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カルーラで合流④

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 宝箱は大きさで内容が比例しない。大きいと高額、小さいとしょぼい、とかではない。たまに、せこっ、と思う時があったけど、開けて調べてびっくりなんてことはしょっちゅうだった。
 並べられた5つの宝箱。
 まず、1つ目の宝箱にアリスが罠解除をする。
 ぱきり。
 すぐに解除できたみたいやね。
「わふんっ」
「ありがとうアリス。さて、と何かな」
 何時まで経っても、この瞬間はワクワクや。
 ぱかり、と開けると、ど定番のビロードの箱。
 キラキラよね、きっとキラキラ。
 開けると、粒の大きな緑の宝石をメインに、やや色味の薄めの緑と水色、透明の小粒の宝石が飾ってある、ネックレスと指輪のセットだ。豪華や。リィマさんがいたら、鑑定と査定してくれるんだけど。代わりにツヴァイクさんがみてくれる。
「えーっと、この大きいのは翡翠ですな。回りはペリドットやアクアマリン、後はダイヤモンドですなぁ」
 慣れたように、すごいですな~、とツヴァイクさん。
 これはカルーラに着いたら、リィマさんに査定額出してもらおう。価格次第ではグーテオークションに寄贈や。
 で、次の宝箱にアリスが取りかかる。
 ぱきり。
 これもすぐに解除できている。スピード上がってきてる。最近解除率ほぼ100%なんよね。
「アリス、ありがとう」
「わふんっ」
 では、ワクワクオープン。
 ずらっ、と並ぶのはポーション類。見慣れたポーション類は上級ポーションが10本、中級ポーションが10本、解毒ポーションが5本、魔力回復ポーションが10本。すべて引き取る。
 次の宝箱も時間もかからず解除。
 この宝箱は長持みたいな形で結構サイズがある。
 ワクワク、よいしょ、オープン。
 あら、更に麻のような袋がいくつもある。なんやろ? 触るとなんだか柔らかい。縛ってある口を開けると綿みたいなのがびっしり入っている。ダンジョン最下層で綿?
「これは、カラーシープの毛やなあ。無と火属性があるな」
 横から父が見てくれる。他の袋の中身も見てもらう。ホークさん、エドワルドさん、ツヴァイクさんが手分けして開けてくれる。袋は全部で6つ。カラーシープの毛は属性付与が付きやすく、また元が通気性がよく、丈夫なため、冒険者や騎士達が欲しがる一品。ある程度のレベルにある彼らは、無属性魔法があるので、戦闘職はもちろん魔法職でも欲しがる品となる。ちなみにマデリーンさんのワンピースには、カラーシープの毛が入っている。
 中身は無と火属性、水属性、風属性、土属性、無と土属性、闇属性の6つだ。
 これで、皆さんのシャツとか作ったらいいかも。やっぱり防御力がね。首都で買ったチュアンさんのシャツ、マデリーンさんのワンピース、大事に着てくれているけど、最近くたびれて来ているしね。
 ただ、このモコモコ状態からシャツやワンピースに作り上げるには、時間がかかるでしょうって。
 どれくらいかかるか分からないけど、工房に聞いてみてもいいかな。王冠山に挑んでいても、私にはサブ・ドアがある。母に代わりに受け取ってもらってもいいかも。よし、そうしよう。分厚く作って貰えれば、防御力アップだ。全部そうしよう。他の皆さんのサイズも測ってもらおう。
 4つ目の宝箱の解除には、少し時間がかかるが、無事にぱきり。アリスがどやっ。よしよし。
 はい、ワクワクオープン。
 あ、金属の塊、インゴットや。青みがかった銀色のインゴットが3つ。それから黒っぽいインゴットが3つ。
「ミスリルと魔鉄ですな」
 ツヴァイクさんが一目見てわかったみたい。
