
「わふんっ」
「くうっ」
『ビアンカ、ビアンカ』
賑やかやね。遅いけど従魔の足拭きタップ。土やら返り血で物凄く汚れているけど仕方なか。明日、シャンプーやね。それぞれリクエストのジュースを出す。ちょっと待ってね。あ、リンゴジュースが空や、新しく開けていると、エマちゃんが駆け込んで来た。
「ユイさんっ、宝箱出ました」
て、事は終わったんやね。時間として約九時間。スタートが朝八時前だった。
ああ、心配やった長丁場が終わった、良かった、皆無事や、ああ、良かった。これで魔境エリアに伸びたダンジョンからも溢れる魔物が止まるって事や、ああ、良かった。
あー、ほっとした。
さ、宝箱でも見ますかね。ここまで付き合ってくれた皆さんに配布せんとね。
「ルージュ、アリス悪かけど罠解除してくれる?」
『いいわよ』
「わふんっ」
ルージュとアリスに付き添われてルームを出ると、ずらーっと並んだ大小の宝箱。
幾つあるの? これ?
は、いかんいかん、ぼーっとしておれん。
ルージュとアリスが片っ端から解除する。途中でアレスがアリスにくっていて付いて回る。
私は取り敢えず、皆さんをルームに誘導する。
「お疲れ様です皆さん、取り敢えずルームに入ってください。晃太、宝箱回収頼める?」
「ん」
宝箱は中身は明日確認しよう。晃太が宝箱の回収に回る。チュアンさんとミゲル君がついてくれる。
お疲れ様と声を掛けながら、ルームに誘導。
「ん?」
なんや、アレスのお尻に、何か張り付いて、あっ、擬態のやつやっ。アレスのお尻に噛みついて、あ、取れた。宝箱の擬態の魔物って、歯がびっしりあったはずなのに、ぼろぼろに歯零れしている。
………………アレスのお尻って、どんな強度なん?
歯がぼろぼろになったわなわなしている擬態魔物に、アレスの尻尾が直撃して、バラバラになる。
………………尻尾って、いや、止めよう、アレスはボス部屋ボス部屋言わなければ、かわいか。うん、かわいか。
宝箱は結局かなりの擬態もあり、合わせて25の宝箱があった。
よし、全部回収したら、あたりが真っ暗。脱出用の魔法陣を探したが見つけられなかった。まさかと思うが、出ない訳がないと思いたい。どこのダンジョンも最後のボス部屋には脱出用の魔法陣が出る。だから出ると思うが。なんせこのフィールド型ダンジョンは、他とは違うみたいやし。
うーん、どうしよう。
「姉ちゃん、明日仕切り直さん? 流石に休まんと。姉ちゃん休まんと皆さん気ば使って休まんよ」
「そうやね、明日仕切り直そうかね」
さ、まずは神様に報告しよう。
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