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ランクアップ⑪
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20階は岩山フィールド。
『オシリスヨ、私ノ後ニ続ケ、離レルナ』
「くうっ」
私は皮のホークさんに包まれて具材に徹する。
このフィールドで困難なのは、険しい登山コースだということ。魔物も当然出るが、遭遇率が他の階層に比べて、かなり低い。
出てくる魔物は岩山に擬態する蜥蜴と、小型ストーンゴーレム。
『フンッ、蹴散ラシテクレル』
イシスが頼もしいっ。
遠くで、ギャーギャー言ってるのはワイバーンだ。
ゆっくり、イシスが助走を着けて空に舞い上がる。間をおかず、オシリスも離陸態勢に。
ぶわっ、岩山を足場に駆け上がるオシリス。時空神様のブーストのおかげで圧がかかないのが、ありがたい。
20階のスタート地点は時計でいう0時の位置。徒歩での登山コースなら時計回りに9時方向に、ぐるっと回る必要があり、時間がかかる。
だが、グリフォン新幹線オシリスは、そんな必要はない。逆時計周りに飛行して向かうので短時間ですむ。このコースで最大の障壁が、ワイバーンだ。このコース上だけ、ワイバーンが出回っている。足場が微妙な岩山の為に、私の様な徒歩での登山は、時間を要する時計周りで進む。
イシスに続くように私とホークさんを乗せたオシリスが上昇。進路にいるワイバーン達がこちらを向き、態勢を変えた。当然向こうは気がつくよね。
『私ハ大空ノ覇者、エンペラーグリフォン』
イシスの迫力のある声が響き渡る。
あ、あれはまさかっ。
『私ノ前ニ立チハダカル、愚カナルモノ達ニ、風ノ刃ヲ下ソウゾ』
イシスのまともな口上を初めて聞いた。しかも、あれはビアンカが最も使うやつ。イシスの翼に翠の美しいラインが浮かび上がる。
『戦闘モード 風乙女(シルフィリア)』
イシスの戦闘モードが初発動やっ。いや、私が初見なだけ。
ちょっと感動っ、と思っていたら、イシスのスピードが一気に加速。いやいや、イシスや私やホークさんを乗せたオシリスじゃ無理なスピードやんっ。此方に向かって来ている集まってきている、ワイバーンが間に合ってない。
ギュバンッ、とイシスが遥か彼方に。
「ギャーッ、ギャーッ」
「ギャーッ」
「グギャーッ」
ひーっ、ワイバーンがイシスを無視することに決めた様子。こっちにロックオン。
ズバババババババッ
ロックオンしたが、ワイバーンが次の瞬間、脆い紙飛行機の様に墜落していく。
最強戦闘機も真っ青なイシスが、一気に旋回し、ワイバーンを蹴散らしていく。イシスは戦闘機特有の轟音がない。まさに空気を切り裂いていく音な。
「ギャーッ、ギャーッ、ギャーッ」
ワイバーンがどんどこ落ちていく。ひーっ、怖かーっ。
オシリスに近付こうとするワイバーンの首が、ちょん、と飛ぶ。イシスの高速旋回、強靭な翼に風の魔力を宿してする違っただけで、ワイバーンの首が飛び、翼がばっさり切り落とされていく。もう何度もか分からないが、我ながら恐ろしい魔物を従魔にしたけど、お尻がやっぱりモコモコやっ。
だが、オシリスは落ち着いて上昇し、旋回する。毎回思うが、どんなアトラクションにも負けない迫力や。険しい岩山の山肌がすごいスピードで過ぎていく。ゆっくり見ている余裕? 有りません、手すりを握りしめ、ほとんど目を閉じている。ホークさんにしっかり守ってくれている。私が出きるのは大人しく騒がない事。これが大事。
『オシリス、周囲ノ邪魔者ハ排除シタ』
あれだけいたワイバーンが、戦闘モードのイシスになす統べなく墜落したようだ。ゆっくり、オシリスの横に並ぶ。通常のイシスになっている。
うん、飛行するイシスの姿は、悠然としていて、まさに王者の風格。
オシリスが翼を角度を変える。
着陸態勢に入った。あ、ぽっかりと空いた穴がある。
「ユイさん、このまま突入します」
「はい」
