上 下
684 / 820
連載

フィールド型ダンジョン⑦

しおりを挟む
 魔法陣の奥の方から、フォルムの大きなGが生えてきた。数体はくすんだような赤茶けたのが出てきた。
 多分、ジェネラルだ。ぽこぽこ、タケノコみたいにっ。
『ふんっ、気持ち悪いわねっ』
 ルージュが『光の貴婦人(リュミライトレディ)』になり、閃光を放つ。次々に頭を吹き飛んでいく。お見事だけど、えぐいっ。
 多分、奥方面で、ルージュが走り回っている。厄介なクイーンを探しているんだろうけど、まだ見つかってなんや。
 魔法陣から無事に生えてきたGがこっちに向かってせくるが、三人娘が通すわけないし、冒険者の皆さんだって問題なく迎撃している。
 私は三人娘、晃太とミゲル君達は、微妙に移動して、ロッシュさん達と合流する。
 白い魔法陣が更に脈打つように広がっている。広がっていたが、急に止まる。
 きっとルージュがクイーンを仕留めたんやっ。だが、消えたわけではない、クイーンは複数いるようだから、まだ残っているんやっ。
 白い魔法陣が広がりは止まったが、出てくるGは変わらない。しっかり何が出てくるか確認したいが、私の余裕がなくなる。Gが無事に?なのか、魔法陣から生えて、こっちに飛び出してくるからだ。晃太がデバフを連発しているから、脆い枯れ木のようにGがなぎ倒されていく。
 あ、赤茶けG、しかも大きい、ジェネラル、今までみたジェネラルにしては一番大きなのが突撃してくる。うわっ、他のGを邪魔とばかりに蹴り飛ばし、中には踏み潰しながらっ。もうっ、えぐいのいやっ。
「ダウンッ、ダウンッ」
 晃太のデバフが連発。
 コハクの土の砲弾、ヒスイの風の刃が直撃。ルリとクリスは、その大きなGの後ろな隠れて続くGを狙い打ちしている。大きなジェネラルは、コハクとヒスイの攻撃を、まともに受けたが、巨大な棍棒を降り上げる。
「ワンワンワンワンワンッ」
 元気が氷の矢を連射。
 赤茶けたGを見事撃破っ。
 お尻ぷりぷりやけど、凄かっ。
 大きな赤茶けジェネラルは倒せたが、他にも色んなサイズのGが出てくる。出てくるが、急に生えてくるのが少なくなる、半分って程ではないが。きっとルージュがクイーンを倒したんやっ。それでも出てくるのなら、やだクイーンが残っているんやな。一体何体いるんやっ。
 生えているGの中に、一際大きな、メタボなGが出てきた。キングやっ。しかも、一匹やないっ。
 一番に生えてきたキングが向かったのは、エリアンさん達の方。他のGを薙ぎ倒し、踏み潰し、その手に持つのは、棍棒ではない。凶悪な斧だ。ツヴァイクさんが盾を構えて、その後ろからエリアンさんが矢を放ち、ヒェリさんが火の矢を放つ。シュタインさんはそんな二人を横から攻撃しようとしてくるGを、斬り倒していく。キングはエリアンさんとヒェリさんの攻撃をもろともせず、突っ込んでくる。ツヴァイクさんが、ぐっ、と腰を落とした。

 ドウンッ

 破壊音と共にぶっ飛んできたのは、ボス部屋の扉。
 扉はツヴァイクさんの直前までキングを直撃。扉が直撃したキングは流石に倒れたが、立ち上がろうともがいている。
「グギャッ」
 その扉を押し潰すように、足で押さえるのは、アレスだ。やっぱり扉をこじ開けてくれたっ。こじ開けてくたが。
「グルルルルルルッ」
 びゃーっ、凶悪犯でも逃げ出すような顔っ、背中の毛が総立ちっ。迫力半端ないっ。厄災クラスやっ。扉の下敷きになっているキングはじたばたしているが、アレスがちょいと力を入れると、ぷち、となる。やだあ、えぐいーっ。
『ユイッ』
「ユイさんっ」
 あ、ビアンカとホークさん達が駆け寄ってきてくれた。ぶわっ、と安心感が沸き上がる。
 それから怒涛の展開だ。
 アレスが凶悪暴走戦車となって蹂躙。もちろんイシスやオシリス達も来てくれたし、ケルンさん達も来てくれたので、瞬く間にGが殲滅されていった。
 はあ、大した事してないのに、気疲れしてしまった。
 怪我がないかのチェックしていると、ルージュが戻ってくる。
「ルージュ、お疲れ様、大変やったね。怪我はなか?」
『ないわ。はあ、探すのに手間取っちゃったわ』
『ルージュよっ、兄が来たのだぞっ』
『はいはい』
 ボス部屋の扉をこじ開けることは、できるが、それはレベルが高く、魔力量が多くなくてはならない。現在のメンバーでできる最低レベルにあるのはアリスとオシリスだ。
 やけど、何で一度ボス部屋掃討してから、本来あるクールダウン時間を無視して復活したんやろ? ボス部屋の復活は、中に誰かいたらいつまで経ってもしないって聞いたけど。父がいたら、鑑定して分かるんだろうが、生憎いないし。
 ドロップ品を拾い、宝箱をチェック。
 豪華バラエティーボックスだ。
 下級エリクサー5本、上級ポーションが10本、中級ポーション3本。魔力回復ポーション7本。銀色の透かし彫りのバレッタと指輪、イヤリング。小さな宝石が着いててかわいか。リィマさんが直ぐに査定してくれた。あ、もう一つ出てきた、お馴染みビロードの箱に。けると水色の大粒の石が着いたブローチだ。
「透かし彫りが全部で120万って所かね。こっちのアクアマリンのブローチは、500万だね」
 結構いい額。
 その前の宝箱には、中級ポーション5本、魔力回復ポーション3本だった。ビロードの箱もあったが、あのドタバタで回収し損ねたそうだ。仕方ないよね。
 それでも、合計したらかなりいい額。
 また、扉がいきなり閉まるのは嫌なので、直ぐにボス部屋から出る。本当は先に進みたかったが、このボス部屋のからくりが知りたいとバトルジャンキー達が言うため、ボス部屋の外に。
 休憩の為に、私はルームを開けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

別に構いませんよ、離縁するので。

杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。 他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。 まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

【完結】虐げられた令嬢の復讐劇 〜聖女より格上の妖精の愛し子で竜王様の番は私です~

大福金
ファンタジー
10歳の時、床掃除をしている時に水で足を滑らせ前世の記憶を思い出した。侯爵家令嬢ルチア 8さいの時、急に現れた義母に義姉。 あれやこれやと気がついたら部屋は義姉に取られ屋根裏に。 侯爵家の娘なのに、使用人扱い。 お母様が生きていた時に大事にしてくれた。使用人たちは皆、義母が辞めさせた。 義母が連れてきた使用人達は私を義母と一緒になってこき使い私を馬鹿にする…… このままじゃ先の人生詰んでる。 私には 前世では25歳まで生きてた記憶がある! 義母や義姉!これからは思い通りにさせないんだから! 義母達にスカッとざまぁしたり 冒険の旅に出たり 主人公が妖精の愛し子だったり。 竜王の番だったり。 色々な無自覚チート能力発揮します。 竜王様との溺愛は後半第二章からになります。 ※完結まで執筆済みです。(*´꒳`*)10万字程度。 ※後半イチャイチャ多めです♡ ※R18描写♡が入るシーンはタイトルに★マークをいれています。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。