もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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総仕上げ⑥

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 食後のまったりタイム。本日は本当にまったり。
 結局、通訳でイシスが残ってくれた。
 ぴしっ、と並ぶ若手達。もふもふ。やけど、その顔には緊張が浮かぶ。やっぱり、元エリアボスのイシスがいるからかな。
 さて、と。
 サブ・ドアの向こうでちゅどん、ドカン、バキバキ。晃太や鷹の目の皆さんが行ってくれてる。他のパーティーの皆さんは、コテージに帰ってもらう。
 名前を決めるかね。一応候補がある。
「じゃ、名前を決めまーす」
「「「「「「「「「「「「「わふんっ」」」」」」」」」」」」」
 イシスが嘴で順番に指示を出し、若手が1匹ずつ前に出る。ビアンカとルージュが紹介してくれた順番ね。
 両親も立ち会う。花はケージのクッションでふかふかと寝ている。
「まずは貴女は」
 自ら志願して訓練に付いてきたロックバイカラーウルフ。もふもふ垂れ耳大型犬。
 一番に紹介されたけど、最後に参加が決定した13番目のウルフね。
「優衣、何か考えとるん?」
 母がお茶をのみながら聞いてくる。
「一応ね。星座になぞらえてね。13番目の星座の蛇使い座」
「「蛇ぃ」」
 我が家は蛇嫌いやからね。
「そのまんまには使わんよ。確か、オフィークスやったかな」
「この子、女の子やろ? オフィークスって………」
 母がうーん、みたいな。
「なら、少しもじって、オフィ?」
 どうかな?
「うーん」
 母が首を傾げる。
「オフィーリア」
 ぽつり。と父が呟く。
「オフィーリアとかどうな? 女の子っぽくないね?」
「おお、よかやん。かわいかやん」
 母も納得している。
「なら、貴女はオフィーリアね」
「わふんっ」
 垂れ耳かわいか。オフィーリアは水・闇・光属性魔法を持つ。ちなみに、若手の中でも群を抜いて強く、仔達が束になっても勝てない。
『コヤツハ有望ダ』
 と、イシス。イシスが有望って言うなら凄いんやな。
 上位魔物からはたまにある事だけど、優秀な個体から、更に優秀な個体が生まれる。
『ツマリ、ビアンカノ仔、元気ミタイナモノダ』
「成る程」
『マ、元気ハ、ウルフノ個体ノ中デモ特別ダガナ』
「そうなの?」
 まあ、血筋的にも元気はすごかし。ビアンカは魔境のエリアボスクラスだし、実際父親は魔境の管理者、つまりエリアボスだったし。おばあさんにあたるリルさんはハンターウルフからフォレストガーディアンウルフに進化するほど優秀。しかもイシスの前にエリアボスだったし。極めつけはおじいさんや。特殊個体のフェンリルやったしね。
 今頃、雷、連発しているやろうなあ。
 ま、元気、かわいかけん、よか。
「次は」
 イシスが合図を出す。
 ずい、と出てきたフォレストガーディアンウルフの兄弟。見分けがつかない。
 ここからは名前は早かった。
「お兄ちゃんはエアリーズ、弟君はトーレス」
「「わふんっ」」
 見分けがつかないから、バンダナに頭文字を刺繍するって。
 他の見分け方は、それぞれ持つ属性魔法が1つ違う。エアリーズは風・木・水、トーレスは風・木・土だって。よしよし、もふもふ。
「次は、と」
 いそいそと出てきたアーマールークウルフ。
「ジェミニね」
「わふんっ」
 いつか、ウインディもこうなるんかなあ。ジェミニは火・土の属性魔法を持つ。
「はい、次は」
 もっふもっふと出てくるのは、ロックルビーウルフ。
「キャンサーね」
「わふんっ」
 キャンサーは火・闇属性を持つ。
「次は」
 す、と出てきたアーマービショップウルフ。
「レオやけど、よか?」
「女の子ばい。もっとかわいか名前がよくないね?」
 母が待ったをかける。
「やけど、レオもかわいかやん」
「なんか勇ましかよ。こん子かわいかやん」
「じゃあ、レオン、か、リオンは?」
「リオンがよかやん」
「じゃあ、リオンね」
「わふっ」
 リオンは上位魔物には珍しく、治療魔法が使える。もちろん他にも水・光属性魔法を持つ。
「えーっと次は」
 エアリーズやトーレスより一回り小さなウルフ。フォレストウルフ。しかし、元気より大きい。
「ヴァルゴね、よか?」
「わふんっ」
 ヴァルゴは木・風属性を持つ。
「はい、次」
 静かに出てきたのはロックアンバーウルフ。もふもふ。
「リブラね」
「わふんっ」
 リブラは土・光属性魔法を持つ。
「次は」
「わふーん」
 ヴァルゴの妹のフォレストウルフね。
「スコーピオンやけど、女の子やし、ティエンはどうかね? 確か中国語でティエンなんとかやったはず」
「ティエンの方がかわいか」
 母の反応が早か。
「じゃあ、ティエンね」
「わふんっ」
 ティエンは水・土・木属性魔法を持つ。
「はい、次は」
 並んで出てきたのは、アーマーナイトウルフの兄弟。いつか、イフリィとノームもこうなるかな? こちらも見分けがつかない。
「お兄ちゃんがサジタリウス、弟君はカプリコーンね」
「「わんっ」」
 サジタリウスとカプリコーンは闇属性魔法を持つ。バンダナに刺繍や。
「はい、次」
 す、と出てきたのはロックアンバーウルフ。
「アクエリアスね」
「わふんっ」
 アクエリアスは土・火属性魔法を持つ。
「最後は」
 静かに出てきたのは、フォレストウルフ。
「パイシスかプワソンか、イクスィスか」
「プワソンかイクスィスやけど、イクスィスの方がかわいか」
「じゃあ、イクスィスね」
「わふんっ」
 イクスィスは火・風・木属性魔法を持つ。
 全員、当然に無属性魔法を持つ。
「しかし、よう出てきたなあ」
 オフィーリアの後は黙っていた父がぽつり。
「一時、はまっていたからねえ」
 お茶で一服。
 それから刺繍に関して相談。いっそ若手全員のバンダナに名前の刺繍をすることに。替えのバンダナにもすることになるが、大量だから、パーカーさんにお願いすることに。
「皆、改めてよろしくね」
「「「「「「「「「「「「「わふんっ」」」」」」」」」」」」」
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