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ランクアップ④

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「皆さん、好きなだけ詰め込んでください」
 大量の箱が並び、皆さん総出で開けてくれる。流石に多すぎ。花と仔達が当然お邪魔虫さんだけど、花は防げても、仔達は防げない。
「ふげっ」
 あ、ハジェル君が元気に押し潰されそう。こらこら。一旦、すべてダイニングキッチンに運び入れる。
 ダイニングキッチンは従魔ズは入れないので、必死にアピールしている。
『どら焼きなのですー』
『イチゴのアイスがいいわー』
『我はなんでもいいのだー』
「くうっ」
 きゅるん、きゅるん、きゅるん、きゅるーん。
『クッキーヲ所望スル』
 ぎゅるん。
 なんでやろ? イシスのおねだりはいつも迫力が違う。アリスもささやかに訴えている。
 仔達からもせっせとおやつコールが沸き上がる。
 各自のお皿に乗せて、と。
『少ないのですっ』
『足りないわっ』
 フルーツどら焼きとスタンダードなどら焼き、地元の和菓子屋さんのお饅頭三個に、ビアンカとルージュがブーイング。
 すう、と母が立ち上がり。
 むにいっ。
 ビアンカとルージュの肩を掴む。
「なんね? この肉は?」
『……………………これでいいのです』
『……………………食べるわ』
 くすん、とビアンカとルージュが食べてる。実は先日のルーティダンジョンアタックで、リバウンドしてしまっている。私も色々忙しくて、おかわりコールに、よく考えずタップを繰り返していた。
『うまいのだー』
 てんこ盛りのアレスは呑気に食べてる。なかなかアレスの体重が700キロ以上にならない。父の鑑定では、やや痩せ気味なので、注意しているけど、うまくいかない。あれだけ走れば太る暇ないか。若手の中にも痩せ気味がいるので追加ね。ビアンカとルージュの恨みがましい視線が来る。
 気にしない、気にしない。
 しかし、いくらなんでも多すぎるので、各パーティーに配布。マジックバッグもほぼ各自持っているので、詰め放題だ。
 しばらくして、やって片付いた。
 ふう。ごみの破棄もいいかな。
 すると、足に衝撃が。
 あら? お久しぶりの魔法の三柱神様やん。闘神様も。保護者様は? あ、いらっしゃらない。
「どうされましたー?」
「「「「お菓子ーっ」」」」
「はいはい」
 かわいか。皆さんが慌てていつもの定位置に移動して、膝をついてる。チュアンがスムーズに白目を剥いてる。
 まずは、時間稼ぎに、JOY-Pのミニパフェをタップ。
「皆様、どうぞー」
 わーい、と椅子によじ登り、母が手を拭いている。よしっ。
「始祖神様、時空神様、大地の女神様。魔法の三柱神様と闘神様がいらしてます」
 よし、お知らせ終わり。
 次はお持ち帰りのお菓子をタップ。さっきのお菓子を一通り揃えて、と。こんなもんかな?
 パフェを食べる魔法の三柱神様と闘神様の微笑ましい姿を、呑気に眺める。
「すまんっ、迎えに来たっ」
 と、慌てた様子でやって来たのは黒髪イッケメンの時空神様。相変わらずイッケメン。
「お久しぶりです、時空神様」
「すまんな、騒がせて。ほら、帰るぞ」
「「「「はーい」」」」
 パフェも食べ終わっていたので、素直に椅子から降りてる。で、パタパタとかわいか音を立てて、伏せをしているビアンカとルージュをタッチ。ぶわっ、とビアンカとルージュの背中の毛が総立ち。
 はい、神様のブースト頂きましたー。
 そして左の神様が、私をちょいちょい。
「お馬さん、連れてきて」
 はいはい。ホークさんに目配せすると、素早く動いてくれた。
「ぶひひん」
 やや不安そうなノワールに、左の神様がタッチ。長い黒の鬣が靡く。ありがとうございまーす。
 私は手分けしてお菓子の箱を渡す。
「すまんな、ちょっと来ただけなのに」
「いえいえ。こちらも恩恵がありますし、ブーストも頂きましたから」
 その言葉に、ほっ、とした様な時空神様。イッケメン、眩しかっ。
「準備が進んでいるようだな」
「はい」
 桶の製作作業は、あと一つになり、お酒やジュースの投入も順調だ。カルーラの工房では、カラーシープやアーマーウルフ系の毛で、シャツやズボン、手袋の作成中だ。出来次第、王冠山に向かう。
「理解していると思うが、王冠山内部はフィールド型のダンジョンだ。これだけの戦力があるが、準備を怠るな」
 時空神様に言われて、気が引き締まる。
「はい、時空神様」
 私にはルームがあるが、他の皆さんにはない。もし、はぐれた時為に、物品確認や。
 ばいばい、と手を振る魔法の三柱神様と闘神様、お菓子の箱を抱えた時空神様をお見送り。
 
 てってれってー
『時空神 魔法の三柱神 闘神 降臨確認 ボーナスポイント50000追加されます』

「チュアン、しっかりしろっ」
 いつもの感じで、白目を剥いてるチュアンさん。ホークさんが肩を揺らして、やっと覚醒した。
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