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カルーラで合流③
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ご指摘ありがとうございます。
明日はカルーラに到着する。
中庭では、桶に焼酎とジュースの投入作業が順調に進んでいる。私とホークさんは馭者台に座っているので、晃太をはじめ、残りのメンバーがやってくれている。脚立に上り、ペットボトルの横にナイフを入れてドバドバ一気に入れている。入れる量が多いからね。ケガだけはしないようにお願いした。
「ユイさん、今日はここまでにしましょう。明日の昼前にはカルーラに到着します」
「はい」
ノワールはホークさんの言うことはよく聞く。ゆっくり停車。
「ビアンカ、ルージュ、近くに他に誰もおらんかね?」
『いないのですね』
『そうね』
よし、いいかな。
ホークさんがまず降りて、私は手を借りて降りる。ふう、流石に日が落ちると肌寒い。
『ねえね、ヒスイ、お腹減った』
『ルリも~』
『クリスも~』
『我はボス部屋~』
「アレス」
『あ、はいなのだ。ごめんなさいなのだ』
もう。
暇さえあれば、サブ・ドアに繋がるウサギ部屋に行ってるやん。朝なんて、起きて直ぐにちゅどん、ドカン。朝ごはん終わってちゅどん、ドカン。出発準備が終わった頃にちゅどん、ドカン。お昼休みでもルーム入って直ぐにちゅどん、ドカン。お昼ごはん終わってちゅどん、ドカン。でもって夕ごはんの前にちゅどん、ドカン。夕ごはん終わってちゅどん、ドカン。寝る前までにちゅどん、ドカン。勘弁して欲しい。確かに若手達や魔境のシヴァやお母さんウルフ、お父さんウルフ、補佐ウルフ達のレベルアップもあるけど、大変なのよ。最近なんて、常に移動の生活なので、ルーム内でサブ・ドアを開けっ放しにして、魔境から馴れたシヴァ達がチョロチョロやってくる。で、ウサギ部屋に挑んでいる。この度、ビービー鳴るけどね。ルーム内に両親と晃太がいる時だけよ、と約束したら、きちんと守っている。帰り間際、母がおやつまであげるので、順番待ちして待ってるみたい。
「さあ。入ってー」
イシスグリフォン飛行部隊も降りてきた。たまーに、何かしらぶら下げて来るけど、今日はない。若手達はオフィーリアを先頭に二列で進んでいるのでそのままストップ。
ルームを開けて入り、私は従魔の足拭きをタップ。ノワールはホークさんが誘導してくれる。花がダイニングキッチンから出てきて、ぽちゃぽちゃボディでお出迎えしてくれる。あはははん、かわいか、ぽちゃぽちゃ。ローリングする花を撫でていると、肩をちょい、と押される。ビアンカとルージュだ。
『ねえ、ユイ、アレスではないのですが、おもいっきり動きたいのです』
『そうね。たまに意識飛ぶくらい戦いたいわ』
きゅるん。
いや、内容が物騒なんやけど。
最近、ビアンカやルージュは仔達や若手達を優先している。基本的に援護や指導ね。アレスは若手達にはお構い無しにボス部屋突っ込んでいる。
『『ユイ~』』
きゅるん。きゅるん。きゅるん。
ビアンカとルージュのきゅるんは久しぶりやな。
「アレスと魔境ば走ったら?」
『『それは嫌』』
あのね。
『主ヨ、私モ行キタイゾ、ピザヲ所望スル』
イシスもずいっ、とやってくる。イシスはきゅるん、ではない、ぎゅるん、だけどね。
まあ、いっか。私達の生活は、ビアンカやルージュ達のちゅどん、ドカンのおかげやし。
「分かった。晃太ば呼ぶかね」
中庭の作業が丁度終わったみたい。わあ、ロッシュさん真っ赤だけど。
にいに、と三姉妹が寄っていくので、晃太は口を尖らせてもふもふ。
「晃太、ごめんけど、ウサギ部屋に付き合ってやって」