オシリスは羽の角度を変えながら、ぽっかり空いた穴に、無事に着陸した。
『オシリスヨ、私ノ後ニ続ケ、離レルナ』
「くうっ」
私は皮のホークさんに包まれて具材に徹する。
このフィールドで困難なのは、険しい登山コースだということ。魔物も当然出るが、遭遇率が他の階層に比べて、かなり低い。
出てくる魔物は岩山に擬態する蜥蜴と、小型ストーンゴーレム。
『フンッ、蹴散ラシテクレル』
イシスが頼もしいっ。
遠くで、ギャーギャー言ってるのはワイバーンだ。
ゆっくり、イシスが助走を着けて空に舞い上がる。間をおかず、オシリスも離陸態勢に。
ぶわっ、岩山を足場に駆け上がるオシリス。時空神様のブーストのおかげで圧がかかないのが、ありがたい。
20階のスタート地点は時計でいう0時の位置。徒歩での登山コースなら時計回りに9時方向に、ぐるっと回る必要があり、時間がかかる。
だが、グリフォン新幹線オシリスは、そんな必要はない。逆時計周りに飛行して向かうので短時間ですむ。このコースで最大の障壁が、ワイバーンだ。このコース上だけ、ワイバーンが出回っている。足場が微妙な岩山の為に、私の様な徒歩での登山は、時間を要する時計周りで進む。
イシスに続くように私とホークさんを乗せたオシリスが上昇。進路にいるワイバーン達がこちらを向き、態勢を変えた。当然向こうは気がつくよね。
『私ハ大空ノ覇者、エンペラーグリフォン』
イシスの迫力のある声が響き渡る。
あ、あれはまさかっ。
『私ノ前ニ立チハダカル、愚カナルモノ達ニ、風ノ刃ヲ下ソウゾ』
イシスのまともな口上を初めて聞いた。しかも、あれはビアンカが最も使うやつ。イシスの翼に翠の美しいラインが浮かび上がる。
『戦闘モード 風乙女(シルフィリア)』
イシスの戦闘モードが初発動やっ。いや、私が初見なだけ。
ちょっと感動っ、と思っていたら、イシスのスピードが一気に加速。いやいや、イシスや私やホークさんを乗せたオシリスじゃ無理なスピードやんっ。此方に向かって来ている集まってきている、ワイバーンが間に合ってない。
ギュバンッ、とイシスが遥か彼方に。
「ギャーッ、ギャーッ」
「ギャーッ」
「グギャーッ」
ひーっ、ワイバーンがイシスを無視することに決めた様子。こっちにロックオン。
ズバババババババッ
ロックオンしたが、ワイバーンが次の瞬間、脆い紙飛行機の様に墜落していく。
最強戦闘機も真っ青なイシスが、一気に旋回し、ワイバーンを蹴散らしていく。イシスは戦闘機特有の轟音がない。まさに空気を切り裂いていく音な。
「ギャーッ、ギャーッ、ギャーッ」
ワイバーンがどんどこ落ちていく。ひーっ、怖かーっ。
オシリスに近付こうとするワイバーンの首が、ちょん、と飛ぶ。イシスの高速旋回、強靭な翼に風の魔力を宿してする違っただけで、ワイバーンの首が飛び、翼がばっさり切り落とされていく。もう何度もか分からないが、我ながら恐ろしい魔物を従魔にしたけど、お尻がやっぱりモコモコやっ。
だが、オシリスは落ち着いて上昇し、旋回する。毎回思うが、どんなアトラクションにも負けない迫力や。険しい岩山の山肌がすごいスピードで過ぎていく。ゆっくり見ている余裕? 有りません、手すりを握りしめ、ほとんど目を閉じている。ホークさんにしっかり守ってくれている。私が出きるのは大人しく騒がない事。これが大事。
『オシリス、周囲ノ邪魔者ハ排除シタ』
あれだけいたワイバーンが、戦闘モードのイシスになす統べなく墜落したようだ。ゆっくり、オシリスの横に並ぶ。通常のイシスになっている。
うん、飛行するイシスの姿は、悠然としていて、まさに王者の風格。
オシリスが翼を角度を変える。
着陸態勢に入った。あ、ぽっかりと空いた穴がある。
「ユイさん、このまま突入します」
「はい」
オシリスは羽の角度を変えながら、ぽっかり空いた穴に、無事に着陸した。
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