 これは一旦引き取りにしよう。実は晃太の新しいフライパンをどうしようか、なやんでいたからね。どうやら晃太はミスリルと相性がいいみたいで、最近では今のフライパンでは物足りなさを感じているよう。よし、作っちゃえ。カルーラの工房にお願いしよう。
 最後の宝箱には、苦戦している。ご褒美の宝箱だからかな。真剣な顔で、鼻先から黒い霞を出している。
 …………………………………………………………ぱきり。
「わふんっ」
 どややややっ、とアリス。
「ありがとうアリス、手強かったね」
「わふんっ」
 ワクワクオープンッ。
 はい、来ましたビロードの箱。全部で7つ。サイズバラバラ。3つは指輪サイズのビロードの箱、中にはシンプルな指輪が。ご褒美部屋の宝箱が普通の指輪なわけない。
「お父さん」
「これはなあ、全部体力回復と解毒の指輪やな」
 なら、引き取りやな。
 私の両の手のひらサイズが2つ。開けるとシンプルなブレスレット。それぞれペアみたい。
「お父さん」
「あー、と、これは条件の合うのが身につけたら、効果があるって」
「条件?」
 初めてなやつ。
「同じ父母を持つ兄弟が身につけたら、魔力回復と回避能力アップって」
「エマちゃんとテオ君用やね。兄弟やなかったらどうなるん?」
「効果が半減やな」
「ふーん」
 もう1つペアがあるから、これはエアリーズとトーレスのバンダナにつけよう。うーん、ヴァルゴとティエン、サジタリウスとカプリコーン用に出ないかなあ。
 残りはペンダントが入ってそうなサイズのビロードの箱。ここまで来たらマジックアイテムだよね。開けてみると、キラキラッ、がずらーっと一列で並んでいる。サイズ、小豆くらいかな?
「ダイヤモンドですなー」
 もう驚きもしないツヴァイクさん。リィマさんの査定待ち、と。
 次は、ぱかり、キラキラッ。薄い黄色の宝石がっ、ずらーっと。
「イエローダイヤモンドですなー」
 そ、そうですか。リィマさんの査定待ち、と。
 最後は。
 ぱかり、キラキラッ。水色とピンク色の宝石が、ずらーっと。
「ブルーダイヤモンドとピンクダイヤモンドですなー」
 リィマさんの査定待ちやな。
「いくらくらいになるんやろ」
 流石、ご褒美の宝箱やけど、毎回凄かなあ。
「そうですなぁ、儂は査定出来ませんが、かなり質がいいようですから、軽く数億行くのではないかと」
 あ、やっぱり。
 これは小出しにしてグーテオークションに寄贈やな。
「アリスお疲れ様、ご飯にしようね」
「わふんっ」
 大丈夫だと、尻尾ぷりぷり、かわいか。
 メインルームに戻ると、晃太達も帰ってきた。
「あ、姉ちゃん、宝箱エリクサーが出たばい」
「そうね」
 通常、エリクサーは年に数本しか出ないのに。レベルの高いビアンカやルージュ、更に厄災クラスのイシスとアレスが開けると高確率でエリクサーが出る。相応にわじゃわじゃなボス部屋になるけどね。
「エリクサーは引き取ろう」
「分かった」
 サブ・ドアから、あー、スッキリー、とした顔のビアンカとルージュが出てきた。

 てってれってー
【ルーム レベル40にアップしました HP5000追加 特別オプション追加されます】

 ぽわん、とルームの壁、サブ・ドアの隣に新しいドアが現れた。
 久しぶりにルームのレベルが上がったなあ。
 …………………………はっ、視線を感じるっ。
『これなら別のダンジョンに繋がるのですね』
『ウサギばかりじゃ飽きてしまうわ。別のボス部屋ね』
『ウム、近クデソコソコノダンジョンダナ。ヤハリ、人ノ巣ガ側二アルダンジョンノ方ガ食エルノガ多イナ』
「ちょっとこれは保留よ。ダンジョンにサブ・ドアを登録するのは考えてからね」
『『『えー』』』
「えー、やないよ、全く」
 バトルジャンキーやなあ、やっぱり。
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