もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
656 / 869
連載

出来るだけの準備⑤

しおりを挟む
 私はホークさん、エマちゃん、テオ君、ビアンカ、アレス、アリス、シルフィ達でダンジョンに。
 一回だけ、もし長い待ちがあるようなら諦める。お泊まりなし。
 ダンジョンの警備の人に説明すると、すんなり通してくれた。
「3階のボス部屋近くのセーフティゾーンに繋がっています。ただ、現在多くの冒険者パーティーが入っていますので、ボス部屋は列になっている可能性があります」
 丁寧に教えてくれる。ありがたい。私はお礼を言って魔法陣のある小屋へ。
 シルフィ達のバギーはエマちゃんが押す。シルフィ達もすくすく育っているので、バギー内ぎっちぎちだ。
『いいのですね』
 ビアンカが確認して、魔力を流すと、お馴染み景色が変わる。あ、原っぱだ。休んでいた冒険者の皆さんがびっくりしている。
 どうもどうもとご挨拶する。
「ボス部屋ってどっちですかね?」
「あ、あっちだ」
 体格のいい犬耳の獣人男性が教えてくれる。
 さ、行きましょ。
「すげえ、初めて見た」
「でっけえなあ」
「なんでこんな階層に? もっと上に行かねえの?」
 こそこそ話しているのが聞こえたが、スルー。
 あ、やっぱり並んでいる。
 冒険者パーティーは三つ。
 アレスに、ビアンカ、アリスにびっくりされた。そうだわなあ、おっきいもんねえ。
 ここはまず、ご挨拶。
「ど、どうも」
 と、すぐ前の冒険者パーティーのリーダーさんが返事をしてくれる。
「素通りですか?」
「いえ、この仔達の訓練を兼ねてまして」
 ちょうど、シルフィがバギーから飛び降りる。アリスが飛び出さないように鼻先で誘導する。並んでいる冒険者から、かわいい、と歓声が上がる。私の鼻が、びーん、と伸びる。
「そうなんですね。えっと、多分3時間は待ちますよ」
 やっぱりかー。
『主よ、主よ、ボス部屋なのだ』
「アレス」
『はい、ごめんなさいなのだ』
 直ぐに服従の姿勢。
(えっ? 腹出したよ)
(あんなでっかいウルフが?)
 こそこそ。それから、ちょっと後退りして、わぁ、引くぅ、みたいな目で私を見てくる。なんか、なんか、刺さる。
「こほん。ビアンカ、アリスどうする?」
『そうなのですね』
「わふーん」
 ビアンカとアリスが話し合っている間に、イフリィとノームもバギーから飛び降りている。服従の姿勢のアレスに、尻尾ぷりぷりしながら寄っている。
「ユイさん、ちょっと」
 ホークさんがちょいちょいと手招き。なんやろ?
「これは奥の手と言うか……………」
 ゴニョゴニョ。あ、なるほど。
「あのー、並んでいる皆さん」
「「「はいっ」」」
 ピシャッ、ときおつけ、みたいにならんで。
「えっと、皆さんと交渉をしたいと思います。私達はあまり遅くなりたくないので、次にボス部屋が開いて譲って頂いたら、すべてのドロップ品と宝箱を進呈します。うちの従魔が開けるので、軽く10倍は出ますので」
 これは高ランクの冒険者パーティーがするらしい。ケルンさんとフェリクスさんから聞いたそうだ。
 先にボス部屋を挑む代わりに、ドロップ品や宝箱を渡す。高ランク冒険者パーティーは、低階層のボス部屋でウォーミングアップして、先に進むんだって。まだ、先の階層で稼げるからね。
 さ、各パーティーのリーダーさんが話し合い。
「「「どうぞ」」」
「ありがとうございます」
 ラッキー。
 ペコペコしながら、前に。服従の姿勢だったアレスが、起き上がり、いそいそとついてくる。
 やっと、バギーから降りたウィンディは、案の定情けない顔で私にすがりつく。
「きゅーん、きゅーんっ」
「ウィンディ、避けられん道よ」
「きゅーんっ」
 よしよし。シルフィは譲ってくれた冒険者パーティーの皆さんから、かわいいと撫でられている。そこに、イフリィとノームも加わり、わいわい。
 程なくして、ボス部屋の扉が閉まる。
 復活したね。
 シルフィ、イフリィ、ノームは尻尾ぷりぷり。ウィンディはシルフィのうしろにくっついている。
 ボス部屋はアリスが開ける予定。私でもいいような気がしたが、話し合いこうなった。情報では角装備のウサギが、7~10匹出る。多分、3桁行くか行かないかかな?
『開けるのだー』
 止めるまもなくアレスが呑気に前足で、黒っぽい扉を押し開ける。ちょっとちょっとっ。シルフィ達が弾けるようなビー玉の様に飛び出していく。ウィンディまで釣られて行ってしまった。
『父が守るから、おもいっきり魔力を使ってみるのだー』
『はぁ、仕方ないのです』
「わふーん」
 ビアンカとアリスが続く。
 私も慌ててボス部屋に。
 ひーっ、目のつり上がったウサギがーっ。でもってあからさまにサイズのでかっ、でっかいのがっ。あれ、18階のボス部屋に出るやつやないっ?
 そんな気が回らないっ。私はフライパンを抜く。
『大丈夫なのです。ユイは私が守るのです』
 ビアンカが冷静に水の矢を連射。次々に命中、さすがっ。
 ホークさん、テオ君、エマちゃんはそれぞれ剣を持ち、落ち着いて対応している。私はビアンカにしっかり守られて出番無し。
 デカイウサギ? アレスが、ふんっ、と言ったら首がちょんと飛ぶ。恐ろしか。
 シルフィ達はそれぞれの属性の色のラインを体に浮かばせながら、ウサギにパンチを食らわしている。ウィンディだけは逃げながら、水の玉を放っている。きゅんきゅん鳴いているが、ちゃんと出来てるやん。アリスは徹底的に見守り姿勢。アレスも尻尾ぷりぷりで見守り姿勢だが、ウサギが必死に角で攻撃しているのに、アレスの身体に刺さらない。なんでや、ふわふわもふもふボディなのに。アレスのぷりぷり尻尾が、角ウサギを薙ぎ払うと、吹っ飛んでドロップ品になっていった。
しおりを挟む
感想 836

あなたにおすすめの小説

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~

水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」 夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。 王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。 「左様でございますか」 彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。

恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました

あい
恋愛
両親を失ったあの日、 赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。 それが、アリア。 世間からは「若い母」と呼ばれながらも、 彼女は否定しなかった。 十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。 恋も未来も、すべて後回し。 けれど弟は成長し、ついに巣立つ。 「今度は、自分の人生を生きて」 その一言が、 止まっていた時間を動かした。 役目を終えた夜。 アリアは初めて、自分のために扉を開く。 向かった先は、婚姻仲介所。 愛を求めたわけではない。 ただ、このまま立ち止まりたくなかった。 ――けれどその名前は、 結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。 これは、 十六年“母”だった女性が、 もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。

みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」 魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。 ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。 あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。 【2024年3月16日完結、全58話】

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。