「よかけど。ウサギのドロップ品とんでもない数なんやけど。さっき、ご褒美のやつまで出たんよ」
当日七回ボス部屋挑んで出現率30%のやつね。
「付き合ってやって。何が出たん?」
「罠があるけん、そのままアイテムボックス。他にも罠付きの宝箱が4つあるんよ」
「なら、罠はアリスに解除してもらうけん。ボス部屋付き合ってやって」
「はあ、分かった」
ビアンカとルージュの鼻息が首にかかって仕方ない。イシスの視線が突き刺さる。
晃太はため息付きながら、サブ・ドアへ。ビアンカとルージュが晃太にキャッキャウフフと張り付いている。アレスはボス部屋に行きたそうだが、ビアンカとルージュ、イシスに睨まれてすごすごと下がる。それで大人しくしているわけがない。仔達と若手達、そしてオシリスとノワールを引き連れて、サブ・ドアの向こうに広がる18階のフィールドに駆け出していく。あるだけのマジックバッグを首から下げておく。勿体ないしね。この階層で出る猪のお肉は角煮すると美味しいんだよね。
「ご飯できたら帰って来てよ」
『分かったのだっ。続けっ、甥っ子、姪っ子よーっ』
バーッ、とアレス達が飛び出していく。見送って、さ、夕ごはんの準備を、と。
ちゅどん、ちゅどん、ちゅどーん。
ドカン、ドカン、ドカカカカカーンッ。
ちゅどん、ドカン、ちゅどーん、ドカカカカカーンッ。
ウサギ部屋から早速いい音が響く。
もうやってるの?
晃太とドロップ品拾いに山風の皆さんが付き合ってくれるって。ありがたい。
「お母さん、私、宝箱チェックするけどよか?」
「よかよ。今日は鍋やしね。もうだいたい出来とるよ」
「ありがとう」
さ、私はホークさんに付き添われて、中庭でアリスの宝箱チェックだ。父ものんびりやって来た。チュアンさん達は夕御飯の準備、シルフィ達のブラッシング。エドワルドさんとツヴァイクさんは中庭に見学できた。
並んだ宝箱は5つ。
「アリス、お願いね」
「わふんっ」
アリスは並べられた宝箱の罠解除に入った。
明日はカルーラに到着する。
中庭では、桶に焼酎とジュースの投入作業が順調に進んでいる。私とホークさんは馭者台に座っているので、晃太をはじめ、残りのメンバーがやってくれている。脚立に上り、ペットボトルの横にナイフを入れてドバドバ一気に入れている。入れる量が多いからね。ケガだけはしないようにお願いした。
「ユイさん、今日はここまでにしましょう。明日の昼前にはカルーラに到着します」
「はい」
ノワールはホークさんの言うことはよく聞く。ゆっくり停車。
「ビアンカ、ルージュ、近くに他に誰もおらんかね?」
『いないのですね』
『そうね』
よし、いいかな。
ホークさんがまず降りて、私は手を借りて降りる。ふう、流石に日が落ちると肌寒い。
『ねえね、ヒスイ、お腹減った』
『ルリも~』
『クリスも~』
『我はボス部屋~』
「アレス」
『あ、はいなのだ。ごめんなさいなのだ』
もう。
暇さえあれば、サブ・ドアに繋がるウサギ部屋に行ってるやん。朝なんて、起きて直ぐにちゅどん、ドカン。朝ごはん終わってちゅどん、ドカン。出発準備が終わった頃にちゅどん、ドカン。お昼休みでもルーム入って直ぐにちゅどん、ドカン。お昼ごはん終わってちゅどん、ドカン。でもって夕ごはんの前にちゅどん、ドカン。夕ごはん終わってちゅどん、ドカン。寝る前までにちゅどん、ドカン。勘弁して欲しい。確かに若手達や魔境のシヴァやお母さんウルフ、お父さんウルフ、補佐ウルフ達のレベルアップもあるけど、大変なのよ。最近なんて、常に移動の生活なので、ルーム内でサブ・ドアを開けっ放しにして、魔境から馴れたシヴァ達がチョロチョロやってくる。で、ウサギ部屋に挑んでいる。この度、ビービー鳴るけどね。ルーム内に両親と晃太がいる時だけよ、と約束したら、きちんと守っている。帰り間際、母がおやつまであげるので、順番待ちして待ってるみたい。
