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フィールド型ダンジョン⑨

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 第三階層は3日で走破した。オシリスでの移動であるのと、イシスと言う最強の護衛がいたからだ。
 ボス部屋は、蛇だった。岩のようなぼこぼこの皮の蛇だ。
 ちゅどん、ドカンで終わった。
 このゴツゴツの皮、固そう。鎧にするには固そうだけど。勿体ないので晃太がアイテムボックスにいれて、メモに記載する。また厄災クラスのアレスとイシスが開けて検証しようかと思ったが、蛇はよか。
 それに夕方だし、私は夕御飯の準備をする。
 今日はおめでたいことがあった。
 ルーティのダンジョンで訓練していたエマちゃんとテオ君が、無属性魔法を覚醒させたのだ。
 さ、お祝いや。
 ビアンカやルージュ達のご飯もいいし。
「エマちゃん、テオ君、何がよか?」
「ハンバーグッ」
「唐揚げっ」
「はいはい」
「こらっ、エマ、テオッ」
 お馴染みのホークさんのこらっ、が飛ぶ。
「まあまあ、いいやないですか。エマちゃんもテオ君も頑張ったんですから」
 と、私が言うと、二人はニコニコ。ホークさんは優しく仕方ないって顔だ。
 ハンバーグと唐揚げね。
 どちらとも、作り置き専用のマジックバッグにあるから大放出しましょう。作り置きのハンバーグはちょっと小さめ、横に唐揚げを並べて、レタスと千切りキャベツ、きゅうり、トマトを飾り。あ、目玉焼き乗せようかな。唐揚げは好きに乗せてもらおう。
「エマちゃん、テオ君、目玉焼きいる?」
「「うんっ」」
「エマ、テオ、はい、だ」
「「はーい」」
 私はやや黄身が半熟派。エマちゃんとテオ君もね。晃太とマデリーンさんは半熟派。ホークさん、チュアンさんは固め、ミゲル君は両面焼き。
 各パーティーにも目玉焼きを提供。スープは、みつよりのオニオングラタンスープ。肉体労働の冒険者のには足りないかも知れないし、本日の鮮魚のポワレやエビフライ、フライドポテト等もチョイス。
 本日はアルコール解禁。
 万歳しているのは、ビール大好きミゲル君とツヴァイクさん。
 各テーブルいいかな?
「では、エマちゃん、テオ君、おめでとうっ。かんぱーい」
「「「「「おめでとうっ、かんぱーいっ」」」」」
 私は缶チューハイ。晃太とホークさん、ミゲル君はビール。マデリーンさんはロゼ。チュアンさん、エマちゃんとテオ君はお茶。私と晃太の追加メニューはサーモンのカルパッチョとエビフライ。ルージュの鼻息がこちらまで届きそう。鷹の目の追加メニューはエビフライ×2、フライドポテトとサーモンとほうれん草のスパゲッティ。テオ君の唐揚げの多いこと、まだ十代だからね。
 各パーティーの皆さんからもお祝いの言葉を頂き、こちらも感謝だ。
 しれっ、と皿を咥えて待つ、ぽちゃぽちゃの視線は無視。
「頑張りましたね」
 と、ロゼを傾けるのはケルンさん。ラスチャーニエのテーブルてんこもりだ。目玉焼き焼きは全員個性で違う。ケルンさんは半熟、ヒェリさんさ固め、ツヴァイクさんは両面焼き、エドワルドさんはやや黄身が半熟。焼いたのはエドワルドさん。ユリアレーナ最強冒険者が、目玉焼き焼いてた。唐揚げもてんこもりだ。追加メニューは本日の鮮魚のポワレとエビフライがそれぞれ×2、エドワルドさんがみつよしの魚メニューがお気に入りらしい。特有の魚臭さがないって。それからポークチャップ、フライドポテトを選んでいる。あ、ツヴァイクさんのビールがもうない。
「これで他の属性魔法の訓練がぐっと進みますよ」
 フェリクスさんはビールだ。ダンジョン内では以前は基本的に呑まない方だったが、最近はきちんと呑んでる。蒼の麓のテーブルも賑やかだ。目玉焼きはドロテアちゃんが焼いていた。フェリクスさん、アンドレアスさん、ヘルト君は固め。エリアンさんとドロテアちゃんは半熟、ドーラさんは両面焼き。ビールはアンドレアスさん。エリアンさんとドーラさんは赤ワイン。ヘルト君とドロテアちゃんはお茶。唐揚げこちらも好き好きに乗せてる。追加メニューは本日の鮮魚のポワレ、エビフライ×2、シーフードグラタン、フライドポテト、オムライス・ビーフシチュー添え、ナポリタンだ。最初ナポリタンって何? って聞かれたが、トマトソースで軟らか目のパスタ麺料理って言ってみた。私が食べるとソースが飛ぶ率が高いので、ちょっと避けがち。
「俺達まで恩恵に預かったな」
 ちょっと申し訳なさそうなファングさん。金の虎の目玉焼きはアルスさんが焼いて、全部ちょっぴり焦げてる、ご愛嬌。ファングさんとガリストさんはビール。リィマさんとフリンダさん、アルスさんはお茶。金の虎には痩せの大食いアルスさんがいるので、テーブルが賑やか。追加メニューは本日の鮮魚のポワレ、エビフライ×3、ボロネーゼ、オムライス・ビーフシチュー添え。
「おめでとう、エマちゃん、テオ君」
 ロッシュさんがお祝いの言葉をくれる。嬉しそうなエマちゃんとテオ君。ありがとうございます。
 山風成人組はビール。マアデン君とハジェル君はお茶ね。目玉焼きは仲良くマアデン君とハジェル君が仲良く焼いていた。ロッシュさんとシュタインさん、ハジェル君は固め。ラーヴさんとマアデン君は両面焼き。ここにも痩せの大食いハジェル君がいるので、テーブルが賑やか。サーモンのカルパッチョ、エビフライ×3、オムライス・ビーフシチュー添え、フライドポテト。
「皆さん、追加必要な時は、言ってくださいねー」
「「「「「はーい」」」」」
 ルージュの鼻息が荒いが、無視。だけど、最後方でうるうるされたので、一皿だけね。もちろんビアンカやアレス達にもね。
 それから追加をタップタップタップ。
 ふー、お腹いっぱい。
 デザートはJOY-Pのミニパフェやさくら庵のケーキセットを希望を聞きながらチョイス。エマちゃんとテオ君はミニパフェ。私とチュアンさんはさくら庵の濃厚プリン。晃太はさくら庵のA産ミルクジェラート。ホークさんとミゲル君、マデリーンさんはお腹いっぱい。デザートのリクエスト聞いてタップ、と。
 ケルンさんが安定のリスと化しているが、いつもの事。しかし、皆さんよく食べる、身体が資本だからね。
「あの坊主どもの腹はどうなっておるんだ?」
 痩せの大食いアルスさんとハジェル君。お腹ポンポンだ。積み上がったお皿に、大食漢種族であるツヴァイクさんがいつもの様に不思議そうに見ている。
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