「さあ。入ってー」
イシスグリフォン飛行部隊も降りてきた。たまーに、何かしらぶら下げて来るけど、今日はない。若手達はオフィーリアを先頭に二列で進んでいるのでそのままストップ。
ルームを開けて入り、私は従魔の足拭きをタップ。ノワールはホークさんが誘導してくれる。花がダイニングキッチンから出てきて、ぽちゃぽちゃボディでお出迎えしてくれる。あはははん、かわいか、ぽちゃぽちゃ。ローリングする花を撫でていると、肩をちょい、と押される。ビアンカとルージュだ。
『ねえ、ユイ、アレスではないのですが、おもいっきり動きたいのです』
『そうね。たまに意識飛ぶくらい戦いたいわ』
きゅるん。
いや、内容が物騒なんやけど。
最近、ビアンカやルージュは仔達や若手達を優先している。基本的に援護や指導ね。アレスは若手達にはお構い無しにボス部屋突っ込んでいる。
『『ユイ~』』
きゅるん。きゅるん。きゅるん。
ビアンカとルージュのきゅるんは久しぶりやな。
「アレスと魔境ば走ったら?」
『『それは嫌』』
あのね。
『主ヨ、私モ行キタイゾ、ピザヲ所望スル』
イシスもずいっ、とやってくる。イシスはきゅるん、ではない、ぎゅるん、だけどね。
まあ、いっか。私達の生活は、ビアンカやルージュ達のちゅどん、ドカンのおかげやし。
「分かった。晃太ば呼ぶかね」
中庭の作業が丁度終わったみたい。わあ、ロッシュさん真っ赤だけど。
にいに、と三姉妹が寄っていくので、晃太は口を尖らせてもふもふ。
「晃太、ごめんけど、ウサギ部屋に付き合ってやって」
「よかけど。ウサギのドロップ品とんでもない数なんやけど。さっき、ご褒美のやつまで出たんよ」
当日七回ボス部屋挑んで出現率30%のやつね。
「付き合ってやって。何が出たん?」
「罠があるけん、そのままアイテムボックス。他にも罠付きの宝箱が4つあるんよ」
「なら、罠はアリスに解除してもらうけん。ボス部屋付き合ってやって」
「はあ、分かった」
ビアンカとルージュの鼻息が首にかかって仕方ない。イシスの視線が突き刺さる。
晃太はため息付きながら、サブ・ドアへ。ビアンカとルージュが晃太にキャッキャウフフと張り付いている。アレスはボス部屋に行きたそうだが、ビアンカとルージュ、イシスに睨まれてすごすごと下がる。それで大人しくしているわけがない。仔達と若手達、そしてオシリスとノワールを引き連れて、サブ・ドアの向こうに広がる18階のフィールドに駆け出していく。あるだけのマジックバッグを首から下げておく。勿体ないしね。この階層で出る猪のお肉は角煮すると美味しいんだよね。
「ご飯できたら帰って来てよ」
『分かったのだっ。続けっ、甥っ子、姪っ子よーっ』
バーッ、とアレス達が飛び出していく。見送って、さ、夕ごはんの準備を、と。
ちゅどん、ちゅどん、ちゅどーん。
ドカン、ドカン、ドカカカカカーンッ。
ちゅどん、ドカン、ちゅどーん、ドカカカカカーンッ。
ウサギ部屋から早速いい音が響く。
もうやってるの?
晃太とドロップ品拾いに山風の皆さんが付き合ってくれるって。ありがたい。
「お母さん、私、宝箱チェックするけどよか?」
「よかよ。今日は鍋やしね。もうだいたい出来とるよ」
「ありがとう」
さ、私はホークさんに付き添われて、中庭でアリスの宝箱チェックだ。父ものんびりやって来た。チュアンさん達は夕御飯の準備、シルフィ達のブラッシング。エドワルドさんとツヴァイクさんは中庭に見学できた。
並んだ宝箱は5つ。
「アリス、お願いね」
「わふんっ」
アリスは並べられた宝箱の罠解除に入った。
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